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おやじのつぶやき

不動産会社を経営する今年53歳のおやじが日本国を憂い仕事・趣味・健康などをテーマに日々つぶやきます・・・・

哲学者・適菜収 権力は腐敗する

2012-10-05 | 憂国

橋下徹は日本解体を画策する、反日首長です。
間違っても支援をしてはいけません。支那に日本を売られてしまいます。

20121005 産経新聞 賢者に学ぶ

 「権力は腐敗する、専制的権力は徹底的に腐敗する」という有名な格言がある。イギリスの歴史家・思想家・政治家であるジョン・アクトン(1834~1902年)による激烈な権力批判の言葉だ。一般には「アクトン卿」のほうが通りがいいのかもしれない。

 これほど戦後日本で引用されてきた言葉はないのではないか。特に左派系メディアにおいては、55年体制下における自民党の長期政権を批判するときに、常套(じょうとう)句のように使われてきた。曰(いわ)く「政権交代をしないと権力の座に胡坐(あぐら)をかくようになる」「長期政権は財界と癒着して金権政治になる」などと。

 もちろん、アクトンはそんなレベルの話をしているのではない。ケンブリッジ大学で近代史を教えたアクトンは、左派系メディアが金科玉条としてきた平等主義、理想主義を根底から批判したのである。

 アクトンは自由を擁護する立場からフランス革命を完全に否定した。そこでは人民の名の下に権力が一元化され、結果、恐怖政治と国土の崩壊を招くこととなった。アクトンは革命の根本に平等主義があることを見抜いていた。平等を求める貧困層の熱情が暴政を正当化し、自由社会の息の根を止めてしまったからだ。

 ロベスピエール、ヒトラー、スターリン、毛沢東、ポル・ポト…。彼らが試みたのは権力の集中により歴史を「グレート・リセット」し、「理想の国」を人為的に建国することであった。その結果については今さら説明するまでもないだろう。

 権力の一元化は地獄を生み出す。これが人類が歴史から学んだことである。先の格言は、こうした文脈で捉えなければならない。

 権力は分散されるべきである。発生した経緯や時期は異なるものの、三権分立や二院制は、民意を背景にした議会の暴走を抑えるために歴史的に整えられてきた制度である。よって、これらの解体を目指す勢力は容易に専制支配に転化する。これは非常にわかりやすい指標でもある。

 民主党は一時、政府・与党一元化、議員立法の原則禁止、陳情窓口の幹事長室への一元化などの政策により、権力の集中を目論(もくろ)んでいた。前総理の菅直人氏は著書『大臣』で、「民主主義というのは『交代可能な独裁』だと考えている」と述べている。もちろん違う。選挙は党に全権を委任するものではない。第一党がやりたい放題できるなら、議会は必要ない。そこで求められるのは熟議である。

 こうした政治に対する無知、民主党的腐敗の成れの果てが、橋下徹大阪市長率いる日本維新の会だろう。

 橋下氏の政治手法は菅氏に酷似している。「選挙では国民に大きな方向性を示して訴える。ある種の白紙委任だ」と述べる橋下氏には、党の重要事項の議決に関し「拒否権」が与えられるという。国家の一大事が一地方首長の思惑に左右される可能性が出てきたわけだ。

 彼らは首相公選制や衆院定数半減、参議院の解体を唱え、議院内閣制に公然と攻撃を仕掛けてきた。チェック機能が働かなければ、独裁政権の暴走を許すことになる。先人の知恵により構築されてきた制度を破壊する勢力が出現したときどうすればいいのか。今こそ、正統的保守主義者であるアクトン卿の教えを振り返るべきだ。