それにしても、アニメにおけるマキの可愛らしさは、特筆に値いしますね♪
原作では主人公のひろみの影に隠れて、目立たない感じの彼女なんですけど、アニメのほうはもう、マキがいないとお話が成り立たないwwっていうくらいの存在感があって。
某サイト様の人物紹介には、>>「ひろみが天才ぶりを発揮していくのに対し、最後まで凡人の位置にとどまる」なんて書いてあるんですけど(笑)、アニメのマキはもうほんと、あの性格の良さは他の何にも変えられないと思います(^^)
う゛~ん。もしリアル路線で考えるとしたら、ずっとひろみにひっついてると、自分も何かとばっちりを食いそうな気がして、親友だったけど、ちょっと距離を置くとか、実際考えられますよね
あとは、「岡さんと一緒にいると、愛川さんもろくなことにならないわよ。岡さんから離れて、わたしたちの仲間になりなさいよ」って誰かに誘われるとか……現実的に考えた場合、すごくありえそう
それに、宗方コーチや藤堂さんにちやほや(?)されてるっていうことで、「何よ、ひろみなんか!!」ってマキほうでなってもおかしくないっていう部分もあったり。。。
新のほうではほんの一瞬だけマキがそんなふうになる回がありますけど(笑)、でもすぐ後悔してひろみに電話してるあたり、マキってほんと、いい子なんですよね♪(^^)
っていうか、なんでみんなあんなにひろみばっかり注目して、マキのほうにあまり目がいかないのか、むしろ不思議な気がしたりww
そして今さらながらに思うのは、ひろみって宗方コーチに見出されたからこそ、まわりのみんなが注目する子になった……っていうことなんですよね(^^;)
その前までは、ひろみもマキもある意味、そこらへんに転がってる似た者同士の石(?)みたいなところがあって――でも、宗方コーチが「この子は磨けば宝石になる☆」って思ったところから、ふたりにはすごく差がでてきたのかな、なんて。。。
もちろん、そのことをやっかむでもなく、ひたすらひろみのことを応援し続けるマキっぺ☆(笑)なわけですけど、「あたしなら、絶対ひろみよりマキと親友になりたいなあ」とか、「もしつきあうとしたら、ひろみよりマキのほうが俺は全然いいなあ」っていう方も、実際多いんじゃないでしょうか♪(^^)
「エースをねらえ!2」におけるマキの励ましも素晴らしいものだったし、なんていうかマキってわたしにとってはほんと、「輝ける凡人」っていう感じがします。
もちろん、そんなこと本人に言ったら、「それ、褒めてんの?けなしてんの?」って、複雑な顔されそうですけどね(笑)
う゛~ん。新も旧もまだまだ何回も見返せそうなんですけど、2を買おうかどうしようか、今少し迷ってます
いえ、こんなこと言って、結局最後には買っちゃうんだろうなとは思うんですけどね(^^;)
嗚呼、こんなにお金の出し甲斐のある作品に出会えて、本当に本当に幸せです
それではまた~!!
La Vie En Rose.-2-
きのうの深夜、やっつけでやった数学の宿題は、間違いばかりで、お陰で授業中、えらい恥をかいてしまった。
「岡くん、一年生ながらテニス部の選手に抜擢されて、大変なのはわかるがねえ。しかし、わしの授業の時はもちっと気を入れて聞いてもらわんと。次の期末テストで平均点いかないと、追試ってことになるぞよ、君の場合」
「す、すみません……」
教室中にどっと笑いが起きて、あたしは教科書で顔を隠したくなるくらい、恥かしくてたまらなかった。元を正せばこれも、あの鬼コーチ、宗方仁のせい――とは、流石にこの場合は言えないかも。
「元気だしなって、ひろみ。たっまたま、当てられたとこが悪かったよねえ。宿題出された中でも、一番ムズい問題だったじゃん。昼休みの時にでもさ、ちよっくらお互いの答え合わせとか、やっときゃよかったかもしんないね。中庭で昼寝なんかしてないで」
「ううん、いいのよ、マキ。それより、いつも気遣ってくれてありがと」
「なによーう、急に。なんか気持ち悪いぞ、ひろみ。さては拾い食いでもしたな!?」
