子どもについて、教員を含め、おとなが誤りがちなことがあります。
それは、子どもに何か問題が見えるときや子どもに心配な行動が現れているとき、子どもを変えることが、解決になると思ってしまうことです。
今は心理学がもてはやされ、カウンセリングが重宝がられています。臨床心理士は大活躍です。
教育委員会も、学校での生徒指導は、生徒を厳しく指導するのではなく、教員がカウンセリングマインドをもち、生徒に接することの大切さを言います。
たしかに、カウンセリングマインドは必要です。しかし、それには大人がはまり込みやすい誤りの危険性が潜んでいます。
たとえば、学校に行きたがらない子どもの担任が、子どもをカウンセリングしてやってほしい。問題を抱える子どもにカウンセリングを受けさせたいと言うときです。
カウンセリングによって、その子の気持ちを変えさせる、気持ちを変えれば、学校に足が向くのでは、問題が軽くなるのではと考えているなら、それは子どもを変えようとしているのです。
カウンセリングによって、子どものつらさに共感することは可能です。またその子の気持ちのもちようを変えることができることも、実際にあります。とくに、本人がカウンセリングを望んでいる場合は有効です。
しかし、教員や親が「カウンセリング頼み」になってはいけません。もし学校での人間関係で悩んでいるのなら、うまくいかない相手に働きかけ、人間関係を改善することが、いちばん効果があり、有効なのです。
もし、いじめる友だちがいて、その理由で学校に足が向かないことがはっきりしている場合なら、いじめる子どもを指導して、その子が謝ることの方が、カウンセリングより、なによりも有効です。
子どもを変えようとする大人の場合、子どもたちの人間関係は、往々にしてしっくりいかないものです。
(写真と本文の内容は無関係です。)