プライマリーバランスとは財政の収支のことで、タイトルの著者
は、藤井聡氏(京大大学院教授)です。
家計や企業会計では、収入ー支出=マイナスでは赤字で、高じる
と借金地獄に陥る。しかし、国家の財政規律では異なると言ってい
る。マイナスであればあるほど経済が活性化するとしている。
赤字国債を発行しても日本では国家破綻することはない。(財務
省も認めている。)政府はプライマリー・バランスの黒字化が国際
公約としているが、これは戦術であって状況に応じて変更すべしと
している。現に他国は皆そうしている。
これ等のことをデーターに基付いて論証している。藤井氏は学部
の専攻は土木工学ではあるが、よくぞここまでマクロ経済をマスタ
ーされたと感心している。
田原総一朗氏(ジャーナリスト)は「三時間のレクチュア後考え
が変わった。」そうですが、私はこれを読んで考えが変わった。
森田実氏(政治評論家)が「明治時代の福沢諭吉、戦後の湯川秀樹、
現代の藤井聡」と評価されるのも合点が行く。
Japan is No.1 と言われたこともある経済が低迷を続ける理由に
ついて関心を抱く読者には一読をお勧めしたい。
小田原梅干し:梅丸