「んもう、マキったら!!いくら食い意地張ってても、あたしはそこまで意地汚くありませんよーだっ!!そうじゃなくってね、きのう鬼コーチの特訓のあと、特別汚くされてる部室を掃除しながら、思ったんだ。いつもマキが味方してくれて、本当にありがたいなって……でも、このままいったらきっと、あたしとひっついてるマキも一緒にいじめられちゃうかもわかんないでしょ?だからね、あたし……」
女子テニス部の部室へ向かう途中、あたしはマキにそう切り出した。退部届けのほうは、六限目の現国の時間にこっそり書いておいた……みんなのためにも自分のためにも、親友のマキのためにも――そうすることが一番いいんじゃないかって、今日一日考えて、そんな気が物凄くしてきちゃって……。
「やっだあ、ひろみ。まさかテニス部やめるなんて言うんじゃないでしょ?そりゃさあ、突然選手なんかに抜擢されて、つらいのはわかるよ。けど、みんなが言ってるみたいに、ひろみはコーチに取り入ったわけでもなんでもなくて、無理やりやらされてんのよ?きっと、つらいのは今だけだって。そのうちみんなも、そんなひろみのつらさをわかってくれて……」
「うん。そうなの。あたしもね、きのうまではそう思ってたの。けど、もしみんなの言ってることのほうが本当になっちゃったら、あたし生きてけないって、そう思って……」
「そんな大袈裟な、ひろみ!!いつものガッツとファイトはどうしたのよ!?あんな鬼コーチ、そのうち試合でガンガン勝って、見返してやればいいじゃないの。そしたらみんなもひろみを見る目が変わって……」
いつものマキの励ましにも、あたしがあまり心を動かされてないのがわかると、突然マキはしゅんとして、あたしと同じく暗い顔になっていた。
「まさかきのう、あれからなんかあったの!?きのうはあたし、家の用事ですぐ帰んなきゃいけなかったから……」
「う、ううん。べつに何も……」
あたしが慌てて否定しかけた瞬間――ガサガサと校庭の林を横切って、誰かがやってくるところだった。
「む、宗方コーチ!!」
マキがそう言うのと同時、あたしは何故か反射的に、マキの背中にさっと隠れていた。そうだ、今が退部届けを出す、絶好のチャンスだって、心の中で本当にそう思う。でも、手が震えてしまって、制服のポケットから肝心のそれを取りだすということがどうしても出来ない。
「愛川も岡も遅いぞ。俺が今ここにいて、これからコートへ向かうところだということは――女子部員が全員整列するまでに、時間がもうあまりないということはわかるな?」
「す、すみませんっ!!何しろあたしたち、掃除当番だったもんですから……」
「言い訳はいい。それより早く着替えてコートへ来い。岡、おまえの相手は俺がする」
「……………」
あたしは何も言えなかった。コーチはいつもどおりの宗方コーチで……きのうあんなことをしておきながら、いつもどおり特訓する気満々の、何ひとつ動じたところのない態度。反射的にあたしは、(許せない!!)と、そう強く感じた。
「やれやれ。あの鬼コーチ、今日もひろみのこと、しごく気満々みたいよ?『岡、おまえの相手は俺がする』だって!宗方コーチもさあ、もちょっと部全体の雰囲気とか、考えてくれたっていいのにねえ。あたし、時々思うんだけどさ、宗方コーチって自分のことをあんまし、意識して格好いいとか思ってないんだと思うのよ。だから他の女子部員たちがひろみをやっかむ気持ちが、いまひとつよくわからないんじゃないかしら……って、あれ?どったの、ひろみ」
「ううん、なんでもないよ、マキ。それよりも早く着替えてコートへいこう。じゃないと、またどやされちゃう」
(許せない、許せない、許せない!!)――あたしはそう思いながら、部室まで走り、制服のポケットに忍ばせた、退部届けを握りつぶした。
『あんな程度のことをいちいち気にしてるのか。馬鹿め』とでも言いたげな、傲岸不遜なあの目つき……人がきのうの夜から今日一日、どれだけ悩んだかも知らないで。バカ、バカ、宗方コーチのバカっ!!!
