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海の都の物語(4)-塩野七生

2020年10月14日 | 読書

評価5

1453年コンスタンティノープル、トルコに攻められ陥落。その後も1479年の講和締結に至るまでヴェネツィア同盟諸国とトルコの攻防は続く。いやはや、トルコのマホメッド二世の残虐性がハンパない。

ま~そんなこともあった1400年代後半であったが、この巻の後半を占めている当時の「聖地巡礼」の話がとても面白い。1480年、ミラノに住む35歳独身の官僚であるサント・ブラス氏が半年かけてヴェネツィアからエルサレムまで旅して来た話である。旅の様子もさることながら、ヴェネツィアの現代の旅行業者を思わせる観光事業にかける熱意にびっくり。

ヴェネツィアの聖地巡礼事業は、旅行の安全と快適性の確保のため巡礼事業法という法律によって実施されていたのであった。旅人を見つけるや、ドイツ語・フランス語・英語が堪能なトロマーリオという観光事務職員が市内での宿泊所の手配や買い物の案内を行い、聖地巡礼に必要なローマ法王やイスラム教徒の許可証取得の代行業務も担っていたのである。しかも、この巡礼行には「団体割引」さえもあったというから驚く!GO TO エルサレム!!!