今回は軽くエロめ☆なので、「エースをねらえ!」の原作やアニメに深い思い入れのある方は、閲覧の際に注意が必要かもしれません(^^;)
あの、一応↑って書いておいたので、本文についてはほんと、自己責任ということでよろしくお願いしますm(_ _)m
わたしの中のエロ度としては、低程度だとは思うんですけど――まあ、念のために15禁くらいにしとく??みたいな、そんな感じの内容でしょうかww
あ、今回の-1-は全然15禁☆にすらする必要ないと思うんですけど、お話全体を通してはとりあえず一応そんくらいにしといたほうがいいのかな、なんて
え~と、わたしも「エースをねらえ!」は原作もアニメも激しくリスペクトしてるひとりなので、出来ればこーゆー話は、なるべく書かないほうがいいかなあ……とは思ってました(^^;)
んでも、例の「ひろみたん☆ヽ(´Д`;)ノハァハァ」な彼(笑)がですね、なんかわたしの脳内で右へ転んだり左に転んだりしながら、相変わらず「ひろみたん、ひろみたん☆」ってうるさいもんだから、「あーもう、わかったよ。書いてやるよ!」みたいな感じで、書くことになったというか。。。
まあ、お話の中にひろみたん人形はでてきませんけども(笑)、宗方コーチとひろみがそういう関係になるっていう設定になってるので、原作&アニメの純粋無垢で汚れのないイメージを大切にされたい方は、お読みにならないほうが懸命かと思わます
たぶんきっともって、お蝶夫人も、「読まないほうが、あなたのおためよ」っておっしゃってるような気がするww
なんにしても、宗方コーチがある意味、ただのセクハラ変態野郎☆なだけかもしれないので(笑)、そこらへんのイメージを壊されたくない方にも、閲覧はお薦めできないっていうことで、よろしくお願いしますm(_ _)m
それではまた~!!
↓エディット・ピアフの「La Vie En Rose(バラ色の人生)」。特に深い意味はないんですけど、タイトルはピアフのこの歌からいただきました(^^;)
La Vie en rose.-1-
――今日も、鬼の特訓がはじまった。
そう、宗方コーチという名の鬼。テニスコートの悪魔。あたしにとっての不倶戴天の敵……それが新任したばかりのテニスコーチに対する、あたしの全印象だった。
「岡、もっとボールをよく見ろ!」
「サイドが甘い!」
「スタートダッシュが遅いぞ!もっと走れ!」
毎日毎日、普段の練習が終わったあとで、あたしだけがこんなふうにコーチから特訓される……それで、まわりのみんなに同情してもらえるかといえばそんなこともなく、<えこひいき>される新入部員として、聞こえよがしの陰口まで叩かれて。
「宗方コーチ、岡さんひとりにかかりきりじゃない」
「絶対ひいきよね。一年生なんてみんな、ろくに声すらかけてもらったことないのに」
「そうよ、そうよ。ひとりだけずるいわよ。不愉快だわ」
……どうしてみんな、わかってくれないんだろう。望みもしないのに選手にされて、それが原因で先輩から睨まれて、同じ一年生にも冷たい視線で見られて。しかも、あたしだけコーチの厳しい特訓を受けなきゃならないのに。あたしひとりだけ……!!
「岡、おまえはバックが弱い!最初からバックの強い者はいないが、おまえのは明らかに練習不足だ。練習で上達する以外にはない!さあ、立て。立って俺の球を受けろ!!」
あたしはベースラインに膝をつき、ハァハァと荒い息をついた。もう立てない。毎日、こんなにバテるまでしごかれたんじゃ、とても堪ったものじゃない。しかも、まわりから聞こえよがしのヒソヒソ声まで上がってて……。
「実力もないのに、選手になったりするからこういう目に合うのよ」
「自業自得ね。どうやってコーチに取り入ったのかは知らないけど」
「ほら、いつも藤堂さんにしてるみたいに、得意の色目でも使ったんじゃないの?」
「へーえ。可愛い顔して、結構やるのね、岡さんて。大人しそうな見かけによらず、大胆というか」
くすくすという笑い声のあと、音羽さんが「じゃあ、そろそろわたしたちは帰りましょうか。特別扱いの方は、特別に最後まで居残ってもらいましょ。ひとりっきりで」と最後に言い、女子部員たちは笑いさざめきながらコートを出ていった。
(どうして、どうしてあたしだけがこんな目に……!!それというのも全部、この鬼コーチのせいだ!!この人があたしのことを選手になんかしたから……!!)
