日々のなりわい
「お腹立ちさまでしょうが」・・・
「あやまるのは慣れているさ。詫びが言えたら一人前、と先代が口癖にしていたよ」
なるほどなあ、と私は感心し、さきほどの母堂の謝辞(この語には、お詫びとお礼の、
正反対の意味がある。こういう語も珍しいだろう)を思い出していた。
「お腹立ちさまでしょうが」という言葉である。なつかしいような響きの、文句であった。
そういえば、何々さまと、様のつく言葉がずいぶん、ある。
「おあいにくさま」「おかげさま」「お気の毒さま」「お世話さま」「お粗末さま」
「お互いさま」
「おまちどうさま」「お疲れさま」「ご苦労さま」「ご愁傷さま」「ご馳走さま」・・・
結婚式場で、「よいお日和(ひより)さまでございます」という挨拶を聞いたことがある。
「よいお日和」とは口にするが、かくも丁寧に述べるのを聞くのは初めてだった。結婚式場に
ふさわしい言葉と感じ、挨拶のぬしを優雅に見た。年配のご婦人だった、と思う。
「お腹立ちさまでしょうが」と言われると、それ以上、突っかかるわけにはいくまい。
「さま」が、微妙に、角立てない役を果たしている。さまを抜いて「お腹立ちでしょうが」と
言ったら、「当たり前だ」と、こう返ってくるだろう。
さまが濁ると、ざまになる。「ぶざま」「ざまを見ろ」「死にざま」・・・
侮蔑がこもって、良い言葉ではない。
「生きざま」は誤用だが、これは「生き様」と書かれたものを誤読したのではないか。
と私は推測している。
「何様だと思っているのだ」の「何様」は、何ざまでなかろうか、と友人が言ったが、真偽は
ともかく気持ちはわかる。
出久根 達郎
「セピア色の言葉辞典」 より
文藝春秋 文春文庫 税込価格:¥660
では又明日。
半睡さまさま・・ひよこ拝
生きざまって誤用なんですか。知らなかった…(恥ずかしい)
でもよく芸能人とかスポーツ選手でも、インタビューに答えて、
「子供に親の生きざまを見せたい」とか言ってますよね。
あれ、間違った使い方なんだ。勉強になりました。
★一部の人を除き、芸ノー人や、根性しか言わない運動選手は国語力が劣るようです。 コミック誌は読むが、時代小説を読まないから、人情や世話の
意味がわからないようです。女流作家さんの時代小説をお読み下さい。
で、自分の過ごしてきたぶざまな生きか方。--と、あります。
今は、若者から順々に、言葉使い変わっていくようですね。
良い大人が、ガキ言葉使うこと、恥ずかしくないのでしょうか。
ぉバカなノータラン人がしゃべっている言葉を真に受けてる若者!?
猫は無様な姿でも許されます。
「お粗末さま」好きな言葉です。
まねっこひなたぼっこしておりましたぁ!
お粗末さま。
みなさんお元気で、ここ20年あまりで平均年齢が90歳近くになりました。
とある老人施設のことでした。
「おまちどうさま」「よいお日和さまで・・・」