この映画、映画館で予告を見てなくて、ポスターを見たときはたいして興味がもてなかったのです。ポスターの言葉の「彼は空港で待ち続けた。約束を果たすために・・・」というのも何のことだろ、というかんじで。テレビCMが流れてたらしいのですが、それも見てなかった、、、誘ってもらって、はじめて公式サイトをみて、興味を持ったのでした。行ってよかった。キャストも、シナリオも、セットも、カメラも、音楽も、すべてすばらしいものでした。
祖国のクラコウジアでクーデターがおきたためにパスポートが無効になり、アメリカ入国を許されなかったビクター・ナボルスキー(トム・ハンクス)が、ある約束を果たすため、何ヶ月もJFK空港で生活をすることになる、という骨格はとてもシンプルなのですが、いろいろな要素がぎっしりつまってました。
まず、冒頭に、アメリカのコミュニケーションの問題が提示されていて、これには考えこんでしまいました。
この数年こそ、ある程度スペイン語も重視されているようですが、アメリカ人と話をしていていると、英語が万能で、それがあればコミュニケーションができる、英語を話せない相手のほうが問題、と思ってるのでないかと時々感じることがあります。この映画はその印象を裏付けるみたいなところがあって、始めのほうで、明らかに英語が話せないビクター相手に、空港警備局の主任ディクソン(スタンリー・トゥイッチ)やレイ(が英語でまくしたてていました。空港には世界中の人があふれるということを考えると、ビクターがなんとかわかるロシア語程度の通訳を常駐させるか、多少時間がかかっても呼びそうなものですが、実際は、あんがい、映画であるとおりの可能性は高いのかも。
空港警備局も役所の一部ですし、お役所なんてそんなものなのかもしれません。逆に、ビクターは、必要に迫られてとはいえ、英語を覚え、コミュニケーション能力をみがいていくのです。そしてそれにしたがって、ビクターがどれほど善良な人なのかが明らかになっていきます。このあたりのシナリオが本当にうまいです。また、冒頭で示された警備局のコミュニケーション能力のなさと、ビクターが身に着けていくコミュニケーション能力は、中盤でビクターがロシア人のトラブルを救い、空港内でのヒーローになっていくエピソード伏線にもなっていました。
そんなビクターと仲良くなっていくのが、いろいろなバックグラウンドの人たち。フライト・アテンダントのアメリア、インド出身で、傷害事件をおこしてアメリカにやってきた清掃員グプタ(クマール・パラーナ)、ヒスパニック(?)でフード・サービス係のエンリケ(ディエゴ・ルナ)、荷物運搬人のマルロイ(チー・マクブライド)、入国審査官のトーレス(ゾーイ・サルダナ)。いろいろな人種の人たちがターミナルで働き、出入りしていくのは、いかにもアメリカ、いかにもニューヨークらしいです。
それぞれのキャラクターに、細かいところまで設定ができているらしくて、けっこういろいろでてきたわりにはまったく混乱せずにすみました。おまけにみんな、ビクターの影響を受けて、少しずつ変わっていくのです。そして、ビクターの応援団と化してしまいます(笑)最後には、空港警備局のレイまで、官僚主義的なディクソンの命令を無視しますからね~。この時の演出もよかったです。邪魔するのかな、と思いきや、実は・・・ってやつで。まるでキャプラあたりの古い映画を見ているようでした。でもうそっぽくないのです。ビクターをやっかいもの扱いし続けたディクソンが最後にビクターを見逃した態度なんて、意地悪はしても、根は善良な人ならさもあらん、というものでした。
現在のアメリカを舞台にしたロビンソン・クルーソーみたいなところもあって、ビクターがあの手この手でサバイバルするのを見るのも楽しかったです。とにかく手持ちの荷物以外は何も持っておらず、持っている通貨も使えないビクターは、頭と腕をつかうしかないわけです。カートを片付けて小銭を稼ぐ、椅子を分解してベッドをこしらえてしまうなどなど。なぜ、わざわざ、仕事道具を私用の旅行のかばんにいれていたかは不明ですが、この建設業者という設定は結構生きていて、技術を生かして空港内工事の仕事をゲットしますし、果てにはアメリアに噴水を作ってプレゼントしてしまいます。う~ん、すごい。
隠しカメラ、ポケットベル、ビクターの持つピーナツの缶の秘密とか、小道具の使いかたもなかなか凝ってます。とにかくいろいろ楽しめます。すべてすっきり片がつきますので、後味もいいですし。
