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我らが隣人の犯罪ー宮部みゆき

2018年12月16日 | 読書

評価1

「秘密」(東野圭吾)の巻末文庫紹介ページで見て面白そうだったので取り寄せ。何を隠そう超人気作家の初読み本。短編5作品。

1.我らが隣人の犯罪
うるさい隣り部屋の犬を誘拐すべく中学生と小学生の兄妹、叔父さんトリオが作戦実行。綿密な計画だったが・・・ちょっとガッカリさせて、最後はニンマリ。犯行テクニックに重きをおいた作品。

2.この子誰の子
暴風雨が吹き荒れる夜、サトシが一人で留守番をする家に幼子を連れた女が突然現れ、「家に入れろ。この子はあなたのお父さんの子です」と言い張る。が、サトシの父は子どもを作れる体ではなく、サトシは人工授精で生まれた子どもだったのだ。この女とサトシ、父の関係は・・・

3.サボテンの花
ある小学校6年生のクラスが「サボテンの超能力」についての研究発表をすることになった。しかし、その目的は退職する教頭先生へサボテンで作ったお酒をプレゼントすることだった。

4.祝・殺人
結婚式の司会者が惨殺される。被害者と面識があった(結婚式の)エレクトーン奏者が犯人を推理する。なんと犯人は花婿と花婿の殺人を闇に葬ろうとした新婦の父だった。

5.気分は自殺志願
味覚障害に陥ったレストランのボーイ長が自殺志願して推理作家に相談。作家は自殺を諦めさせるために障害を悟られず大金を手にして退職できる方法を伝授する。その方法は?

う~む、正直に言わせてもらえば薄っぺらい作品5つ。

1.犯行テクニックに走り過ぎて話が軽い。2.導入部が何が何だかわからず先を読みたくなくなる。3.研究発表のテーマでそんなに教師や父母が騒ぐだろうか?現実離れもはなはだしい。4.資産家の新婦父が娘の将来のためにこんな犯罪を犯すなんてナンセンス=動機づけが納得いかない。5.テクニックに走り過ぎ。

「人気作家にしてはな~ 星新一風~?」と思って調べてみたらデビュー作とのこと。「ん、では致し方ないかな」と少し納得。でも「短編は得意ではないんだろうな」と思う。池井戸潤のように・・・一冊で評価するのもなんだし、人気作家なんだし、次は直木賞受賞作の「理由」を読んでみようかと思います。

しかし、巻末解説(北村薫)の大絶賛には苦笑。