天使の図書館ブログ

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La Vie En Rose.-3-

2012-09-10 | エースをねらえ!

 え~と、今回が少しエロめ☆で、次回で最終回となりますww(^^;)

 エロめ☆なんていっても、そんなに大したことないんですけど……なんにしても、1のところにも書いたとおり、原作やアニメの純粋で汚れのないイメージを大切にされたい方や、宗方コーチがただのセクハラ野郎だっていう設定に抵抗のある方は、何卒ご注意くださいませm(_ _)m

 いえ、なんかもう原作を読めば読むほど、アニメを見れば見るほど、宗方コーチのあれって、ただのえこひいきにしか見えないんですよね(笑)

 =実は他の女子部員たちの言い分のほうが、正しーんじゃないのかな、的なww

 もちろん、わかってはいますけどね。宗方コーチって、もし仮にひろみが男だったとしても、まったく同じことしてるはずですから(^^;)

 その場合は、藤堂たんも尾崎たんも「オレたちを差し置いて、何故あんな一年坊主が」と思うでもなく、「大変だろうけど、ガンバレよ☆」って、あたたかく励ましてくれそう。

 んで、自分たちにとって脅威になるくらい岡広夢(仮名☆)が伸びてきても、「よくやってるじゃないか」とか、「流石は宗方さんが目をつけただけのことはある」みたいに、やっぱり優しく見守ってくれそうでもあり。。。

 もっともこの場合は、他の部員たちがもしかしたらやっかんだりするかもしれませんけどね(^^;)

「コーチだけでなく、藤堂さんや尾崎さんにまで可愛がられやがって!」的なww(え?もしかしてBLなの?笑)

 でも男の子って結構、はっきりさっぱりしてるから――宗方コーチがビシッ!と注意したり、一度殴りあいの喧嘩をするなり、あるいはコートで決着つけたりすれば、その後までネチネチ☆いぢめたりはしない気がするんですよね

 んでも、おにゃのこ☆っていうのは、そこらへんがちょっとネチネチしてるから……宗方コーチもきっと、「女ってのはなんでこんなに面倒くさいんだ」みたいに思ってたんじゃないでしょうか(^^;)

 なんにしてもほんと、色んな面倒はとにかく、岡ひろみっていう選手が<女>だったから、発生したことなのかもしれませんよね。。。

 でもやっぱり、そうじゃなきゃ物語が生まれない、ストーリーが面白く展開しないっていうことも含めて――障害が大きれば大きいほど、それを越えた時に実を結んだものは、はかりしれないものがあると思います。

 もちろん、ひろみが男の子で、宗方コーチが心血を注いで育てあげたっていうのでも、師弟愛として十分素晴らしいとは思うんですけど……でも、宗方コーチって女の人にコンプレックスがあって(あの、変な意味じゃなく、お母さんのこととか、そっち系の意味です)、「女など所詮は……」的に思ってたのをひっくり返してくれたのがひろみだったっていうことですよね。

 旧の宗方コーチを見てるとほんと、「女子など鍛えても意味がない」みたいに思うところが、実は大きかったのかな、なんて思ったりします(^^;)

 でも唯一ひろみだけは――男並に鍛えるだけの価値のある女、そんなふうに宗方コーチの目には映っていたのかな~なんて。

 しかも、相手が男の子じゃなくて、おにゃのこ☆だから、自分が想像する反応をまったく越えてたんじゃないかなって思うんですよ(原作の宗方コーチはそこらへん、達観してますけどね・笑)

 スポーツやってる男の子って、基本的に元気がよくってわんぱくで、みたいなイメージがすごくあって、女の子もスポーツやってる子は、ハキハキ・サッパリしてるみたいなイメージですよね、なんとなく。

 でもひろみって、さっきまで泣いてたかと思えば根性があったり、身長もそんなに高くなくてむしろ小さいくいらなのに――やけに底力があったりと、旧の宗方コーチにはひろみの存在ってすごく新鮮に映ってたんじゃないかなって思います(あくまでもわたしの個人的なイメージとして☆^^;)

 それで、育てあげた最後のほうでは、「岡、おまえが女で、本当によかった」みたいに、これは旧・新・原作問わず、すべての宗方コーチが同じように思ってたことなんじゃないかな~なんて。。。

 でも、宗方コーチとひろみの関係っていうのは、男女の愛を超えた、それよりもさらに高くて優れた魂の関係なので、その部分が永遠に結びついてるっていうところが、本当に一番「エースをねらえ!」っていう作品の素晴らしいところなんだと思います

 まあ、こういう軽くエッチ(笑)めな話を書いてしまうのは、そういう意味でも結ばれてたらどうだったのかなっていう、一読者の個人的妄想に過ぎないっていうことで、ひとつよろしくお願いしますm(_ _)m

 それではまた~!!