「岡、コートで休むな!そんなことが試合中、許されるとでも思っているのか!?」
「もういやっ!!あたしは試合なんか出たくないんですっ!!試合になんか出たくないっ!!」
あたしがベースライン上にうずくまったまま、体を丸めて泣きはじめると――コーチから鋭いボディ・ショットが飛んできた。
「い、痛いっ!!」
「痛いと思うんだったら、すぐに立って、俺の球を受けろ!!わかったか、岡!?」
「いやあっ!!もう何もかもいやっ!!」
ビシッビシッと何度も背中にボールが当たり、あたしはそれで仕方なく、泣き顔を上げてコーチからの球を受けることにした。
コートの外では、シャワーを浴びて着替え終わった部員たちが、何か楽しそうに話しながら夕陽の中を去っていく――「あーら、岡さん。まだやってたのね」、「ま、せいぜいがんばることよ。せっかくコーチからひいきにされてるんですもの」、「さあさ、あたしたちはお腹もすいたし、ハンバーガーでも食べて帰りましょ」……ああ、あたしもみんなと同じように出来たらどんなにいいか。第一、この鬼コーチがやってくる前までは、あたしだって先輩に目をつけられるでもなく、うまくやってたのに……。
「岡、どこを見ている!?もっと集中して球を返せ!!」
あたしは嫌々ながらも、この鬼の特訓をなるべく早く終わらせるために、コーチの言うとおり一球一球気合いをこめて球を返球し続けた。どうよ、これで文句ないでしょう!?とばかりに……。
「よし、いいだろう。今日はこれで終わりだ。岡、気をつけて帰れよ」
「は、はい。ありがとうございました……」
本当はちっともありがとうなんて思ってないけれど、一応これもスポーツ選手としての礼儀と思って、あくまで儀礼的な意味であたしはそう言った。
よろよろとした足どりで女子の部室まで辿り着き、まずは掃除をしてからシャワーを浴びた。ご丁寧にあたしのロッカーのところには、「今日の掃除当番は岡さんです」という貼り紙までしてある……あはは。ある意味、意地悪というよりは本当に親切だ。もしこの貼り紙がなかったら、あたしは鬼コーチの特訓で疲れきるあまり、自分が掃除当番だなんていうことも忘れて、さっさと帰ってしまったに違いない。
「今日はマキ、家の用事で早く帰っちゃったんだよね。つきあってあげられなくてごめんって言われたけど……あたし、先輩たちに睨まれてるのにさ、マキひとりだけは味方になってくれて、本当にありがたいって思うんだ。じゃなきゃとっくにやめてるもの、テニス部なんて……」
あたしはロッカールームの床を掃いたり、机や椅子の上を雑巾で拭いたりしながら、知らず知らずのうちに鼻歌を歌っていた。
もちろんすごく疲れてるし、さっさとこんな掃除なんか終わらせて、シャワー浴びて帰りたい。でも、何ごとも面倒くさがってちゃ人生つまらないもんね。それに、あの鬼コーチから解放されたことを思えば、こんな掃除くらいへっちゃら……。
そう思いながらも、あたしが掃除当番だということで、わざと散らかしてある部室を見ると、自然と涙が溢れてきた。
こんな毎日、一体いつまで続くんだろう。一体いつまで……。
(そうだわ。次の試合で負ければ、きっとコーチもあたしに愛想をつかして諦めるに違いない。そしたら音羽さんがまた選手になって、コーチはきっとあたしのことなんか見向きもしなくなる。次の試合でみっともなく負けさえすれば……)
でも、そんなふうに思うのも、なんだか寂しいような気がした。こんなに一生懸命がんばって、何を言われても歯を食いしばって、あの鬼の特訓にも耐え続けてきたっていうのに……。
「さーて。なんにしても掃除はこれにて完了!!明日、先輩たちに何か言われないためにも、特別ピッカピカにしちゃったもんね。これで誰も文句ひとつ言わないに違いない。うんうん」
さーて、これでやっと帰れる、という喜びから、♪ランランラララ~と再び鼻歌を歌いながら、あたしは部室のシャワールームで、シャワーを浴びた。
もちろん家に帰ってからお風呂に入ってもいいのだけれど、流石に汗でヌラヌラギトギトしすぎてて、気持ちが悪い。軽くサッとシャワーを浴びてから、家でゆっくりお風呂につかろう。今日は入浴剤、何にしようかな……。
なんていうことをあたしが考えていた時、突然ガチャリとドアの開く音がした。もうあたりは真っ暗だし、こんな遅い時間まで練習してる部は、そうないはずだった。
もしかして誰か、あたしに嫌がらせするために引き返してきたんだろうか……。
あたしがそんなふうに思って不安になり、急いで体を拭こうと、バスタオルに手を伸ばした瞬間のことだった。
カツカツという足音がこっちに近づいてきて、突然シャッとシャワーカーテンが開かれる。
「きゃああっ!!」
あたしはかろうじてバスタオルを手にしていたので、それで大事なところは隠れているはずだった。けれど、あたしの悲鳴にも動じることなく、宗方コーチはあたしのほうをただじっと眺めるだけだった。
「なんだ、おまえか。近ごろ、このあたりを変質者がうろついているっていう噂があってな。各部の顧問やコーチは、帰る前になるべく見回りをするように言われてるんだ」
「そ、そうなんですか……」
(っていうか、コーチこそ早くここから出てって!!)
