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電王戦・三浦弘行九段への処分・第八幕の2

2016-12-31 11:40:36 | 日記
昨日(27日)は三浦9段の記者会見連盟の報告会とダブルで行われて、実に情報量が多い日でした。<--リンク

そうして、まだバラバラではありますが、この騒動についてのあらかたのピースが、はめ絵の小片が出そろった模様です。

さてそこで、ここではまずは情報の整理から始めることとしましょう。

とはいえ、事の真相は当事者にしか分からず、しかもその当事者間であってさえ事実認識、あるいは「言った、言わない」というように認識が異なる世界であります。

従いまして以下のお話は個人的な推察を加えながらの、それぞれのピースの配置作業となります。


さてこの物語の大筋。

やはり主人公は竜王と理事さんでしょうね。

そうして竜王と仲の良いマスコミ関係者、それからスポンサーさん、まあこんなところでしょうか。

それからもう一人の、悲劇のヒーローが三浦9段となります。

それ以外のおおくの関係者が登場しますが、まあそれはおいおいの話ということで。


さて、竜王戦が迫ってきたこの頃、挑戦者に連敗中の竜王はどうにも落ち着きません。

「なぜやつは急にこれほどに強くなったのか?」

まあそういう訳です。

そこに二つの噂が聞こえてきます。

「どうやら挑戦者は禁止魔法(将棋AI)を使っているらしい」というのが一つ。

もうひとつは「その事について、竜王戦開催中にあるマスコミがスクープ情報を出すらしい。」というものです。


そこで竜王は考えます。

「竜王戦の最中にそんな醜聞を発表されたら、竜王戦に傷がつき、スポンサーへの印象が悪くなる。」

「そうして対局料の値下げにもつながる話なので、これはまさに我が村の存続問題でもある。」

まあそんなところでしょうか。


さあ、問題の所在が明らかになったと思いこんだ竜王、さっそく村の顔役である懇意の理事さんにご相談であります。

「こうこうこういうわけだ。これはほってはおけまい。」

こうして理事さん邸での秘密会議の招集となりました。

出席者のみなさん、対局中の長時間の不自然な離席、そうして何より聞きなれない「将棋AIとの一致率」を駆使した説明におされぎみです。

そうしてなかなか「その一致率とは信頼性があるものなのか?」とは問いかけられません。

なにせ、世間ではやりの最新将棋AIについての話らしいので、ここは「しったかぶり」をするのが良さそうです。<--リンク

その結果、竜王と理事さんは「みんな分かってくれたな。」と思いこみます。


それで翌日三浦9段を呼び出しての竜王立会での10人で1人を取り囲んでの常務会(と言う名前の実質は査問会)の開催となりました。

ここで連盟側の主張と三浦9段の説明と、話しは鋭く対立します。

まずは連盟側の主張から。

「こういう疑惑があるがどうか?」と三浦9段に問います。

「そんな風に疑われた状況では竜王戦は戦えない。」

「そうか。それでは明日午後3時までに休場届の提出よろしく。」


次は三浦9段の今回の記者会見での説明から。

連盟は「こう言う疑惑があり、竜王戦が取りやめになった。」と。

ついては竜王と三浦9段には「今回の竜王戦はなし」ということで了承いただきたい。

竜王、おもむろにうなずきます。

そうなればしかたありません。

三浦九段も「分かりました。」となります。

そこですかさず理事さん、「そうか。それでは明日午後3時までに休場届の提出よろしく。」


ここで再び話が合流します。

三浦9段、家に戻って考えまするに、「使った覚えがない将棋AIの疑惑の件で、なぜ私が休場せねばならないのか?」と。

そういう訳で休場届を出すのをやめました。

さてそうなると連盟さん、「出すといった届が出てこない。これは処分せざるを得ないなあ。」

さて、第三者委員会のみなさん、連盟側の主張のみを取り上げればこの「出すといった届が出てこない。これは処分せざるを得ないなあ。」という所が「やむを得ないことだった」ということになります。

他方で、三浦9段にすれば、「これははめられた、だまされた」と思うような状況になる訳であります。


さて、事実はどうだったのでしょうか?