       La Vie En Rose.-3-

 ――それからあたしは、お蝶夫人とあたるまで、どうにかこうにか試合を勝ち進んでいき、その頃にはもう、宗方コーチに対する信頼を取り戻していた。

<信頼>なんていう言葉は、もしかしたらちょっと、おかしかったかもしれない。でもとにかく、あの時あったことは、宗方コーチのあたしに対するおかしな親切心とでもいうか……何かそんなふうに、善意のものとして、あたしは解釈することにしていた。

 何しろ、コーチの態度が相も変わらず一定して厳しいので、そんなどこかナヨナヨ(?)したようなことは、いちいち考えてなどいられないというのが実情だったというか。とほほ。

 けれど、お蝶夫人から「テニスかあたくしか選びなさい」と迫られ、再び悩みに悩んだ揚げ句に――あたしは宗方コーチ専用の顧問の部屋で、一度は握りつぶした退部届けを、コーチに手渡すということになってしまった。

 本当はテニスをこのまま続けたいと、痛切にそう思ってはいた。まわりに何を言われても、だんだん気にならなくなってきたし、それにつれて聞こえよがしの陰口も減ってきた。宗方コーチの特訓も、つらいといえば相も変わらずつらいけれど……でも、コーチに鞭打たれれば打たれるほど、自分が少しずつ伸びてきているということも、実感できるようになってきた矢先のことだった。

「何故、今ごろになって辞めたいんだ?」

「あの、コーチもご存知のはずです。みんなはコーチがあたしを贔屓にしてるって言うし、そのせいで部の規律が目茶苦茶だって、キャプテンもおっしゃるし……それに、何よりお蝶夫人が………」

「お蝶?竜崎がおまえに何か言ったのか?」

 机の前で腕組みして座る宗方コーチには、今日も強い気迫というか、威厳のオーラのようなものが漂っていて――あたしはこれでも、自分なりに精一杯説明したつもりなのだけれど、コーチには<察する>能力のようなものが欠如しているようだった。

「あ、あの……竜崎さんは、我が西高テニス部のスタープレイヤーです。あたしは、その竜崎さんこそを、コーチがつきっきりでコーチするのが本当だと思うんです。そうすれば部のみんなも納得します。みんなが言いたいのはようするに、あたしみたいなミソッカスの面倒を、宗方コーチはいつまで見てるのかっていうことで、あと、藤堂さんがあたしのことを気の毒がって、何かと親切にしてくださるのも……その、あまり良くないことで………」

 あたしは途中から、自分でも何を言っているのか、よくわからなくなってきた。宗方コーチの前にでると、いつもこうだ。ろくに目を合わせてしゃべれないというだけでなく、足の震えをこらえるのが精一杯といった感じになる。

 本当はマキに一緒について来てほしかったのに――お母さんが急に入院して、学校帰りにお見舞いへいく用事があるために、ここのところあたしは部でもひとりきりのことが多かった。

「岡、おまえの言いたいことは大体わかる。だがな、せっかくここまで伸びたものを、今さらおまえは放りだすのか?俺がおまえに教えたものを簡単に捨てるのは構わん。しかし、竜崎がああ言ったからとか、キャプテンの星野がこう言ったとか、他の誰それが何かしたということで部を辞めるというのなら、俺は断固反対する。無論、こんな退部届けなどという形式的なものを俺が受けとろうが受けとるまいが、もしおまえが本気でテニスをやめたいなら――明日から部へは来なければいいというだけの話だ。俺もそんな者に、縄をつけてまでコートへ連れてくる趣味はない。だが……」

 コーチは椅子から立ち上がると、窓のブラインドを下げはじめた。もう部の練習も終わり、夕陽はすでに暮れきっていた。その、どこか名残り惜しいような残光のみが、グラウンドを照らすという時間帯であったために――あたしは宗方コーチが部屋のブラインドを下げても、取り立てて不思議に思いはしなかった。

「あの、電気つけますね」

「ああ」

 そう短く答えたはずなのに、宗方コーチはあたしの先まわりをすると、ドアに鍵をかけ、そのすぐそばの壁にある、電灯のスイッチを片手で覆い隠した。

「あ、あの、コーチ……」

「おまえは俺の言うことより、竜崎の言うことを聞くのか」

 途端、胸を貫かれるように、あたしはドキッとした。さっきまでは気づかなかったけれど、コーチは本気で怒っている。そのことが今の言葉の声音で、はっきりとわかった。

「コ、コーチにはわからないんです。あたし、今までだって何度やめようと思ったかしれないのに……でもそのたびにお蝶夫人や藤堂さんが庇ってくださったり、優しくしてくれて……それでどうにか耐えてこれたのに、これからはお蝶夫人にも助けてもらえなくなるだなんて。あの方だけがあたしの心の支えだったのに、もしそれさえなくなったら……ううん、竜崎さんに嫌われてるかもしれないって思っただけであたし、胸が苦しくて……」

「俺がいる。おまえのことは、コーチである俺が支えてやる」

 あっと思う間もなく、ぐいっと顎を持ち上げられ、唇を重ねられた。あたしは自分が何をされているのかもわからず、やがて呼吸が苦しくなってきて、それでようやくコーチの腕から逃れようと、必死に身じろぎした。

