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マリンバ奏者、関澤真由美の公式ブログです。www.mayumisekizawa.com

コンクール

2006年01月29日 | Weblog
先日はコンクールの審査員をやらせて頂いてきました。音楽に点数をつけるのは苦渋の決断です。私自身、学生時代沢山のオーディションやコンクールを受けてきたので、コンクールを受ける側の皆さんの気持ちは痛いほどわかります。

私自身、一生懸命練習したのに、当日緊張し過ぎて失敗し良い結果が得られず涙をのんだり、自信があったのによい評価がされなかったり、そんな悲しい経験も沢山しました。そのうち、審査員が気に入るような演奏を考えてしまうまでに陥り、そんな自分にひどく落ち込み、結局初心に戻って、結果を気にせず自分自身の音楽を素直に表現することで、良い成績が得られるまでになりました。コンクールは学生時代、自分を奮い立たせる目標であり、自分自身への挑戦でした。しかし最終的にコンクールは私にとって、他人と競うものではなく、自分自身と向かい合うものになっていました。他人と競った時点で私の音楽は死んでしまっていたのです。今の自分自身を越えていこう、そのためにコンクールを受けよう、と思えるまでにすごく時間が掛かりました。若い頃はただただ第一位というタイトルが欲しくひたすら受けていましたからね。最初はそれでもコンクールという目標に向かって音楽に集中するから良いのかもしれませんね。目標がないと、人間ってなかなか腰をあげないから。

コンクールの為に沢山の努力をし、本番に全身全霊で取り組む皆さんの姿は、学生時代の私の姿ともだぶり、人事ではなく私自身一生懸命に全団体を聴かせていただきました。ずっと身を乗り出して、目も耳も常に開きっぱなしで、しかも40曲以上も聴く状態なんて、普通のコンサートを聴きに行ってもありえない(笑)

どの団体にも極めて客観的に、良かった点とこれからの課題点の両方をコメントさせて頂きました。今回、次に進んだ人も、そうではなく涙を飲んだ人も、まずはお疲れ様でした。演奏は水物と言いますが、音楽は本番の演奏だけでなく、本番に向かって作り上げ、良い演奏をするために沢山のことを追求していくところから存在しています。その期間こそが皆さんにとって掛け替えのない、価値ある音楽の中にいるのです。決してコンクールの結果だけが全てではありません。


どうかそれを忘れずに、これからも素晴らしい皆さんの音楽を作っていってくださいね。

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