茅沢勤 『習近平の正体』 ( p.239 )
習近平はインタビューで「出世を目的としないのか」と問われ、「政治の道に入ったら、財を成すことを考えてはなりません」「政治の道に入ったら私利私欲を捨て、役得を得ようなどとは絶対に考えてはいけないのです」という答えかたをしている、と書かれています。
習近平のこの「答え」は「ヘン」です。
「出世を目的としないのか」と問われたにもかかわらず、「役得を得ようなどとは絶対に考えてはいけない」と答えているからです。
これでは、習近平は、「あなたは出世を目的としないのか」という問いに「答えたくない」のだと思われても、しかたがありません。
本当に答えるつもりがあれば、
それではなぜ、習近平がこのような「おかしな」答えかたをしたのか、といえば、
それはやはり、「習近平の下放時代・その2」などで繰り返し延べてきたように、習近平は「出世したい」と強く望んでいるからでしょう。
つまり、「出世を目的としないのか」という問いに対して、「いいえ。私は出世を目的としていません」と答えればウソになるし、正直に「はい。私は出世を目的としています」と答えれば、「とんでもない奴だ」ということになり、出世に不利になる。だから問いに答えられない。そこで習近平は、「論点をずらした」答えかたをしたと考えられる、ということです。
なお、この本の引用は今回で終わりです。明日以降、別のテーマに移ります。
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「答えない理由」
近平はインタビューで「出世を目的としないのか」との質問に対し、こんな答え方をしている。
「それは非常に重要な問題です。何を人生の座標軸とするかです。政治の世界に入る前、私はじっくりとこの問題を考えました。政界に足を踏み入れる前に、思想的にはっきりとさせておくべき問題が2つあったからです。まず、『お前はどのような道を歩きたいのか』ということ、そして『お前が求めているものは何か』ということです。
公僕として大事を成すに当たって志を立てることは大切です。熊の掌(山のもの)と魚(海のもの)をともに得ることができないのと同じように、政治の道に入ったら、財を成すことを考えてはなりません。孫中山(孫文)が言っているように、志を立てて大事を成したいなら、経済的な富が伴う『大官』になってはならない。現在では合法的に富を追求する道はたくさんあります。ビジネスで富を得るのは悪いことではない。大金を稼げば税金をたくさん払うことになり、社会主義市場経済を発展させることに通じるからです。
しかし、政治の道に足を踏み入れてから金を儲けようとすれば、『貪官』『贓官』と呼ばれ、いつ捕まるかと怯え、最後はよからぬ場所に身を堕とすことにもなりかねません。政治の道に入ったら私利私欲を捨て、役得を得ようなどとは絶対に考えてはいけないのです」
確かに、近平が福建省にいた当時、「遠華事件」など多くの汚職が発覚したが、近平はそれらに関与することなく、それもまた出世のきっかけとなった(第四章参照)。
習近平はインタビューで「出世を目的としないのか」と問われ、「政治の道に入ったら、財を成すことを考えてはなりません」「政治の道に入ったら私利私欲を捨て、役得を得ようなどとは絶対に考えてはいけないのです」という答えかたをしている、と書かれています。
習近平のこの「答え」は「ヘン」です。
「出世を目的としないのか」と問われたにもかかわらず、「役得を得ようなどとは絶対に考えてはいけない」と答えているからです。
これでは、習近平は、「あなたは出世を目的としないのか」という問いに「答えたくない」のだと思われても、しかたがありません。
本当に答えるつもりがあれば、
- 「私は出世を目的としています」、または、
- 「私は出世を目的としていません」
「あなたは出世を目的としているか」と問われて、「政治家が金持ちになろうとすることの是非」を述べること自体が、おかしいと思います。これは、
- 「論点ずらし」であるうえに、
- 「自分が」金持ちになろうとしているかではなく、「一般論として」政治家が金持ちになろうとすることの是非を答えている
それではなぜ、習近平がこのような「おかしな」答えかたをしたのか、といえば、
それはやはり、「習近平の下放時代・その2」などで繰り返し延べてきたように、習近平は「出世したい」と強く望んでいるからでしょう。
つまり、「出世を目的としないのか」という問いに対して、「いいえ。私は出世を目的としていません」と答えればウソになるし、正直に「はい。私は出世を目的としています」と答えれば、「とんでもない奴だ」ということになり、出世に不利になる。だから問いに答えられない。そこで習近平は、「論点をずらした」答えかたをしたと考えられる、ということです。
なお、この本の引用は今回で終わりです。明日以降、別のテーマに移ります。
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「答えない理由」