子どもに注意するときは、肯定的な言葉を使う方が望ましいと思います。
「さっさとしないと、遅刻するよ」
「しっかり勉強しないと、いい高校へいけないわよ」
「ちゃんと練習しないと、レギュラーになれないよ」
これらは、「~しない」「~できない」という否定なメッセージを含んでいます。
このように、大人が子どもをいましめたり、注意するとき、否定的な言葉を使うことが、往々にしてあります。
しかし、大人がいましめたり、注意をするときは、子どもの習慣や行動をやめさせたり変えたいのであり、けっして否定的な気持ちではないのです。
むしろ、言葉の裏には、子どもの成長や変化を応援する肯定的な思いが込められています。
ですが、発する言葉が否定的な表現なら、本来伝えたい肯定的な気持ちは、子どもには通じないことが多いでしょう。
「遅刻してもいいねん。いつものことやから」
「どうせ、いい高校なんか行かれへんもん」
「練習したって、試合には出られへん」
この応答のように、親の否定的なな表現を受け、子どもが否定的な気持ちになってしまうことがあるのです。
ならば、大人の肯定的な気持ちは、肯定的な言葉で表す方が、ストレートに伝わります。
先ほどの否定的なメッセージは、肯定的なメッセージにすると、次のように変わります。
「早く学校に行ったら、友だちとたくさん話せるよ」
「勉強をしっかりすると、いい高校へ行けるよ」
「よく練習したら、試合で活躍できると思うよ」
このように、肯定的な言葉で言うと、かなり受け取る側の感じ方や印象が変わります。
というと、「朝は忙しいのに、子どもにそんな悠長なことを言ってられない」と思われる方もいるかもしれません。
そうかもしれない。ときには、そんな場合でないこともあるでしょう。否定的な言い方をしてしまうとき、また、しなければならないときもあるでしょう。
ただし、だからといって、いつもいつも否定的なな言葉ばっかり浴びせられた子は、自分を否定的にとらえ、自信をなくしてしまいます。
「頭では、理解できました。でもね・・・」という親御さんの声が聞こえきてきそうです。
「どうしても否定的な言い方になってしまうんです。どのようにしたら肯定的な言い方ができるの?」
難しくないです。いつも意識してお子さんに肯定的な言い方をしていればいいのです。
私も以前は、生徒によく否定的なな言葉を使っていました。
でも、生徒を認めることの大切さを想い、言葉を考えて言うようにすると、できるようになりました。
ちなみに、先日、3年生の面接練習をしたとき、受け答えがあいまいで、最後まではっきりと言わない生徒の答え方が気になりました。
面接練習後のコメントを、私が生徒たちにしたとき、自然と次の言い方になりました。
「みなさん、面接官に質問されて答えるときは、話す言葉の最後、つまり語尾をはっきりと強く言うと、言葉がインパクトをもち、いい印象を残せますよ。」
「私の中学校は箕面市立第三中学校です」と
「私の中学校は箕面市立第三中学校です」では、最後を力強く言った方が、言葉がひきしまるでしょう。どうですか?
生徒たちは、うなずいていました。
私のこの言い方は、肯定的なメッセージですが、自然と私から出た言葉です。
大切なのは、面接に取り組む生徒のがんばりをわかっていること。
すると、「はっきりと話さないと、何を言いたいのかわからんよ」という否定的な注意ではなく、肯定的な言い方になります。
人間は意識し続けると、無意識にできるようになります。
保護者のみなさん、意識して肯定的な言葉のシャワーをお子さんに浴びせてください。