(※漫画「エースをねらえ!」の二次小説です。内容にネタバレ☆等を含みますので、一応ご注意くださいm(_ _)m)
お話の雰囲気として、なんとなく昭和のノリ☆が続きますww(笑)
そんでもって、今回は宝力たんの登場ですね♪(^^)
素質はあるのに、恋をしたことで調子を崩し、「自分も一歩間違えば、ああなるのか」という見本をひろみに示した宝力たん。。。
宗方コーチはそうなることを危ぶみ、藤堂たんにひろみとの交際を長くお預けにするわけですけど、それにしてもある意味、損な役割ですよね(笑)
むしろこうしたほうがお互いの間で恋愛感情が高まり、いい結果が生まれるだろうと踏んでの判断だったんでしょうし(^^;)
とはいえ、ひろみが誰かに恋をしていると気づいた時の宗方コーチの反応は、何度読み返しても楽しいです♪
>>「これは、恋をしかけた目ではないか……!
いかん!早い!恋を知るのはまだ早い!
許さんぞ、岡。誰だ、相手は!!」
まだ早いったって、もう17歳とかなんだしww
そんでもってさらに、「女であることを超えろ」とか、「恋をしても溺れるな」とか、要求してることがむしろ大人すぎですってば、宗方コーチ(笑)
わたしの書いてる二次では、ひろみは初恋(ですよね?)の相手である藤堂を卒業し、宗方コーチに↑の視線を送ってることになるんですけど、コーチは自分のことに関しては存外まるで気づいてないのかなって思います(^^;)
なんといってもこの時代、先生とかコーチって呼ばれる人は、今以上に物凄い権威があったと思うんですよね。
忘れ物をしたら出席簿でぶっ叩くとか、居眠りしてたら黒板消しが飛んでくるとか(漫画☆)、教え子側に非がある時には、多少の暴力行為も<教育>の内であるとして容認された時代。。。
でも今は宗方コーチをしても、「時々わたしの太ももをいやらしい目で見てるのよ」とか言われちゃうんだろうなあ(^^;)
その上宗方コーチ、ひろみの体に触り放題だし(あれ間違いなくセクハラですって・笑)
ほんと、藤堂たんが嫉妬を覚えるのも無理ないというかww
そんなわけで(どんなわけだか☆)、以下は「こんな宗方コーチはイヤだ!!」という話。。。
(「エースをねらえ!」の映画より。)
お蘭ちゃん:「そろそろ聞かせてもらえる?岡さんを選んだ理由」
宗方コーチ:「岡は新入部員の中でもっとも素直なフォームをし、バネがあった」
お蘭ちゃん:「それだけ?」
宗方コーチ:「いや、岡はどことなくその面影が俺の母に似ていた。
それと、もっとも肝心なのがパンチラだ。何故かはわからんが、岡のパンチラは萌える。
俺は他の女生徒には何も感じないが、岡のパンチラは何かが違っていた。それが俺がテニスプレイヤーとして岡ひろみのことを選んだ、一番の理由だ」(もちろんすべて真顔。)
お蘭ちゃん:「……………」(←遠い目☆)
――お粗末さまでしたm(_ _)m
ではでは、次回は「ひろみ、宗方コーチとデートするの巻」(しかも語りは宗方コーチ・笑)です♪(^^)
それではまた~!!
いつも二人で。-3-
Side:ひろみ
『理由は、宗方コーチだね?そうだろ?』
自分のテニスに専念したいから、という理由によってでは、やはり藤堂さんは納得してくれなかった。
『わかってる。いつか、こんな日が来るような気はしてた……でも、それが自分の気のせいであってほしいと、ずっと願い続けていたんだ。このこと、宗方コーチはもう知ってるの?』
あたしは何度も首を振った。こんな時に泣くだなんて、自分でも卑怯だと思ったから、下を向きながらも、なんとか涙だけは堪えた。
『このメダルは、それでも君に持っていて欲しいって思うけど、そんなのはやっぱり迷惑だろうね。ありがとう。これは僕の青春の記念として、大切にとっておこうと思う。それじゃあ……』
コーヒー二杯分の伝票を手に持ち、藤堂先輩はあたしに背を向けて去っていった。
そして彼が喫茶店を出ていってから――あたしは声を押し殺して、泣きに泣いた。
たぶん、まわりの人からは、あたしが藤堂さんに別れを切りだしたのではなく、あたしのほうが振られたように見えたかもしれない。でも、そんなことはもうどうでも良かった。
西高時代の懐かしい思い出の数々が胸を通り抜けていき、自分が取り返しのつかないことをしたのではないかという気がして、再び胸が苦しくなる。
「あら、やっぱり岡さん!?こんなところでどーしちゃったわけ!?」
某高級デパートのショッピングバッグをいくつも提げながら――あたしの目の前に現れたのは、宝力冴子だった。
「えっと、やっぱりって……」
