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白堊スポーツ - since 2004.09.18

母校・盛岡一高や岩手のスポーツ情報、読書感想、盛岡風景などをお伝えします。

薬指の標本ー小川洋子

2021年02月02日 | 読書

評価4

「薬指の標本」「六角形の小部屋」の2作品。
標本技術士の許で働くわたしは薬指を標本にすることを望む。病院で働くわたしは彼を憎むようになり、語り小部屋に通いその思いを吐き出すようになる。小川洋子が語る「消滅」と「死と別れ」の世界。

楽譜、火傷、ジャックナイフ、練り香水、文鳥の骨、なんでも標本にしてしまう標本技術士・弟子丸とわたしの怪しい関係。弟子丸に黒い革靴を贈られたわたしの足は靴に侵食されて消えかかる。プールで出会った婦人の後を追ってついた荒れ果てた社宅管理事務所にはミドリと息子のユズルが暮らしていて、六角柱の語り小部屋を解放していた。わたしはその部屋に入り浸る。

「どんな道をたどろうとも、わたしたちはただ、あらかじめ定めれた場所へ向かうしか他に方法はないのです」

小川洋子の世界を現す言葉、である。
じわじわと小川ワールドに引き込まれる私であった。

貧血ー中学校時代の思い出。

2021年02月02日 | 家族・自分
中学生の頃、寝不足のまま朝食もとらず駆け足で学校に滑り込んで朝礼に出た私は、幾度となく貧血で倒れる直前の状態に陥った。あくびが出て、目の前に黒点がチラつくと自発的に保健室へ駆け込んだ。

あまりにもM谷地校長の話が長すぎて、いつも数人の犠牲者が出ていたのである。

クラブ活動にもほとんど出席せず、実に軟弱なダメ生徒であった。