声の仕事とスローライフ

ただ今、仕事と趣味との半スローライフ実践中。遠方の知人友人への近況報告と、忘れっぽい自分のためのWeb忘備録です。

前代未聞の珍事

2013-01-01 00:00:00 | 自衛官時代の想い出
陸上自衛隊では、女性隊員を
通称WAC(ワック)と呼びます。
英語でwoman army corpという、婦人自衛官の略です。

陸上自衛隊朝霞駐屯地は
練馬区大泉学園にありますが
隣の埼玉県和光市にもまたがる広大な敷地を持っています。

ここには、オリンピック選手を輩出している自衛隊体育学校や
マーチのCDを何枚も出している陸上自衛隊中央音楽隊、

それにエリザベス女王などVIPの
来日時に栄誉礼で迎える重要な役割を
担う儀状隊、302保安中隊など
有名な部隊もあります。

日本一大きな駐屯地です。

婦人自衛官教育隊は、
それら精鋭部隊の所属する駐屯地の
一番奥に位置していて、

WAC24期の私が入隊した当時は、
木造2階建ての建物は戦時中、
兵舎として使われていたという古い
建物でした。


緑で囲まれた敷地の境界線には
有刺鉄線の柵が張り巡らされ、

その向こうには今は使われていない
元米軍の基地だった広大な敷地と建物が見えます。

車の音も聞こえないほど静かで、
木々には鳩が巣を作り、
一日中クックルクックルと鳴いている
のどかな場所でもあります。

私は今でも鳩の鳴き声を聞くと朝霞駐屯地の夏を思い出しますが、

夏の訓練は、過酷でした。

教育隊に入って1ヶ月が経った頃だったでしょうか、
その日は、とにかく暑くて
水をガブガブ飲んでも、とめどなく汗が出てきます。

誰かが、
「ねえ、シャワー浴びたいね。」と言い出しました。

ねえ、と声をかけられ、

「ほんと!もう限界だよね、」

と意気投合。

同じ区隊の仲間、15~6人でシャワーを浴びて帰ってくると、
班長が顔をこわばらせて立っています。
「お前らっ!
いったい何をしてきたっ!!」

直ちに、その事実が区隊長に報告され
私は仲間たちと一緒に、呼ばれました。

「どいつもこいつも、ここを何だと思ってるっ?!
しかも、成績優秀なものばかりがなんという、不謹慎な事をするんだ。
えっ?お前達は自分のやったことが、
わかっているのか?!」

「ここが戦闘地だったらどうだ?
戦闘中に、シャワーを浴びる馬鹿が
どこにいるっ!!前代未聞だぞ!」

血走った区隊長の目は、一番の年長者である私に注がれていました。

ほとんどが18歳の同期たちの中で
22歳の私は、お姉さん的な存在
だったのです。

私が率先してやったのだろう・・・
と思われたのでした。

率先したわけではないけれど、
やはり年長者の責任は重いという
ことで

その事件以降、
私は区隊長から完全にマークされるようになったのでした。(~_~;)




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