竜王から相談された理事さんはスポンサーさんに「こういう状況です。」と一報は入れていたと思われます。

そうして、「竜王が言われる「最悪の状況」を回避するためには挑戦者の変更というのが一つの方法である。」という認識はスポンサー側と共有されていたと思われます。

問題は挑戦者の変更が読売側の事前承認の下で行われたのか、あるいは事後承認であったのか、ということになりますが、これも当事者でなければ分からない話であります。

あるいは日本人お得意の「あ、うんの呼吸」で、そのあたりはどちらでもなかった、その中間の状況であったのかもしれません。


しかしながら三浦9段からすれば、そこのところは、開催中止とされた竜王戦が何事もなかったかの様に開催されたというじじつからすれば「開催中止というのはウソで、単に私から休場届を提出させるための作り話だった。」となります。


そうして、連盟からすれば「3か月の出場停止処分中だから三浦9段は竜王戦に参加できない。」

「竜王戦の開催はスポンサーさんとの契約事項だから、挑戦者を変更して竜王線を実施せざるを得ないなあ。」とこうなる訳であります。

そうして、第三者委員会はこの連盟側の説明を「やむを得ないものだった」と追認したのでした。


しかしながら第三者委員会は三浦9段の聞き取り調査もしているのですから、この三浦9段の「休場届不提出の経緯の説明」も聞いているのでした。

でも、報告書でその主張を取り上げれば「連盟側の手続きには重大な瑕疵があり、この処分は無効である。」ということになってしまいそうです。

そうして結局のところ「雇用主の意向に沿った仕事をしない弁護士さんは存在しない」のであります。

まあそういう訳で、あのような報告になったのでありましょう。

そうして「無効である。」と言う代わりに「損害の、損失の補償はきっちりとやってくださね。」ということにしたのでありました。


しかしながら第三者委員会の報告を聞いた連盟さん、そこのところを理解されていない模様であります。

「やむを得ないものだった」というのを「妥当なものだった」とご自分たちに都合のいいように解釈されておられる模様です。

極論すれば「手続き上に瑕疵はなかった。」、「自分たちは正しかった」とそういう理解になってしまっていそうです。

そうでありますから今回の騒動のけじめとして谷川さん、島さん、青野さんでさえ「3か月のあいだ、理事手当三分の一の減給」程度で十分だということになったのであろうと推察しております。

PS
竜王や島さん、谷川さんが「大事だと考えているものを守ろう」とした意図は良く分かりますし、それはあながち間違いとは言えないのでありしょう。

しかしながら今回は、手段、手続き、やり方が間違っていました。

そうして「目的の為には手段を選ばず」の道は、結局のところ「争い」につながります。

目的の、動機の正当性は手段を正当化しません。

そうでありますればこそ「目的のためには手段を選ばなくてはいけない」のであります。

PS
28日発売の週刊文春。 <--リンク

10/8に渡辺竜王が文春記者にメールしていた!!

PS
・読売にとって何が大事なのか、それが良く分かります。<--リンク

PS
・将棋棋士の三浦九段が将棋連盟に不満の意 「休場の申し出はしていない」「元の状態に戻してほしい」<--リンク

・三浦九段「つらく悔しい思いした」 会見で将棋連盟批判<--リンク

・三浦弘行九段会見詳報「うーん。まあ、無理なんでしょうけど、竜王戦をやり直してほしい」<--リンク

・法廷闘争の可能性も 三浦弘行九段の出場停止問題<--リンク

<将棋>「三浦九段につらい思いさせた」谷川会長が謝罪<--リンク

・第三者委員会調査結果を受けて谷川報告詳細です。<--リンク

・日本将棋連盟会見詳報「週刊誌に記事が…出場停止はやむを得ない判断だった」<--リンク

・離席発言「真偽の調査を怠った」 将棋連盟の説明詳細<--リンク

箸休め
気分転換にどーぞ。<--リンク

動画
・三浦会見 <--リンク
休場届提出のいきさつ
0:23:10から

・第三者委員会会見<--リンク


PS
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PS
そうして・・・。
・疑惑が晴れた「将棋のソフト不正問題」と将棋連盟に対して望むこと

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