アメリカ合衆国の漢方薬事情:6 ( まとめ )
※ 画像の一部は借りものです。
◆福山大学薬学部 漢方薬物解析学
◆漢方診断学分野-研究内容
◆漢方研究会「香蘇散」」
今回は香蘇散 (コウソサン) の話でした。
風邪薬と言えば葛根湯が有名ですが、実はなかなか
使いづらい漢方薬で、副作用が少ないのは香蘇散に
なります。
◆世界における東アジア伝統医学
中国医学を源とする医学は、中国(中医学)、日本(漢方)以外にも、
朝鮮半島(古くは東医、現在の韓国では韓医学、北朝鮮では高麗医学と
呼ばれる)、ベトナム(南医学)などアジアの広い範囲で行われている。
東南アジアの伝統医学も、その多くがアーユルヴェーダと共に中国医学の
影響を受けている。
また、アメリカ、カナダ、ヨーロッパ、オーストラリアなどでも
中国医学系の伝統医学(Traditional Chinese medicine (TCM))は
注目され、広く実施されている。
オーストラリアは西洋文化圏で最も中医学が発展しており、
2012年には全国で中医の登録制度が実施された。
アメリカでは50州の内44州で鍼灸が合法化され、
カナダやイギリスでも中医診療所は増加傾向にある。
アメリカ国立衛生研究所(NIH)では、中医学中心に伝統医学の
研究が行われ、アジアの生薬療法の研究に大きな予算が割かれて
いる。
アジアの伝統医学の研究は2017年の段階で、[NIH]の中の
アメリカ国立補完代替医療センター(NCCAM)と
国立がんセンター(NCI)を合わせて2,750億円ほどの規模で
行われており、その成果はアメリカに独占されている。
中国医学系の伝統医学は、代替医療・統合医療の分野で世界的に
活用され、グローバル化が進んでおり、標準化が課題となっている。
中心地である日中韓の伝統医学は、共有する部分も大きいが
理論・用語・処方に様々な違いがあり、政治的な影響もあり
足並みはそろっていない。
これは、アジアのハーバルメディスン(漢方薬)の標準化を目指す
アメリカに対し、アジアの伝統医学にとって大きな不安材料と
なっている。
日本は政府・医学会共に、中国医学の国際化・アメリカ主導の
標準化の流れに関心が薄く、中国、韓国、香港、台湾などと異なり
伝統医学を扱う政府のセクションは存在しない。
国際的にも漢方への理解は低く、外交面で大きく立ち遅れているのが
現状である。
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◆ 引用・参考
『フリー百科事典:ウィキペディア』
株式会社 ツムラ
◆ アメリカ合衆国の漢方薬事情は、
第一部のまとめといたします。
9月以降に第二部を予定しております。
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