あたしは自分の鬱屈たる、しかも誰にも言うことの出来ない気持ちをぶつけるように、宗方コーチの特訓に挑んでいった。一球打ち返すごとに、いつもどおり「肘が曲がってるぞ」だのなんだの、うるさい注意が返ってくる……ふんっ!!そんなのあたしの知ったことか!!とばかり、あたしは力いっぱい宗方コーチの球を返球していった。
「どうしちゃったの、岡さん。なんだか今日はやる気満々って感じね」
「まったく、コーチもコーチね。あんな子、いくら特訓したって、大して成長しないと思うけど。むしろあの情熱を、他の部員全員に、平均的に行き渡らせて欲しいわ」
「ほんと、ほんと。いつまでもひとりの部員だけにつきっきりだなんて、どう考えてもおかしいって、ご自分でお思いにならないのかしら?」
そんな聞こえよがしの声が耳に入っても、あたしは今日に限ってはまったく気にならなかった。どうやら、どんな悪いことにも、少しくらい良い側面というか、何かそうした部分があるらしい。
あたしは、(何クソっ!!今に見てろ!!)の精神で、コーチの球に必死に喰らいついていき、その日は無事、コーチに居残りさせられるでもなく、みんなと同じ練習時間に切り上げることが出来た。
「よし、岡。明日からもその調子でがんばれ」
最後にぽん、と肩を叩かれ、あたしは思わず反射的に「ありがとうございました……」と言ってしまってから後悔した。うわーん!!球を打ってる時は、もう二度とそんな言葉、言ってやるものかと思ってたのに、習慣っておそろしい。
「良かったねえ、ひろみ。なんだか今日の宗方コーチ、すごく満足そうだったよ?あんなコーチの顔見るの、もしかしたら初めてかもっていうくらい」
「そうかな。宗方コーチっていつも無表情で怖くって、怒ってばっかりで――あたしはコーチって何考えてるのか、さっぱりだけど」
ゼェゼェという荒い息をつきながら、あたしは無造作にタオルで顔を拭いた。ああ、早く水飲み場にいって、浴びるくらいごくごくと水が飲みたい。
「今日はおうどんとそばとラーメン、どれにする?それともお汁粉?ひろみは何がいい?」
「ん~、今日はなんとなくおそばって気分。でもマキの好きなのでいいよ。日頃からの感謝のしるしに、今日はこのあたくし目が奢ってあげちゃうから」
「やっリィ!!どったの、ひろみ?なんかいいことでもあった?」
「ううん、単にきのうお小遣いが出たってだけ。あ、そーいえば、公園でホットドックかクレープを食べるっていう手もあるか」
「うんうん、いいね、いいねえ♪じゃあ、おそば食べて、帰りにデザートとしてクレープ食べるってのはどう?」
「うん、そうしよ、そうしよ♪」
なんて、マキとあたしが和んでる時のことだった。またも聞こえよがしの嫌がらせがはじまる。
「まあ、ホットドックとクレープですってよ。特別な方なのに、随分普通のものをお食べになるのねえ」
「とにかく、あたしたちは今日、おそば屋さんに行くのはよしましょうよ。特別な方のお席の邪魔しちゃ悪いものね」
「ほーんと。わたしたち庶民は、みんなでラーメンでも食べて帰りましょ」
くすくすと笑いさざめきながら、音羽さんを筆頭にして、部員たちがぞろぞろと続いていく……でももう、あたしは心の中で何かが吹っ切れていた。
そしてふと、こう思う――もしかして、宗方コーチがあたしに身につけさせたかったことって、こういうことだったのかな、なんて。この程度のことでいちいち動揺していたのでは、テニスのプレイヤーとしてはたかだか先が見えている。これまでは(コーチのくせに、どうして守ってくれないの!?)とか、そんなことばかり思ってた気がするけど……たぶんきっとコーチにとっては、この程度のことで挫折するくらいなら、むしろあたしのことなんて最初からいらないのかもしれなかった。
『宗方コーチは、理屈に合わないことをするような人じゃないよ』――そう藤堂さんが前に言っていた言葉を思いだす。でも、だったらきのうのあのことはなんだったのだろう?痣が出来ているから、湿布を貼ってくれたっていうのなら、あたしにも理解できる。でも、きのうのあれは……。
「よっしゃ、そんじゃおそば屋さんへ、レッツのゴーだね、ひろみ!!他のみんなはラーメン食べてくみたいだけど、そのほうがある意味すいてていいやね、実のところ」
「うん、そーだね!!」
あたしとマキは夕陽の中を連れだって歩きながら、お互いにそんなふうに言って笑いあった。そしてあたしは、夕暮れの公園でチョコバナナのクレープを食べながら、きのう宗方コーチが自分にしたことは一切忘れようと、そう心に決めたのだった。
>>続く。。。
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