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八日目の蝉ー角田光代(再読)

2018年10月02日 | 読書

評価5

何度も何度も「もう一度読みたい!」と思っていた本。

妻帯者の子を身籠ったものの堕胎した末に子どもを産めない体になってしまった女が、その不倫相手の生後六か月の長女を連れ去るところから物語が始まる。二人は東京、名古屋、奈良、岡山を転々として小豆島にたどりつき、女の子が4歳になるまで過ごす。ようやく二人に穏やかな日々が訪れたのもつかの間、ついに警察の手によって逮捕される時がやってくる。

小豆島の美しい風景の中で二人の心が交じり合う姿を綴る文章がなんとも言えず心を打つ。ラスト数ページ、すれ違ってしまう17年後の二人のシーンが好きだ。前回も泣いてしまったが、今回もやはり・・・このラストに巡り会いたいためにまた読んでしまったようなもの。本当に名作です。たぶんまた読み返すと思う。傑作です。

【追伸】
映画を見ましたが、自分の頭の中で作られた原作の世界を壊すので、映像になったものは見ない方が良いですね。