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冬きたらば

2008-12-31 12:29:54 | Quotes
冬になると思い出すのが、シェリーのOde to the West Wind。秋になるとキーツのTo Autumnを口にして楽しんでいるのとおなじことです。パーシー・ビッシュ・シェリーは日本では奥さんのメアリー・シェリー(あのフランケンシュタインの作者)のほうが有名かもしれません。

この詩の有名なところがしめくくり。

Oh Wind, If Winter comes, can Spring be far behind?

日本語訳がかなりいいんだよね。例の「冬来たりなば春遠からじ」です。

この上なくうまく訳しているのですが、口にしてみると、ちょっと感じが違う気がします。原詩はシェリーらしく、動きがあるのに対して、訳詞がもう少し静的になっているような気がするのは気のせいでしょうか。

この詩は実は革命を叫ぶ詩ともいわれているのです。革命と平等を夢見て規制の制度に反抗を続けてきた人ですから。詩にでてくる予言のらっぱは革命の合図ともいわれています。

弾圧されている労働者へのメッセージだとしても、蟹工船あたりを読むよりははるかに気持ちがはれる詩なのですが、革命のメッセージがある、なしにかかわらず、最後の部分は口にせずにはいられません。

今年、不況の嵐で雇用削減が進み、厳しい状況を見るにつけて暗い気分になることもあるのですけど、そのうちよい時期がくるにちがいない、と思いつつ、年を越そうと思ってます。もうダメだ、と思い込まないかぎり、人間、どうにでもなるのですから。

原文と日本語訳の全文はこちらにあります。h

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