「今、ここの喫茶店の前を通りかかったら、窓からあなたの姿が見えたから。似てるな~、でもまさかな~なんて思いつつ、来てみたらやっぱりあなただったっていうことよ!」
宝力さんはいつもと同じ、相変わらずな調子で、けらけらと笑っていた。
そして、通路の向こうからやって来たウェイトレスに、カフェオレを注文している。
「コーヒーカップが二客っていうことは、ちょっと前までここに誰かいたってことよね。で、あなたはその誰かに泣かされたってこと?」
「う、うん。たった今、別れたの。藤堂さんと」
あたしがそう言うなり、宝力さんは喫茶店に響き渡るような大声で「ぎっえ~っ!!」と叫んでいた。
「馬っ鹿ねえ、あなた。あんないい男手放すなんて。それともまさか、向こうの浮気が発覚したなんていう話じゃないでしょうね!?」
「違うの。藤堂さんはそんな人じゃないもの。でも、だからこそ、これ以上待たせることは出来ないと思って……」
「ふう~ん。ま、わかんなくもないわよ。なんてったって、ウィンブルドンでベスト8進出ですもんね。色恋よりも今はテニス、かあ。でもいいわよね。あなたにはまだ、あの超格好いいコーチがいるんですもの」
あたしが途端にぎくっ!!と動揺したことを、敏感に感じとったのだろうか。宝力さんは、運ばれてきたカフェオレに口もつけずに、暫くあたしの顔をじっと見つめている。
「もしかして、図星ってわけ?でもあたし、前から思ってはいたわよ。あのコーチの岡さんを見つめる情熱的な眼差し……紫の上が育つのを見守りながら、手をだす源氏の君とでもいったらいいかしら」
「コーチはそんな人じゃないわ。第一、あたしのことはただのテニスの愛弟子としか思ってないはずだし」
「何もわかってないのねえ、岡さん!あなたもあのコーチのことが好きなんでしょう?だったら、何も迷わずにあの広い胸に飛びこんでいったらいいじゃない。コツはたったひとつ、上目遣いに『好き』って伝えること、ただそれだけよ」
「無理よ。あのコーチが相手じゃ、あたしなんて、まだまだねんねの子供と同じだもの」
ここで宝力さんは、初めてカフェオレに口をつけ――それから、チッチッと指を振り、どこか不敵に笑った。
「岡さん、あなたその方面に疎いみたいだから、あたしがいいコツを色々伝授してあげる……さあ、そうと決まったら、早速化粧品売り場へレッツのゴーよ!!」
そのあと、あたしは宝力さんに振り回されるような形で、デパートの化粧品売り場やら、その上の階のブティックやらへ連れ回された。
宝力さん曰く、
「あなた、すっぴんのテニスウェア姿しか、あのコーチに見せたことないんでしょう!?だったら、これはかなり効果あるわよ。ばっちりメイクして、大人びた格好でデートの待ち合わせ場所へ行くのよ。どうやって誘えばいいかって、簡単じゃないのっ!たまには弟子から師匠へご恩返しの食事にご招待とか、適当に言っちゃいなさい。あ、ほーら、あなたやっぱり、化粧が結構映えるタイプよ。この色気であの鬼コーチに迫っちゃえば、あとのことは万事オッケーってとこ!」
あたしは、化粧品売り場のお姉さんにメイクしてもらいながら――本当にそうだろうかと、かなりのところ訝しんでいた。
というか、あまり化粧の濃い女は、コーチはお好きではないだろうという気がする。
でも、宝力さんと話しているのがあんまり楽しくて、つい彼女の話術に乗せられるような形で、ほとんど言うなりになるように、髪飾りからヒールの高い靴に至るまで……色々なものを買って散財してしまった。
「じゃ、もし首尾よくうまくいったら、今度中華でも奢ってよね!」
手を振って別れる間際、宝力さんはそんなことを言っていたっけ。
そして、クリスマス・イヴの日がやって来たというわけなんだけど……あたしは鏡の中の自分を見つめながら、宝力さんの言う<作戦>とやらがうまくいくとは、到底思えない心境になっていた。
(こんなんでコーチ、笑ったりしないかしら)
鏡の前で自分の姿をチェックしながら、何度となく首を捻ってしまう。
(まあ、いいや。それより、早くしないと待ち合わせ時間に遅れちゃうし……)
あたしは部屋の壁時計を見ると、猫のゴエモンに「じゃ、行ってくるね!」と言って、バッグを片手にドタバタと階段を下りていった。
そう、宗方コーチとは映画館の前で待ち合わせをした。宝力さん曰く、イージーな女だと思われないために、十分くらいは遅れていったほうがいいっていうことだったけど――あのコーチを相手に、時間を守らないなんてこと、このあたしに出来るはずがなかった。
>>続く。
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