我が家の玄関はいつだって、
きちんと揃えられた男物の靴と、
脱ぎ捨てられたままの女物のサンダルがある。
おはようございます。
その脱ぎ捨てられたサンダルを縫うように、
猫が寝そべっていたりもする訳だが、
そのくせ、私は会社のスリッパは非常に厳しい目で見ている。
弊社は内装を綺麗にリフォームして以来、
社内土足厳禁と相成った。
そのため、玄関でスリッパに履き替えるようになったが、
運送会社のドラックドライバー達は忙しい。
そして、大らかだ。
みんな、こんな感じで脱ぎ捨てていくのが常だ。
だから私は、一日中、スリッパを揃え直さなければならない。
もはや、因果応報だ。
しかし、それでも私は帰宅後、自分の靴は揃えない。
どういう訳か、己の所業は気にならないのだから、不思議だ。
そして、毎日、何度もスリッパを揃える中、
だんだん面白く見えて来ちゃっている。
その見事な有様を、写真にまで残している。
その中の数枚を、ご覧ください。
「あわてんぼうの几帳面」
向きを揃えて脱いだと推測されることから、
その人はきっと几帳面ではあるのだろう。
だけど、あわてんぼうだから、よろめいて蹴っ倒したまま、
もうほんと、あわてんぼうだから、揃え直さず出掛けて行った?!
「君はきっと、やればできる!」
そう、あと少しなんだ。
脱いだ後、ちゃんと揃えようとしたんじゃん?
そうなんでしょう?
君の努力は、もう少しなんじゃん。
「それぞれの律義」
正解は、人の数だけ存在している。
脱いだスリッパを、どこを基準に揃えるか・・・
それは、人それぞれだ。
「一石を投じる」
一つだけ、ちゃんと揃えられているように見える。
だけどその実態は、まるで間違い探し、いや悪質な嫌がらせとも取れる。
これは、何某かの意志を感じざるを得ない。
スリッパの有様に、ドラマを感じる日常なのであった。
そんな我が家も、ドラマチック?
各々、行き倒れているように見えるけど?
好き勝手に散らばっているようだけど
おたまは延々、何か言いたげに、あやを見つめているという、
ドラマチック!