宇宙論、ブラックホール、ダークマター、ホーキング放射、相対論

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ダークマター・ホーキングさんが考えたこと・7-1・ダークマターの直接観測

2019-03-02 00:43:05 | 日記

さて観測の話であります。

比較できるのは重力波の観測ですか。
これも天体観測で存在する事はがわかっていたのですが、なかなか地上観測が難しかったのでした。

『さらに、重力波を放出することによって、軌道エネルギーを失い、公転周期などの軌道パラメータが変化するという効果も高い精度で検証され、その結果、重力波の存在は証明されています。<--リンク
なお、これらの成果によってハルスとテイラーは1993年のノーベル物理学賞を受賞しています。』

重力波の存在が分かったのなら、何も別に地上で改めて苦労して観測して何が面白いのかな、と当時は思ったものでした。
単に空間の伸び縮みが分かるだけでしょう、と。

しかし実際はその振動波形からどのような天体が地球からどの方角で、どの程度離れた所で合体したのかがわかる、という話を聞いた時は驚いたものです。
アインシュタインは偉大でした。
そうして、その難しい方程式を数値計算で解いてデータベースとし、即時に観測データと突き合わせて判断できるシステムを作り上げた方々には賞賛の拍手を送りたいと思います。<--リンク


さて話は変わってダークマターの観測ですね。
こちらも天体観測によって存在することの確証は十分に集められました。<--リンク

さてそう言う訳で、我々の銀河系もダークマターの中にあり、そうしてまた太陽系、地球もDMの海の中を動いている、そういうのが現在の大方の方の認識の様です。<--リンク
ダークマターの密度はといえば1ccで水素原子0.3個とのこと。
地球の体積で500grだそうです。(上記PdfのP10~11)

地球の半径は6371Km.
体積はV=4/3*PI*(6371)^3=1.08*10^12(Km^3)

「ホーキングさんが考えたこと・5」で示した「プランクレベルBHがダークマターである説」によればダークマター平均重量はMp/8ということになり、それは2.72*10^-9(Kg)でした。
そうなるとダークマター個数NはN=0.5/(2.72*10^-9)=183823529個。
それを体積Vで割れば1km^3にいくつのダークマターがあるかわかります。
答えは0.0001702個。

地球がダークマターの海の中を秒速200kmで移動している(上記PdfのP16)ので、さて1km^2サイズの検出面をもった検出器には1日で幾つのダークマターが入るでしょうか?
答えは2941個。

しかし実際の検出器のサイズは大きくても10m*10mでしょうか。
小さければ1m*1mですね。
10m*10mでは一日あたり0.29個、3日で1個ですね。
1m*1mでは1日当たり0.0029個、10か月で1個のペースです。

しかもこの低速プランクスケールBHは真空や物質とは何の反応も示さず、ただゴミ、ホコリレベルの質量を持つ質点が検出器の中を秒速200kmで飛んで行くのですから、さてそれをどうやって検出するというのでしょうか?
そう言う訳で、「ダークマターがプランクスケールBHであった場合は、地上での直接観測はできないだろう」が答えの様に思われます。

ちなみに人の衝突断面積は0.4~0.5m^2ぐらいですか。
そうすると我々は20か月に1度はこのプランクスケールBHと衝突している事になります。
・・・
いやいやプランクスケールBHの衝突断面積はゼロですから、遭遇はできますが衝突はできません。
これは表現を間違えてしまい、失礼いたしました。(3月1日 記 イトウ)

PS
以下、別のページ「ダークマターは興味深いですね」からダークマター直接観測に関係する部分を引用しておきます。(令和元年 5月3日)

XMASS(ダークマター観測実験)を例として取り上げましょう。<--リンク(or http://archive.fo/0pRot)

『2013年の改修作業後、順調に行われてきた暗黒物質探索用データの取得を完了し、本日XMASS-I検出器から液体キセノンを回収しました。』
液体キセノンが約1トンとの事ですので、比重3.06から検出球の体積が326.8m^3と分かります。

半径が約4.3mで観測断面積(円形)が57m^2。
これですとプランクスケールBHを1日で0.17個の観測が可能。<--リンク
2013年秋から2019年2月までで5.5年の稼働として全観測個数は341個。

1000回に一回のキセノンとの反応があったとしても、発光が観測できた確率は33%程度。
実際は1000回に一回も反応するとは思えず、ラッキーであったとしても10000回に一回程度かと。
これだと5.5年動かして1回の発光を観測できた確率は3.3%。

以上が「状況的に難しい」という事の内容になります。

ちなみに当方の主張は「プランクスケールBHの衝突断面積はゼロ」ですので、XMASSの様な「物質粒子との衝突を検出するというやり方」では原理的に検出不可能と言う事になります。
つまり「どれだけ大きなXMASSを作ってみてもダークマターは観測できないだろうなあ」と言う事であります。


KWD ダークマター プランクスケール ブラックホール

http://archive.fo/bJBqP
http://archive.fo/U09Tb
http://archive.fo/hZuFn

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