「……………っ!!」

 軽く、足払いのようなものをされると、あたしはいとも簡単にそばにあったソファの上へ押し倒された。制服のリボンがほどかれて宙にまい、びっくりするくらいの手際の良さで、ボタンが外されていく。

「あ、あのっ、コーチ、こんなこと……っ!!」

 あたしはこの段になっても、心のどこかで宗方コーチのことを信じていた。本気でコーチがこんなことをするはずがないと、自分をからかっているだけなのだと、そう思えて仕方なかった。

「なんだ?岡、おまえは俺に色目を使って選手になったんだろう?それが事実になったところで、一体俺とおまえに、なんの不都合がある?」

「そ、そんな……っ!!」

 あたしはこの時突然、以前部のシャワー室でコーチに裸を見られたこと、背中に舌で触れられたことを思いだした。

(あのことも、忘れよう忘れようってずっと努力してきたのに、それなのに今こんなことをされたら……)

「泣きたければ、泣きたいだけ泣け。俺のほうがおまえよりも――よほど多くのものを堪えているということを、教えてやる」

「あっ、い、いやっ……!!」

 制服のスカートの中に、宗方コーチの手がすべりこみ、あっという間に下着を脱がされた。もちろんあたしも、まったく抵抗しなかったわけではなくて、むしろ必死に抗おうとした。でも、コーチとあたしとでは、体格に違いがありすぎた。宗方コーチがほんの少し力をこめただけで、あたしの腕だけでなく足だけでなく腰だけでなく――すべてが彼の思うがままだった。

「前に、シャワー室であったことを覚えているだろう?あの時も、今と同じことをするのは容易かった。だが、俺はおまえのためを思って、あの程度で済ませておいてやったのに……岡、おまえには俺の誠意がまったく通じてないらしいな」

(せ、誠意って……)

 宗方コーチは片手で軽くあたしの背中を浮かせると、ブラジャーのホックを外し、それを脱がせる途中で手首をそのまま縛った。

「いい格好だな、岡。これで、もう二度と俺に逆らおうなどという気は、一切起きないようにさせてやる」

「んっ………!!」

 もう一度、唇を塞がれるのと同時に、足の間に指が伸ばされる。宗方コーチの舌の感触と指の感触があたしの感覚のすべてを支配し、何も考えられなくなる。

(い、いやっ!!こんな恥かしいこと……それに、どうしてコーチはあたしなんて、あたしのことなんて……テニス部には、あたしより可愛い子が他にたくさんいるのに……)

「岡、俺にはおまえの考えそうなことなど、すぐにわかる。何故自分が選ばれたのかと、そう思ってるんだろう?だが、おまえにこうすることと、おまえを選手に選んだのは別のことだ。俺はおまえが可愛い。だが、他の女子部員にはそうした感情を、一切感じない。そのことを、よく覚えておけ」

 ――この時のあたしには、何故コーチがそんなことを言ったのか、まるで理解できなかった。けれど、あとになってから、身に沁みてその意味がよくわかった。

 何故といって、コーチが他の女子部員のフォームを直すために、色々と指導する時、あたしは仮に一瞬であったとしても、嫉妬の情をまったく覚えずにいるということは出来なかったのだから。

 そして、そのあとふたりきりになるたびに、宗方コーチは繰り返し同じことを言った。「俺が社会的名誉を賭けても抱きたいと思うのは、岡、おまえくらいなものだ」ということを、言葉を変えて、何度も何度も繰り返し……。

 ――果たして、こんなものを<恋>と呼べるのか、呼んでいいものなのか、あたしにはさっぱりわからなかった。誰にも言えない、親友のマキにさえも告白できない、苦しくて切ない恋。

 体の関係を持ったからといって、宗方<鬼>コーチの特訓が軽減されたかといえば、そんなこともまったくなく……それでいて、コートの外ではコーチはいつも優しかった。キスの仕方も、体に触れるやり方も、それ以外のことも、何もかも。

 そして、宗方コーチがあたしに「俺が支えてやる」と言った言葉も、本当のことだった。うまく言えないけれど、あたしはコーチに抱かれた日以来――お蝶夫人にも音羽さんにも、あるいは他の誰にも、何をどう思われようと、まるで気にならなくなった。

 何故って、あたしが気になるのは、宗方コーチの視線、彼の言葉、彼にどう思われるかという、そのことだけだったから。コーチさえ自分の味方でいてくれるなら、他の人全員が仮に敵であったとしても、あたしはまったく構わなかった。

 人目を怖れながらも、学校のコーチの部屋でキスをし、合宿所で抱かれ、また休日にはしょっちゅう外で会うようにもなった。

 また、宗方コーチに喜ばれたくて、テニスに打ちこみ、プレイヤーとしての腕もぐんぐん伸びていき……やがてあたしは、西高で三年生になっていた。



 >>続く。。。





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