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壬生義士伝(下)-浅田次郎

2021年04月09日 | 読書

評価5

再読(前回2018年1月3日)。
南部藩脱藩新選組隊士・吉村貫一郎とその一家(妻・しづ、長男・嘉一郎、二男・貫一郎、長女・みつ)の物語完結。吉村貫一郎は妻子を養うために主家を捨てる。しかし、恩と矜りとは決して忘れぬ、守銭奴と罵られ嘲られても、飢えた者に一握りの飯を施す能うかぎりの完全な侍だった。

忘れられぬ名台詞。

「南部盛岡は日本一の美しい国でござんす。西に岩手山がそびえ、東には早池峰山。北には姫神山。城下を流れる中津川は北上川に合わさって豊かな流れになり申す。春には花が咲き乱れ、夏は緑、秋には紅葉。冬ともなりゃあ、真綿のごとき雪こに、すっぽりとくるまれるのでござんす。」

こったな故郷に生まれ育ってわしゃ~幸せ者だな~としみじみ思いつつ二度目の読了。浅田さんの新選組三部作の再読まだ続けます。