記憶探偵〜益田啓一郎のブログ(旧博多湾つれづれ紀行)

古写真古地図から街の歴史逸話を発掘する日々。ブラタモリ案内人等、地域の魅力発掘!まち巡りを綴ります。

縁が繋ぐ、吉田初三郎と前田虹映の軌跡

2007年02月15日 00時06分45秒 | 吉田初三郎
1月19日まで北九州の「ゼンリン地図の資料館」で私の担当した企画展
「ニッポンの航路黄金期展」が開催されていた。最終日は鳥瞰図絵師・
吉田初三郎が名付け親、一番弟子・前田虹映の長男である稀(まれし)氏
が来館、工房で前田画伯が主に描いたと思われる「小松島」などの航路関
係原画と対面した。

稀氏は田川の友人宅を拠点に、今回は初三郎原画などを見て回られたそう
で、直方市図書館では私もお世話になっている郷土史会会長・鴻江氏に偶
然会って話ができたそうである。稀氏、鴻江氏双方から同日に電話があっ
た。鴻江氏は直方市に働きかけて、それまで郷土資料室に無造作に置かれ
ていた初三郎の昭和8年の絹本原画を見通しのきく場所に掲額してくれた
方である。昭和35年版「直方市」パンフ2種(カラー版・モノクロ版)も
探し出してくれたので、以前お礼に昭和35年版原画の複製画を額装して
お譲りして以来のおつき合いである。

稀氏は今回、英彦山修験道館や飯塚市歴史資料館へも足をのばし、各所で
現地の方々と交流された。中でも唐津市に行かれた際は、同地で初三郎や
虹映情報を発信・収集してくれている山内薬局さんに行って、前田画伯や
初三郎も見たであろう唐津山笠のひき山を見学されたそうだ。なんと唐津
新聞に稀さんと山内薬局・吉富氏が並んだ写真入りで掲載された。
http://blogs.yahoo.co.jp/enya12/folder/1362474.html

その様子は山内薬局さんのブログ、掲示板で詳細に紹介され、これまで
確認できていなかった虹映「唐津市鳥瞰図」の存在も判った。山内さんの
掲示板に来られる方の中に、絹本原画を以前所有していた方がおられ、
今は印刷版の存在などを調査中である。

唐津駅前には地元の商店街のれん会が設置した吉田初三郎「唐津市鳥瞰図」
大型看板があり目をひく。この看板と山内薬局さんの中間には、戦前の
統制で廃業した名旅館「博多屋」さんの跡地があり、「五足の靴」文学
碑が立っている。

博多屋旅館は虹映や初三郎が宿泊した旅館でもあり、また南蛮文学発祥
につながる北原白秋や吉井勇らが福岡市東中洲にある川丈旅館に一泊し
次の宿泊地として泊まった地である。今年はその「五足の靴」紀行から
百年目にあたる。その博多屋さんの子孫にあたる山口氏とは、西日本鉄
道百年史のお手伝いでご一緒しており、先日も博多屋さんの資料を拝見
した。縁のある方とは、必然的に繋がるのだと実感する日々である。

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1 コメント

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博多屋旅館 (山内薬局)
2007-02-16 18:52:01
益田さんのお陰で前田さんにお会いできました。
ありがとうございました。

博多屋の山口さんちの「唐津遊覧写真集」の紹介をさせてください。
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Kikyo/2805/framepage1.htm
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