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十字軍物語(2)-塩野七生

2020年11月03日 | 読書

評価5

第2次十字軍遠征(1148年)~イスラム・サラディンによるエルサレム陥落(1187年)まで。

イスラム側にジワジワと侵食されつつあったキリスト教側はフランス王ルイ7世、神聖ローマ帝国皇帝コンラッドを指揮官として第2次十字軍を派遣するも、あっと言う間に敗走することとなりイスラム勢力の伸長を許すこととなる。

十字軍国家も、現代であれば「特殊部隊」と言える聖堂騎士団、聖ヨハネ騎士団の宗教騎士団を擁し、少ない兵力の有効活用のための堅固な城塞を数多く築き、ヴェネツィア、ジェノバ、ピサなどの海洋都市国家の海軍力と経済力を駆使して懸命な戦いを挑むのだった。

しかし、イスラム側のスルタン・ヌラディンの後を継いだ「戦略の天才」サラディンによる聖戦宣言=ジハードにより、1187年、ついにエルサレムはイスラムの手に落ちることとなる。この時点で残っている十字軍国家はアンティオキア、トリポリ、ティロスのわずか3箇所となってしまったのである。そんな中、エルサレム陥落を知ったキリスト教徒はすぐさま第3次十字軍を編成し続々と中近東を目指すのだった!

【追伸】
当時から、捕虜の解放に身代金を要求されていたようです。今と変わりませんね・・・