いつもこのブログを見て頂いて有難うございます。
前回に引き続き、今日はすべった話を書こうと思います。
不動産の商談は、些細な事で状況が一変する事も多く、つきつめれば、誰が悪い、誰のミスで・・と言う事を追及する事は
ナンセンスだと考えています。
しかし、商談とは常に相手が有る事であり、プロなればこそ、当然予測の元にトラブル回避のプロセスをたどる必要があります。
今回の件は、いいケーススタディだと考えますので、ご判断は見て頂いた方にお任せしたいと思います。
第二話
前回の事も有り、私はA氏よりの申し出にはかなりの警戒心を抱いていた。
しかし、買付証明書は実際にFAXされ、購入希望者がサインをし、印鑑を押している以上、私の判断で売主の利益を損ねる事
は出来ず、まずは経緯を売主に報告へ向かった。
報告の内容は、買付証明書が送られてきたが、前回、不首尾に終わった業者さんを経由してきたものである事。
その方の人格や行動とは無関係に、その仕事の進め方のみを判断材料とするならば、私としては積極的に進める事は
お勧めできない旨を伝えた。
更に、その業者さんの先には何故か4社の同業者がいると言う事。
この事については、他府県の業者さんではない事から通常は考えにくい事であるという事。
これらを報告し、売主さんの反応を確かめてみた。
売主さんは、私の判断でどうも話がややこしいと言う事で有れば、商談はお断りしてくださいという回答であった。
正直、こまった・・と私も悩んではみたものの・・・・購入希望者さんが印鑑を押している以上、むやみな返答も出来ず
数日間はゆっくり考える事にしたのだが、そんな折、A氏より連絡が入った。
A氏 「 急で悪いんですけど契約は○○日でお願いしたいんですわ。書類は持ち回りでいいんで、重要事項説明と
契約書の説明はこっちで買主さんにやっときます。」
私 「 え・・・三日後じゃないですか! あまりに急すぎませんか?売主さんの都合も有りますし出来るかどうか
すぐには回答できませんよ」
A氏 「 何とか頼みますわ。買主さんがそう言ってきてるんで」
受けて良いかどうか悩んでいる所へこれである。
その数十分前に、先に検討していたお客様のお話は否決となった事もあり、とりあえず契約書と重要事項説明書の作成は
早急に行う旨を私はA氏に伝えた。
三日後には買主の手元にこの書類が無ければならない、と言う事は私は既に大方調べてあるとはいえ、再度の現地調査と
役所調査を行い、一日を使い切ったころに全ての掲載すべき情報を収集し終えた。
次の日、持ち回りで有る事等から、売主さんに時間を取ってもらい・・契約書と重要事項説明を行いこちら側でやるべき事を
終えた。
怒涛の二日間である。
内心、相手の事も考えてくれよな・・という気持ちが私の中にはあった。
余裕を持って契約日時設定をする様に買主さんにナビゲートするだけなのに、何故、それをせず、無理っぽいスケジュールを
押し込んでくるのか?という事にいらだちを覚えた。
とは言え、全てを終えた時は達成感も有り、一応の満足感が無い訳も無かったのだが・・・
その時、私の電話がなった。
相手はA氏である。
A氏「 ○○です。すんません、西本さん、実はね、買主さんが契約日を一週間延ばしてくれゆうとるんですわ」
私 「冗談でしょ!?なんですかそれ?」
A氏「 いやね。私も怒ったんですわ!相手の都合も考えろって!そやけどどうしても明日は無理らしいんですわ」
ちなみに、このA氏は前回もそうであったが、独り芝居の様な物語をよく行う。
「 こんな話を持ち出して相手にこう言ってやった 」的な、こちらにとってはどうでも良い、責任回避のしょうもない話である。
私 「 もういいですわ。ちょっと時間ないので分かりました。一週間後ですね。」とだけ言い、私は電話を切った。
この時点での不安ボルテージはかなり満タンに近い状態であった。
続く・・・・