
ミロのビーナスに抽斗をはめ込み、取っ手の部分にウサギのシッポをつけてみる…
そういう発想は、凡人にはありませんね。
そう言えば…
ずっと昔、
初めてダリの写真を見たとき
てっきり大泉晃さんだと思い込んでいたのを
思い出しました。
やはり、ダリという人は不思議なアーティストです。
画家と言わずアーティストという表現の方が、
舞台芸術や映画のセットデザインなども手がけたダリにはふさわしいような気がします。
今、開かれている国立新美術館のダリ展では初期の作品から晩年の作品までを年代別に展示してあるのですが、
1920年から晩年までの画風の変遷もよくわかります。
初期の頃の平凡な作品から
突如、何かに目覚めたような作風の変化に
いつからダリは“ダリ”になったのかを考えながら鑑賞しました。
映像作品なども随所に展示されていて、全部観ようと思えば4時間ぐらいは必要です。
「アンダルシアの犬」や「黄金時代」などの映像作品コーナーでは、映画を観ながら大笑いする中高年男性もいれば、
ただジッと見入っている人もいるし
観ている人の反応も面白いのですが、かなりグロテスクなシーンもあるので
お子様には、オススメできません。
一方で、
ディズニーとの共作の「ディスティーノ」は大画面で観ると色彩も美しく、素晴らしい作品だと思いました。
昼過ぎに入って、出てきた頃はすっかり日が暮れていました。

夕暮れの美術館も風情があります。
終了時間に出て行く人たちの中に
三人の初老男性が大声で、
「シュールって言うヤツを理解できるアタマじゃないんだよなぁ…」
「何度見てもわかんないね!」
…と話しながら歩いていました。
無理に、わかろうとしなくても、いいんじゃない??
『ディスティーノ』はyoutubeでも観られますが、やはり会場で観た時のドキドキ感はありませんね。
Walt Disney's & Salvador Dali - Destino 2003 (HD 1080p)