今日も ぺこぺこ

ジョリ夫婦&ぺこ。3匹とも、今日も元気に「ぺこっ」てます。

母の第四日目: お城見学の後で

2005-09-19 06:13:18 | Weblog

ヴィランドリー城見学の後、途中いくつかのお城の前を通り過ぎながら帰ったのですが、義父が「ちょっと時間あるから、景色の良い所へ寄ってくか?」って。
何かな~?と思ったら、ソーミュール城の脇にある高台へ連れて行ってくれたのでした。(上の写真の景色。写ってませんが、このまま左側へ向くとお城が大きく見えるのです。)

目の前を横切っているのがロワール川。
この川に沿うようにして、大小数え切れないくらいのお城が並んでいるわけなんですが、なぜこの川沿いに建てられたのでしょうか?素朴な疑問です。
義父がそっと教えてくれました。
「ここらへんは冬は寒いけどね、川の近くは比較的暖かいからね。」
なるほど~。風光明媚だとか交通の便が良いとか、そういう意味以外にも重要な要素があったのですね。

ようやく家に着いて、さぁ、ごはんだ~!
今夜はアーティショー(アーティチョーク)です。

これはアザミの仲間の花のツボミなんですが、この緑色のウロコのようなのを剥がし、その根元にある柔らかい部分だけを歯でしごいて食べます。
食べてる姿は皆こんな感じ↓です。(笑) で、緑の部分は捨てます。

これじゃああんまり食べるところ無いじゃん。とお思いの方、実はこの先があるんです。緑の部分を食べつくすと、この右側のように、中から白い部分が出てきます。この白い部分は将来的にピンクの花びらになる部分であり、白い糸の集合体のような感じで食べられません。ここをボコッとまるごと剥ぎ取ってやると、ガクの部分?(花の付け根の芯の部分?)だけが残ります。ここをガッポリ食べるのです。これはけっこう食べごたえあります。(どら焼きくらいのサイズでしょうか。)
アーティショーとは関係無いですが、左に写ってるのはメロン。フランスでメロンと言うと普通はコレです。日本の夕張メロンみたいに中がオレンジ色してます。これで1玉2ユーロぐらいです。安いでしょ。しかも甘くて美味しいんですから。

毎日ご馳走食べて、美味しいワイン飲んで、あ~シアワセ!って言ってる主婦ご一行様。だって「料理せずに食べるだけだなんて、シアワセね~」ってそればかり言ってるんですから。(笑)

ところで、義父母の家にはヘンなモノがよく置いてあります。いや、隠してある、と言うほうが正しいか?
コレ何だと思いますか? そう、例のロシアの人形みたいに入れ子になってるヤツです。でもデザイン的に考えてみても、ロシア系じゃないんだけれど・・・???(出身地はどこ?)

義父母宅の食堂のテーブル脇にある豪華な食器棚の片隅に、そういう「ヘンなモノ」は置いてあるのです。今回たまたまわたしがこの“頭でっかちオヤジ”を目にして「何~?これ」って言うところから始まり、中を開けてみると別のお人形さんが出てきたので、あ、なるほど・・・と。
で、次々に開けていって、4つ目を開けかけたところで「もう次は無いだろう」って思ったんだけど、5つ目が出てきた。「もう無いよねぇ~」と言いつつ開けると、また出てきた!(かなり驚き。そして皆笑う。)
そして「もう絶対無いよね、この次は。」と言いつつも、開けてみたら・・・なんと開いたのです。そして中からは薄っぺらい物体が出現。
「ナンダコリャ!?」(一同爆笑)
写真では良く見えないので拡大しておきました。ちゃんと顔も描いてあるんですよ。芸が細かいです。
もう、わたしは笑えて笑えて、泣き崩れてしまいましたよ。(苦笑)

そうして忙しかった地方旅行も終わったのでした。
翌日は朝早くからTGV(新幹線)でパリへ向かうのです。


母の第四日目: ヴィランドリー城(続-2)

2005-09-19 05:04:56 | Weblog

ここからは、お庭見学のスタート!
屋上から降りて庭の脇の小道を進むと、上の写真のような眺め。
庭の花がグッと近くに見え、お城全体の姿を良く眺める(楽しむ)ことができます。このお城の「イチオシ見学地点」がこのお庭っていうのが実感できます。
(この赤・白・ピンクの色鮮やかなお花は、どうやらベゴニヤのようです。)


