「大塚博堂」という名前を聞いたことがあるだろうか。
デビューから5年間に90曲におよぶ曲を発表し、1981年に37歳の若さで亡くなったシンガーソングライターである。
一般にはほとんど知られていないが、没後も根強いファンがいる隠れた有名人だ。
「美音の会」には、博堂の詩を書いた人を個人的に知っているというテノールのメンバーがいる。
彼の依頼で幾つか伴奏を編曲して、実際にコンサートで披露した。
もともとの曲がギターで伴奏しているので、ギターに合った曲ということだろうか。
なかなか評判が良かった。
YouTubeに残された本人の曲を聞くと、なぜファンが多いのかよく分かる。
ちょっと井上陽水に似ているが、もっとオーソドックスな歌い方で聴きやすい。
音大を中退したという経歴らしいから、それなりの教育を受けたということだろう。
一番有名な曲は、布施明が歌った「めぐり逢い紡いで」という曲だろうか。
布施明の朗々と歌う感じとは違って、本人の歌の方がそれらしくて好ましい。
他に「過ぎ去りし想い出は」「過ぎゆく愛に」など、名曲が多い。
一番のお勧めは、「ふるさとでもないのに」という曲。
旅の途中、ふらりと降り立った初めての街で、見知らぬ人に挨拶をされて心を揺り動かされるという詩がとても人間的だ。
「まかなーのギターの部屋」に、編曲したものをDTMで入れてあるので、興味のある人はぜひ聴いて欲しい。