goo blog サービス終了のお知らせ 

記憶探偵〜益田啓一郎のブログ(旧博多湾つれづれ紀行)

古写真古地図から街の歴史逸話を発掘する日々。ブラタモリ案内人等、地域の魅力発掘!まち巡りを綴ります。

NHK福岡放送局制作『放送100年福岡発ラジオドラマ JOLK〜戦時下を生きたアナウンサーたち〜』に関わって。

2025年03月19日 09時56分50秒 | 福博まちの記憶

2025年3月9日(日)午後、NHK福岡放送局にて『放送100年福岡発ラジオドラマ JOLK〜戦時下を生きたアナウンサーたち〜』公開収録を関係者席から観覧させていただきました♪

番組のラジオ放送予定は以下。同日にはテレビ地上波での特番もあるそうですので、ご興味ある方は公式サイトやSNSをチェックください。

 2025年3月29日(土)<NHKラジオ第1・九州沖縄地方>
 【前半】午後8時05分~8時55分
 【後半】午後9時05分~9時55分
 ※NHKラジオ「らじる★らじる」で聞き逃し配信を予定

今回私は、脚本家・入江信吾さんからご指名をいただき、時代考証・監修役として入江さんの脚本づくりをサポートさせていただきました。私が初参加したNHK福岡放送局でのミーティングは2024年5月でしたので、約10ヶ月の長丁場でした。

入江さんは福岡市出身(修猷館高卒)の若手脚本家。相棒シリーズ・警視庁捜査一課9係シリーズをはじめ、ドラマやアニメの様々な脚本を手がけている方。アニメも人気作を多数手掛けられ、放送中の「悪役令嬢転生おじさん」やNHK「チ。-地球の運動について-」のシリーズ構成も担当。私は、入江さんが地元福岡・能古島を舞台に企画・オリジナル脚本を担当し、2017年に地元・中洲大洋映画劇場(2024年閉館)で公開された「なつやすみの巨匠」きっかけで知り合い、ご縁をいただいたわけです。

今回は戦時下の福岡放送局や福岡市中心部が舞台ということで、1942〜1945年当時の福岡市がわかる資料や主要施設の配置・距離感など、入江さんが執筆にあたって必要となる資料づくりからお手伝いする光栄をいただきました。

これまで私も映画やドラマ、特番やバラエティ番組など同時代の福岡市を扱うテレビ番組のサポート役を担ってきましたが、ラジオドラマは初めて。映像がないのでト書ナレや台詞だけで、時代や空気感まで表現するという経験は、入江さん自身も初めてとのことで試行錯誤しながらの進行&サポートでした。

今回、ラジオドラマの企画そのものはNHK福岡放送局で「ロクイチふくおか」等に出演されている一橋忠之アナウンサーが立案し、同アナウンス室の皆さんがプロジェクトを進めるという、普段の番組づくりとは異なる展開。いつもは裏方としてコンテンツセンターの制作ディレクターのサポート役や解説出演役で慣れているはずの私も、距離感を確認しつつ、入江さんの指示待ち対応が年明けまで続きました。映像があると簡単なシーンや台詞も、音だけのラジオ表現は意外と大変でした。

例えば当時、福岡放送局の住所は「因幡町1番地」ですが、これは現在の天神2丁目にあたります。地名も今と当時とではかなり違います。しかも当時の放送局は「因幡町」の飛び地の地番で当然ながら「天神町」でもありませんので、台詞をどう表現すべきか、指摘する側の私も相応に悩みました。結果として、1944年当時の台詞であれば福岡放送局のそばには西鉄福岡駅があるので(1942年9月に西日本鉄道成立)「西鉄福岡駅のそばにある」という表現が一番わかり易いと伝え、そのまま決定稿になっています。

脚本が完成し、本番に向けたラジオドラマの稽古が進む中、台詞の言い回し変更や注釈入れなどで何度となく読み返し、最適な返答を繰り返す日々が1月から2月に続きました。今回、姫野美南アナの発案?で地元の高校生がたくさんドラマに出演。姫野さんご自身、学生時代に放送部などでラジオドラマ作りに励んでいたとか。公開収録ということで、収録当日はステージ上でドラマ進行に合わせた映像や写真などがスクリーンに映し出される演出でした。

収録日が迫る中、演出用の資料探し(情報提供含む)もお手伝いさせていただきましたが、今回は基本的に日々お忙しいアナウンサーそれぞれとのやり取りで、これも私自身初体験の関わり方で勉強になりました。でしゃばり過ぎてもダメなので、求められる質問や相談に適切かつ最大効果が見込める返答と説明を心がけて対応させていただきました。

3月9日(日)午後の公開収録前、ラジオドラマに合わせた福岡放送局での企画展も拝見。福岡放送局の歴史がわかる貴重資料を、来場者が熱心に見入っている光景も素晴らしい。私自身、2016〜17年はお昼前の「はっけんTV」火曜日の「ふくおか再発見!」生放送コーナーに出演させていただき約1年半通った場所なので、伺うたびに懐かしい感じになります。

収録本番では、私自身は関係者席をご用意いただき全体を見渡せる場所から観覧。全体の流れや台詞を知る立場でしたが、一発録り収録の緊張感や映像&効果音演出も相まって、ラストは感極まりました(^.^)。

ちなみに、今回のラジオドラマに登場する放送課長(木下)モデルは、福岡放送局開局前(演奏所時代)から牽引してきた井上精三氏がモデル。井上さんは退任後に「博多郷土史」「博多風俗史」「福岡町名散歩」など数多くの郷土文化本を執筆刊行されていて、福岡市の近現代史を語る上で無くてはならない記録本をたくさん遺してくれたアーカイブスの先駆者です。

私は元々ラジオっ子で、中学1年生で自分のラジカセを持ってからは深夜のNHKラジオドラマが一番の楽しみでした。西村京太郎原作「名探偵」シリーズなど、また聴いてみたいラジオドラマがたくさんあります。LOVE FMなどでラジオ番組を持たせて貰う機会もいただきましたが、私の原点であるラジオドラマに関わるのは58歳で初の体験。収録後、会場はバタバタしていたので私は挨拶も控えてそのまま普通に帰宅。後日、入江さんが帰京される前に二人直会で内輪の苦労話を共有?し楽しい時間もいただき感謝です。

今回の「ラジオドラマ制作記」は、姫野アナが公式ページに3月14日公開!一橋さんや姫野さんにとっても福岡放送局での最後のお仕事となるようですし、2025年3月29日の放送が楽しみです。

 


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 大河ドラマ「べらぼう」に感... | トップ | 三十周年のアクロス福岡で、... »
最新の画像もっと見る

福博まちの記憶」カテゴリの最新記事