MacTiger!

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映画評論120「墨攻」(2006年 日本・中国・韓国・香港)

2009-06-07 20:37:05 | Weblog
(ストーリー)
紀元前、戦国時代の古代中国、小国である梁城に趙の軍隊が侵攻しようとしていた。梁王の要請により、墨家の革離が城の防衛のため、入城していきた。革離は巧妙な戦術により趙の軍隊を撃退していく。しかし、革離の名声に嫉妬した梁王は、革離を放逐しようと図っていた…

DVD

(評価)☆☆☆
酒見賢一の小説「墨攻」とそのコミックをベースとした古代中国の戦国もの。「レッド・クリフ」に比べると地味な感があるものの、単純な勧善懲悪ものになっていない点や残忍な殺害シーンなどがあるのはリアル。墨家とは何かというのは、小説をよんでもらうと一番よいのだが、古代中国で、兼愛と非攻を解いた墨子の思想を遵守する集団で、非攻の観点から、城の防衛技術に優れていたという。本来平和主義なのに、「専守防衛」の戦闘技術に優れていたというのは皮肉な話であるが(「墨守」というのは墨家から出ている)、これが攻撃に転じると本末転倒になるというアイロニーが表題から感じられる。
ところで、映画は革離役にアンディ・ラウが抜擢され、戦いの非常さと愛に悩む人間を好演しているが、小説の革離のイメージとは合わない。これでは禅の修行僧みたいで、かっこよすぎです(笑)。小説では、ぼろぼろぼ乞食のような格好で、ぱっとしない感じと描写されているので。まあ、映像化なのでこのへんは目をつぶりましょう。
映画のよいところは、梁王の愚直ぶりと人間の弱さがよく描写されているし、「英雄」に対する批判的な描写もある。そういう意味では最近の「武俠」物のアクション中国映画とは違う。1970年代の日本の劇画みたいな感じなのです。
コミックは存在はしっていたけど未見なので、ブックオフで探そうと思います(笑)
PS haruさん、ようやく見終わったのでDVD貸しますよ。



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