こちらは雰囲気がガラリと変わって、とってもシック。
手前に見えるのが運河の壁と、ぶどう棚です。
階段を下りてぶどう棚をくぐると、お庭の中を歩けます。

ぶどう棚にはぶどうが沢山なっていました。時期も9月とあって、ぶどうは収穫期です。すかさず“ぶどう好き”の義母が数粒“盗み食い”をしてました。「おなか痛くなっても知らないよ~!」とわたしは最初は言ってたものの、「意外と甘いわよ」と笑いながら答える義母の言葉に誘われて、実はわたしも1粒味見してしまいました・・・。(腹痛のバチは当たらなかったので、きっと多目に見てもらえたのでしょう。苦笑)

先ほどのシックな側から見ると、ますますシックな印象が強いことを発見。(隣の色とりどりのお庭が、木に隠されているからです。)
う~ん、フランス式庭園、奥が深い・・・。(実は最初バカにしてました。すみません・・・。)この紫色のきれいな花は、ラベンダーセージでしょうか、ラベンダーではありませんでした。
お城の石葺きの屋根(アードワーズ)の灰色と、空の色と、この薄紫色の花の色がとっても良く似合っていて、これぞフランスの色!って感じ。(いや、昔見た「フランス伝統色」っていう色見本帳がこんな色調だったもので・・・。)

ようやく最後になって、先ほどから気になり続けていたお庭に到着。
例のキャベツ?のあるお庭です。

こうして見てるぶんにはキレイなお庭なんですが・・・
実は、コレは「菜園」なんです。

ホラ、こうして見るとわかるでしょう?
中央のオレンジ色の実はトマトなんですよ。その奥の紫色のは葉牡丹。
右側手前にチラホラと葉が写ってるのは、低く仕立てられたリンゴの木。左側の高さのある木の葉もこれと似てますが、多分こちらは洋ナシだろうと思います。その洋ナシだろうと思われる木の足元にある銀葉系の植物は、カレープランツ(カレーの香りのするハーブ)です。他にも沢山の野菜やハーブ、果樹が植えられていました。
こんな沢山の植物を、これほどまでキレイに保とうとするのは大変な仕事だろうな~と思っていたら・・・

先ほどからチラホラと見え隠れしていたこの服装の方々が、お庭の手入れをしていらっしゃったのでした。
植物の健康管理はもちろん、背丈を管理したり、花がらを摘み、果実が実ると採集する。一年中、仕事は山のようにあると思います。

お城と庭園見学が終り、出口の両脇にある売店へ。
ここで発見したことがひとつ。実は、右側の売店はお土産売り場なのですが、左側の売店はなんと、お花の苗やら園芸用品を売っているお店なのでした。お城&庭園見学ですっかりお花の魅力に感化された時、「ラベンダーの苗でも買って帰ろうかしら?」なんて思うのも自然の流れですよね。
海外旅行者である母ご一行様にはそんなモノは買えないのですが、お土産売り場の方にも実は独特なお土産品が。
なんと、お城で作られた作物を利用したジャムなどを売ってるのです。

ジャムは4種類ほどありましたが、一番変わってるだろうと思うコレを買ってみました。「Potiron a la vanille(カボチャ&バニラ)」のジャムです。
「カボチャ!?」と我が夫は変な顔をしましたが、パンプキン・スープって甘いでしょ?パンプキン・パイってのもあるでしょ?そう考えるとジャムにしても美味しいんじゃないかって気がするんです。(まだ味見してないんですけどね。)色もすごくキレイです。
で、このラベルに「Les jardins de Villandry(ヴィランドリーのお庭)」と書いてありますが、 jardin という単語は、単に日本語で言う「庭(=観賞用の庭園)」の意味だけではなく、実は「菜園(食用野菜を育てる場所)」という意味でも使われているのです。(正確には jardin potager と言うようですが。)
フランス人が「ウチの“ジャルダン”でトマト育ててるのよ」って言う場合、お庭の真ん中にトマトが植えてあるのではなく、お庭の一角で家庭菜園してるってことですね。
お城にこのように食用の野菜や果物を植えていることは案外多くて、中世の戦乱期にはこれで兵糧攻めに遭ってもしばらくの間は暮せるようにしていたらしいのですが、このヴィランドリー城はその戦乱期後の平和な時期のスタイルのお城なので、単に城主の趣味なのでしょうね。

