「移民拒否ならそこそこ豊かな生活の保証もない」との副題が付
いた日沖 健氏( 経営コンサルタント)の記事は、小田原北条氏が
滅亡した理由と重なるなあ!と思いペンを取りました。
⇒https://toyokeizai.net/articles/-/609517
20世紀までの工業社会では、決められた目標に向かって組織のメ
ンバーが意思統一することが重要でした。たとえば、ガソリン自動
車の製造では1台当たり数万点の部品を扱うことから、1人では作業
できません。多数のメンバーが設計図・工程表を理解し、前後の工
程で密接に情報共有して共同作業を進めます。
ここで情報共有のカギになるのが、言語と情報理解力。日本人は、
みな日本語をしゃべるので言葉の壁がありませんし、基礎学力が高
いので複雑な情報を正確に理解することができます。工業社会では、
多言語かつ国民の基礎学力が低い諸外国よりも、日本が有利でした。
ところが、知識社会になると、勝手が違ってきます。知識社会で
は、他社にはない斬新なアイデア=イノベーションを産み出すこと
が重要です。そして、経済学者シュンペーターがイノベーションの
本質を「新結合の遂行」と喝破した通り、異質な情報が交わり合う
ことがイノベーション創造のカギです。
日本人は、みなよく似た考え方をしますし、違った考えを持って
いても表立って口にしません。一方、移民が多い国では、自然に異
質な考えが混じり合います。知識社会では、金太郎飴の日本よりも、
異質性が高い移民国家の方が有利なのです。
今まで籠城で成功していた小田原は、秀吉の小田原攻めの時も「
籠城」を選択します。「成功程失敗はない」。成功していたからと
同じことを続けていては失敗する。変化の激しい時代だけに。日本
人も、そろそろ頭を切り替える時が来ているのかも知れない。
小田原梅干し:梅丸