100席しかない小さい劇場で見たのですが、公開がはじまって1ヶ月以上たっているにもかかわらず、ほぼ満席でした。めずらしいことに、50台以上と思われる人が半分以上を占めてました。
ターミナル公式サイト
祖国のクラコウジアでクーデターがおきたためにパスポートが無効になり、アメリカ入国を許されなかったビクター・ナボルスキー(トム・ハンクス)が、ある約束を果たすため、何ヶ月もJFK空港で生活をすることになる、という骨格はとてもシンプルなのですが、いろいろな要素がぎっしりつまってました。
まず、冒頭に、アメリカのコミュニケーションの問題が提示されていて、これには考えこんでしまいました。
この数年こそ、ある程度スペイン語も重視されているようですが、アメリカ人と話をしていていると、英語が万能で、それがあればコミュニケーションができる、英語を話せない相手のほうが問題、と思ってるのでないかと時々感じることがあります。この映画はその印象を裏付けるみたいなところがあって、始めのほうで、明らかに英語が話せないビクター相手に、空港警備局の主任ディクソン(スタンリー・トゥイッチ)やレイ(が英語でまくしたてていました。空港には世界中の人があふれるということを考えると、ビクターがなんとかわかるロシア語程度の通訳を常駐させるか、多少時間がかかっても呼びそうなものですが、実際は、あんがい、映画であるとおりの可能性は高いのかも。
空港警備局も役所の一部ですし、お役所なんてそんなものなのかもしれません。逆に、ビクターは、必要に迫られてとはいえ、英語を覚え、コミュニケーション能力をみがいていくのです。そしてそれにしたがって、ビクターがどれほど善良な人なのかが明らかになっていきます。このあたりのシナリオが本当にうまいです。また、冒頭で示された警備局のコミュニケーション能力のなさと、ビクターが身に着けていくコミュニケーション能力は、中盤でビクターがロシア人のトラブルを救い、空港内でのヒーローになっていくエピソード伏線にもなっていました。
そんなビクターと仲良くなっていくのが、いろいろなバックグラウンドの人たち。フライト・アテンダントのアメリア、インド出身で、傷害事件をおこしてアメリカにやってきた清掃員グプタ(クマール・パラーナ)、ヒスパニック(?)でフード・サービス係のエンリケ(ディエゴ・ルナ)、荷物運搬人のマルロイ(チー・マクブライド)、入国審査官のトーレス(ゾーイ・サルダナ)。いろいろな人種の人たちがターミナルで働き、出入りしていくのは、いかにもアメリカ、いかにもニューヨークらしいです。
それぞれのキャラクターに、細かいところまで設定ができているらしくて、けっこういろいろでてきたわりにはまったく混乱せずにすみました。おまけにみんな、ビクターの影響を受けて、少しずつ変わっていくのです。そして、ビクターの応援団と化してしまいます(笑)最後には、空港警備局のレイまで、官僚主義的なディクソンの命令を無視しますからね~。この時の演出もよかったです。邪魔するのかな、と思いきや、実は・・・ってやつで。まるでキャプラあたりの古い映画を見ているようでした。でもうそっぽくないのです。ビクターをやっかいもの扱いし続けたディクソンが最後にビクターを見逃した態度なんて、意地悪はしても、根は善良な人ならさもあらん、というものでした。
現在のアメリカを舞台にしたロビンソン・クルーソーみたいなところもあって、ビクターがあの手この手でサバイバルするのを見るのも楽しかったです。とにかく手持ちの荷物以外は何も持っておらず、持っている通貨も使えないビクターは、頭と腕をつかうしかないわけです。カートを片付けて小銭を稼ぐ、椅子を分解してベッドをこしらえてしまうなどなど。なぜ、わざわざ、仕事道具を私用の旅行のかばんにいれていたかは不明ですが、この建設業者という設定は結構生きていて、技術を生かして空港内工事の仕事をゲットしますし、果てにはアメリアに噴水を作ってプレゼントしてしまいます。う~ん、すごい。
隠しカメラ、ポケットベル、ビクターの持つピーナツの缶の秘密とか、小道具の使いかたもなかなか凝ってます。とにかくいろいろ楽しめます。すべてすっきり片がつきますので、後味もいいですし。
100席しかない小さい劇場で見たのですが、公開がはじまって1ヶ月以上たっているにもかかわらず、ほぼ満席でした。めずらしいことに、50台以上と思われる人が半分以上を占めてました。
ターミナル公式サイト
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