母たち日本人組みだけではなく、義父母も感動したヴィランドリーのお城でした。


母の第四日目: ヴィランドリー城(続-1)

2005-09-19 04:36:20 | Weblog

城内見学開始。これはお城の2階の窓から見た、庭園の眺めです。
このように見事にデザインされているのがフランス式庭園の特徴。

他の部屋の窓からも外を見てみましたが、こちらはまた違ったお庭です。キャベツとかもあるような・・・?


これはお城の廊下。何ってことはない普通の廊下なんですが、なんだかやけに気に入ったので写真に撮ってみました。(写ってるおじさんは普通の観光客の人です。)
お城って、城主の趣味が明らかに反映されてますが、このお城の持ち主はけっこうシックな趣味の方だったようです。

これは子ども部屋。かわいいでしょ~?
どのお部屋もギラギラした重苦しい感じがしなくて、とってもステキなお城です。

それと、古いお城へ行っていつも思うのは、「昔のフランス人は背が低かった」ってことです。日本人も昔は低かったと思いますが、昔のフランス人は多分男性で165cm~170cm程度だったんじゃないかと思います。部屋の天井は高いんですが、ベッドのサイズ(頭から足先までの長さ)が現代人用にしてはちょっと短い?っていう点でそれを感じるんです。

多くの部屋の床は寄木張りでとてもきれいでした。けっこう複雑に組んである部屋もありました。そして何よりこのお城の館内には変わった絵が沢山あるのに驚きました。宗教絵画が多いのは、城主の趣味と信仰心によって往々にしてあることですが、とても気になったのは、「病気の女」「小人症の男」「気の狂った人」といった絵が8枚程集められた小部屋です。この絵どこかで見たことあるような・・・と思っているんですが、どうしても思い出せません。

螺旋階段を上って、お城の屋上へ出ました。

自分が出てきた方を振り返ると、こんなかわいい三角屋根でした。横にある煙突3本もかわいいので、パチリ。
なんだかムーミン屋敷みたいでしょ?(お城にはこういうデザインがよく使われてるんですが、各地で見るたびに写真撮ってるような気がします・・・)

これは屋上からの庭園の眺めです。
写真右側を縦断しているのは運河?で、奥に大きな人工池があるのです。この運河には白鳥もいました。そして運河のほとりにはブドウ棚が。(フランスで棚作りのブドウって珍しい気がするんですが。)

こうして見ると、フランス式庭園の美しさがわかりますよね。
やっぱり高い場所から見ないとね・・・

これは先ほどの庭をずっと右方向にたどって見ていった場所です。
窓越しに見てキャベツが見えた場所です。ここはお花と一緒に変わったものが植えられてるようなんですが・・・・・・?(つづく)


母の第四日目: ヴィランドリー城

2005-09-19 03:18:55 | Weblog

ロワール川の周辺には、大小さまざま、沢山のお城が残っています。
今回母ご一行様に「ロワールのお城をひとつ見たい」とリクエストされていたので、わたしが選び出したお城は・・・ヴィランドリー城でした。このお城はガイドブックによると、すばらしいフランス式庭園があるとのこと。イングリッシュガーデンが根強い人気だけれど、フランスに来るんだからフランス式庭園を見なきゃね。それに女性ばかりの旅なのでお花を楽しむのもいいだろうと。そんな理由から選んでみたのでした。

今回の旅は、希望だけ述べて後は義父に計画を練りこんでもらったので、細かい部分は聞かされていませんでした。当日ミニバスに乗って出発した後で、「ちょっとだけ時間あるんだけど、この近くの古い教会に寄ってく?」と義父が。なんでもけっこうキレイなんだそうで、観光客がこれを見に来ると言うのです。
というわけで、お城の前にまずは鄙びた場所の教会を見ることに。

で、中で撮った写真が上の写真です。
確か10世紀くらいに建てられた教会で・・・って説明が書いてあったと思います。この彫刻ももしかしたら古いものかもしれません。ナントカのピエタって題名が付いてたような・・・。(曖昧なことばかりでスミマセン。)ピエタとは、聖母マリアが息子であるイエスの死を嘆いているこの構図のことです。
わたしは、こういった素朴な感じの彫刻や絵が好きです。特に中世やそれ以前のものにそういった雰囲気のものが多いです。(ルネッサンスの前ってことですね。)

