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海の都の物語(6)-塩野七生

2020年10月21日 | 読書

評価4

信教の自由、表現の自由、個人の自由、政教分離を旗印に1000年もの間、都市国家として独自の共和政体を守り続けて来たヴェネツィア共和国もついに終焉の時をむかえる。革命によりヴェネツィアとの対立の度を深めていたフランスの占領を許し、1797年無抵抗降伏を決定したのであった。時のイタリア戦線総司令官はナポレオンである。

ヴェネツィア衰退の原因としては次のような項目を上げることができる。
①オランダ、イギリスの台頭による海運の衰え
②社会の大衆化に伴う安価な製品の登場による毛織物工業などの衰退
③植民地からの金銀などの産出による金貨銀貨を使って通商を行う国々に対抗する術を持たない
④工業・農業へ重心が移動したことによる貧富の固定化
⑤貧富の差が貴族階級にも現れ、政治の硬直化と腐敗を招く

こうして、衰退の道を歩き出したヴェネツィアだったが、多くの芸術家を輩出しているのが影の中の光と言えるかもしれない。輝かしい人々の名を記して、「海の都の物語」全6巻の締めくくりとしたい。

<画家>ヴェネツィア派
16世紀の3大巨匠ーティツィアーノ、ヴェロネーゼ、ティントレット
18世紀を代表する3人ーカナレット、グアルディ、ロンギ

<音楽家>
ヴァイオリン奏者の息子であり、聖職者であり、(赤茶けた髪だったので)赤い司祭と言われたヴィヴァルディ

ローマにも!ヴェネツィアにも!行ってみたいなぁ~♪