宇宙論、ブラックホール、ダークマター、ホーキング放射、相対論

ブラックホール、ダークマター、ホーキング放射、相対論 etc etc

ダークマター・ホーキングさんが考えたこと・9・ダークエネルギー優位に至るまでの宇宙展開の歴史/

2019-03-05 07:57:08 | 日記
「3・熱暴走するBH」で議論した様に星が重力崩壊したBHは蒸発するどころか、重量が増えるばかりです。<--リンク
そうでありますから、恒星を起源とするBHはダークマターとなるプランクレベルのBHには決してなる事はできません。

そうしますと、このプランクスケールのBHはいつ誕生したことになるのでしょうか?
それはビッグバンの直後ということになるでしょう。
原始BH(PBH)と呼ばれているものがそれになります。

小さな質量のBHが相当量(宇宙のエネルギーの9割ほど)つくられたものと思われます。
それらのBHがホーキング放射によって急速にプランクスケールのBHになっていきました。
その結果として、大量のダークマターが出来上がりました。

あとはダークマターと通常の物質粒子の相互作用によって星が生まれ、銀河が生まれた、という現在のよく知られたシナリオが展開していきます。
しかしながら、このような時間が経過する中で、ダークマターからダークエネルギーと称される反発力を生み出すものが誕生し始めます。

それは「6・その後のBHの運命」で論じた様に、一応の安定状態にあるプランクスケールのBHに仮想粒子がトンネルするによってBHの中に飛び込むことによるホーキング放射の発生によりおこります。
そのホーキング放射プロセスの結果、プラスの質量を持つBHからマイナスの質量を持つBHへとBHの状態の変化、あるいはBHの相転移が起こります。

このマイナス質量をもつプランクスケールのBHはマイナス質量をもつ点粒子と見なす事ができ、宇宙で銀河とダークマターが存在していない場所を埋めていきます。
このマイナス粒子の集団はお互いに反発力を及ぼし合い、さらには銀河とダークマターにも反発力を及ぼします。

こうして、この粒子の総数が一定数を超えた所で宇宙の再膨張、再加速という現象が始まったという次第であります。


さてここでちょっとした計算をしましょう。
以下Wiki/ダークエネルギーのページからの引用です。<--リンク
『宇宙は減速膨張から加速膨張へ 66.2億年前に移行し、現在では宇宙のエネルギーの72.9%(観測誤差1.4%)を暗黒エネルギーが占めていることが測定されている。
・・・
その後、宇宙の加速膨張が発見され、さらにインフレーション理論の説明のためダークエネルギーの概念が導入された。
ある計算では、ダークマターを含めた物質を約30%、ダークエネルギーを約70%にした場合にうまくいくことが確認されている[8]。

2003年から、宇宙背景放射を観測するWMAP衛星の観測に基づいて、宇宙全体の物質エネルギーのうち、74%が暗黒エネルギー、22%が暗黒物質で、人類が見知ることが出来る物質の大半を占めていると思われる水素やヘリウムは4%ぐらいでしかない、と説明されるようになってきている。』

宇宙の構成や加速膨張に転じた時期など不確定ではありますが、一応上記の値を使います。
今現在、74%が暗黒エネルギー(DE)、22%が暗黒物質(DM)で通常物質が4%。
66億年前に減速膨張から加速膨張に変化。

プランクレベルBHがダークマターであり、それが最終的に質量の絶対値は同じですが符号がマイナスになったプランクレベルのBHに変化しそれがダークエネルギーの実体である、とします。
そうして、宇宙のスタート時にはダークマターが96%でダークエネルギーはゼロ%とします。

それで137億年後の現在、DMが22%、DEが74%になったという訳です。
この場合1億年につき 1-0.9893=0.0107(1.07%)がダークマターからダークエネルギーにトンネル・ホーキング放射プロセスによって変化した、とすると137億年後には96%あったDMが22%にまで減り、そのかわりDEが74%となります。

この比率で変化してきたとすると、さて宇宙スタートから137-66=71億年ではDMとDEはどうなっていたのでしょうか?
DM=44.7%ーー>通常物質の4%と合算で48.7%
DE=51.3%
まあそれなりに減速膨張から加速膨張に移っても良さそうな気配であります。
ちなみにこの変化比率ですとDMのちょうど半分がDMからDEに移るのに必要な時間は64.3億年となります。

以上、大変におおざっぱな計算ではありますが、それなりに話は合いそうであります。

PS
ダークエネルギーはどうなのか?
・宇宙、あと1400億年は「安泰」 すばる望遠鏡で調査(2018年9月27日 asahi)<--リンク

『・・・その結果、宇宙を広げる暗黒エネルギーはそれほど増えておらず、宇宙は年齢の10倍ほどの時間(約1400億年)は存在できることが分かった。・・・』

ええ、せいぜい増えても1億年で1%程度ですからねえ。
それでも420億年(今から283億年後)にはダークマターの量は1%程度になり残り95%はダークエネルギー、当方の読みではマイナス質量を持つプランクレベルのBHと言う事になります。

さて、ビッグバンから1400億年後のダークマターの量はどれくらいになっているでしょうか?
上記の数値から計算しますと0.00003%、残りの95.99997%はダークエネルギー、になります。

しかしながら420億年辺りでダークエネルギーの増加もお終いになりますので、記事にあります様な『膨張が速くなり過ぎて宇宙が引き裂かれる「ビッグリップ」』というような現象は起こらないと言えそうです。

PS
皆さんは風船を膨らませた後はどうされますか?

せっかく膨らませた風船から空気が逃げない様に吹き込み口を縛りますね。

我々の宇宙のダークエネルギーもそれと同じ働きを受け持っているかのごとくです。

そしてそれがダークマターが姿を変えたマイナス質量をもつBHである、としたら、これはいったい誰がそんなうまい手を考えたのかと、本当に驚いてしまいます。


以下ご参考までに。
「加速膨張する宇宙」2011年ノーベル物理学賞の意義 前編<--リンク
「加速膨張する宇宙」2011年ノーベル物理学賞の意義 後編<--リンク

KWD ダークマター ダークエネルギー ブラックホール 

http://archive.fo/mBMls
http://archive.fo/gFGWv
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