教会内部全体が、近年に表面が削り取られたように磨かれているのがやけに気になりました。そして奥の方へ入って行って上を見上げると、その理由がなんとなく判明。

実は、昔はこのように彩色されていたのでしょうね。しかし保存状態やら何らかの理由によって、削り取ることになったのでしょう。石組みの間に残されている色が、かつてその場所が彩色されていたことをうかがわせます。

この教会の壁にはパネルが展示してあり、10分ごとに写された写真が。何だろう?と思って見てみたら、夏至の日の○時○分ちょうどに、教会入り口から正面へ向けて光が入る、と書いてありました。

さてさて。 教会を後にし、目的のお城へゴー!
原発の横を通って(!?)車を走らせ、お昼前にはお城へ着きました。

これがヴィランドリー城です!

でも、まずは腹ごしらえを・・・ということで、お城の入り口脇にあるレストランへ直行しました。
お料理も美味しかったんだけど、今回ぜひとも紹介したいのがデザート。

コーヒーとデザートの“味見”セットということだったので注文してみたら、こんなのが出て来ました。真ん中にあるのはエスプレッソ・コーヒーで、その周囲をぐるりと取り囲むのは、このお店のミニ・デザートたち。
順に説明しますと、
左の黒いのが「チョコケーキ」、その右のが「クッキー&チョコムース」、その右が「フィナンシエ」、その右のグラス入りのが「クレーム・ブリュレのラベンダー風味」、その下のが「ティラミスの○○酒風味」、で一番手前のが「いちごといちじくのコンポット」です。
最初の3つは普通の味なので紹介は省略するとして、わたしが一番感動したのは「クレーム・ブリュレのラベンダー風味」です。このサイズで出てくる時点ですでに感動!なんですが、甘さも抑えてあるし、なんといってもほのかなラベンダーの香りが上品なこと。(ラベンダーの花水が入れてあるのですね。)義母もわたしと同感のようで、「ラベンダーの香りがするわね~」と言って食べてたのですが、義父は「え?そうか?ふむ・・・ そうか・・・??」と、納得いかない顔してました。(苦笑)
ティラミスは、斜め横にあるミニグラスの中に入ってるリキュールを垂らして召し上がれということだったので、そうしてみたんですが、普通に美味しいかなって感じでした。オレンジ・ゼストと一緒に食べると美味しい、ってくらいで。
コンポットもけっこう普通の味。でもここでウチの母が素晴らしい発見。
「このお酒ね、ティラミスじゃなくってこの赤いのに入れてみたら美味しかったよ。」と。ふ~む、なるほど。コンポットがあまりに平凡な味なので、リキュールを入れるととたんに香り高く変身するのです。(3倍くらい美味しくなる感じです。)
「コレ、単品で頼むと絶対ティラミスにリキュールがついて、コンポットには付かないんよねぇ。」
そう思うと、お店の人に母の発見を教えてあげたいような・・・。(笑)
(ちなみにこのテーブルマット、これから見学するお城のお庭のデザインになっていました。)

ウェイターのお兄さんは観光客慣れしているなかなかのハンサムさんでした。ウチの母はお店の人とすぐ写真を撮りたがるので、(忙しそうにしてると言うのに)お願いすると快く一緒に写ってくれました。
いきなり「写真撮らせて」じゃ悪いから、せめて何か一言・・・と思って「あなたがあんまりハンサムだから、ってウチの母がね。」って言うと、ウェイターさんはそれにも慣れっこなようで、「ハンサムなことぐらい、よ~く知ってますよ」って。ありゃりゃ。

さて、ゴハンも食べたことだし、お城見学といきますか。

城館内入り口の矢印を辿っていくと、こんな場所に着きました。

きれいですね~。でもなぜにカボチャ?
(どうやら、このお城で採れた野菜をこうして並べて飾りつけしてるようです。)

カボチャのある場所は、全体的にはこんな感じでした。コの字型にこのような建物でぐるりと囲まれた中庭になっています。

では、これから中を見学・・・(つづく)