へんくつゃ半睡の「とほほ」な生活!

 奇人・変人・居眠り迷人。医療関連を引退⇒
某所で隠遁準備中。性質が頑な、素直ではなく、
偏屈でひねくれています。

【噺】三日月・・・稲妻とお金!@江戸言葉

2009年04月26日 | 江戸言葉

みかづき がね               いなづま がね
三日月 金 と 稲妻 金

 
 村松 誠 (C)Makoto Muramatsu

 

  
「おらが内へくる金は、三日月金とも稲妻金ともいふ。
何でもちらりとみたばかり、直ぐに出て行く。
そのくせ奢りが強いときてゐるから、がんぎだ。」
『浮世床』式亭三馬

 

 
-おれの家に入ってくる金は三日月金とも稲妻金ともいってね。
ちらりと姿を見せただけで、すぐに出ていってしまう。
そのうえ、やたらに気前がいいものだから、損ばかりしているよ。

 

  
がんぎ=雁木やすりの略。
 押しても引いても物が削れることを、損の重なることに掛けた洒落。
  
 空に浮かんだかと思うと、すぐに姿を消してしまう三日月のような金だから、
三日月金」なのである。

 

  
稲妻金」のほうが、現れては消える素早さがはるかにまさっていそうだが、
三日月金」のほうが感じは出ている。

 

  


稲妻金」からは夜空を裂いて走る稲光がありありと浮かび、
ちょこまかと出入りする端金にしては、なんだか華々しすぎる。
 まるで「花火」のようである。

 

《 参考・引用・参照 》
 『使ってみねぇ本場の江戸語』野火 迅 文藝春秋 580円

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