評価
時は江戸時代末期(1843年)の冬、西美濃田名部郡を領分とする知行7500石の旗本・蒔坂左京大夫は参勤交代で江戸へ向けて中山道へ歩みを進める。その若き御供頭が主人公。
失火により父が不慮の死を遂げたため齢19にして初めて訪れた故郷(江戸屋敷で生まれ育った)で、小野寺一路は家代々のお役目である参勤道中の御供頭を仰せつかる。失火は大罪のため、道中の差配に不手際があれば、ただちにお家断絶に追い詰められる一路だったが家伝の「行軍録」を唯一の頼りに、いざ江戸見参の道中へ!
江戸までの苦難の道を語るロードノベルかと思って読み進むと、なにやら、御殿様の首を狙う後見人一味の謀略が見え隠れする。下巻に乞うご期待!