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コルネーリス・デ・ヘーム  朝食図

2009-03-15 06:44:48 | 音楽/絵画/写真
技巧に対する限りない情熱!でした。

人のかきかたは???がつくようなのもありまして、なんか変じゃなかろうか、ってやつもなかにはありましたたとえば、たくさん人物がえがかれている絵フレデリク・ファン・ファルケンボルフ一世の工房の「果物市場(夏)」では、人体そのものの比率や人の大きさの比率が奇妙なものがありまして、メインの不思議な腕をもった人物が巨人で、下部の小人をこきつかっているのかしらんなんて考えがふと浮かんで一人、にやにや笑ってみたものでした。

ところが食べ物やら死んだ動物やら静物になると、細部へのこだわり、かきこみにはおののくばかり。上にあげた絵だって、左端のつやつやしたりんごをはじめとして、実においしそうな収穫物がえがかれています。

そう、果実や野菜なんてつややらよごれぐあいやら、写真のようなのです。よくここまでみて描いたもの。しかも絵の具も自分で作っていた時代だったはずなので、どれぐらいの時間をかけて一枚の絵をしあげたのか..見当もつきません。ヤン・ウェーニクスの「死んだ野兎」なんて、獲物のウサギの毛並がていねいにかいてあって、本物のようでした。

たとえばこの絵がそう。技巧や教訓(人生ははかない)に対して、ものすごくエネルギーを注いだ画家たちだったのですね。問題は、今となってはそれが必ずしも心をうつものかどうか...という点。技巧には感心して、どうやって描いたのだろう、とは思うのですが、何度も繰り返してみたいか、となると...

でも、この朝食図はなかなか魅力的でした。皮をむいた果実は画家の技能を見せつける絶好のものだったそうで、たしかにここで描かれているレモンはすばらしいテクニックが駆使してあります。それと同時に、足をとめてじっと見入ってしまった絵でもありました。光の加減やら、視線の角度やら工夫してあったせいでしょうか。横に現物の再現がしてありまして、絵と比べることができる、という凝った展示法でした。かなり低めの視点から描かれて、光をうまくあやつってかいてありました。

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