あたしは顔を真っ赤にしながらそんなことを思い、宗方コーチがこの場から去っていくのをただじっと待っていた。
だってそれが当たり前というか、自然なことだし、あたしはもし自分がバスタオルを手にするのがあと一瞬遅れていたらと想像して――ますます体温がカアッと上がっていくのを感じていた。
「岡、背中を見せろ」
(えっ!?せ、背中って……)
あたしは何を言われているのかわからず、ただその場に立ち尽くしていた。あたしはバスタオルでかろうじて前を押さえているだけであって、背中なんて見せた日には、お尻が丸見えなわけで……。
「あ、あの、コーチ……」
「いいから、俺の言ったとおりにしろ」
宗方コーチが靴を履いたままの格好で、シャワールームの中に入りこんでくる。
それからぐいっと無理に後ろ向きにさせられて、あたしは焦った。やめてほしいと思うけれど、そう言うだけの勇気がない。
思えばあたしは最初から、宗方コーチが怖くて、言い逆らうということがどうしても出来なくて――それでずるずるここまでやって来てしまったような気がする。
もしかしたら、もっと強く自己主張して、自分が思ってることを意思表示したらよかったかもしれないのに……。
「やはり、痣になっているな。だが、この程度なら二~三日で消えて、痕にはならんだろう。岡、壁に手をつけ」
「……………っ!!」
(そんなこと出来ません)と、何故言えないんだろうと自分でも思った。
うまく説明出来ないけれど、とにかく宗方コーチの言葉には、強い強制力がある。仮に向こうが間違っているようなことでも、とりあえずは従ってしまいそうになるような……でもあたしは当然、コーチの言ったとおりにはしなかった。だって、そんなことをしたらバスタオルが床に落ちてしまうし、そんな恥かしいところを見られるだなんて、絶対に嫌だった。
あたしがコーチの命令に従わないまま、ただぎゅっと目を瞑ってコーチがこの場からいなくなってくれることを願っていると――強制的に無理やり、壁に手をつかされた。
腰にコーチの力強い手がまわり、突然背中をなめられる。
「い、いや……っ!!や、やめてくださ……」
宗方コーチが何をしているのか、あたしにはさっぱりわからなかった。それでもやがて、痣の出来ている部分にコーチが舌を這わせているらしいことはわかったけれど――その間、あたしは抵抗も出来ず、ただ体を震わせながら、コーチの言うなりになっていた。
「じゃあ、今度こそ本当に、気をつけて家へ帰れ」
コーチがあたしの体から離れ、来た時と同じようにカツカツという乾いた足音をさせながら、部室から出ていく……あたしはガチャッというドアの閉まる音がするのと同時に、力なくその場に座りこんでいた。
(い、今のは一体なに……!?)
ただ、背中の痣が出来た部分をなめられただけと言われれば、そうかもしれない。でも、裸まで見られて、こんな、こんな……。
「うっ………」
あたしはシャワールームでひとしきり泣くと、やがてこんなことをしていても仕様がないと思い、体を拭き、着替えてから、とぼとぼ家まで帰った。
(こんなのって、あんまりだ)
あたしの心の中にあったのは、宗方コーチに対する恨みがましい気持ち、ただそれだけだった。
みんな、あたしが宗方コーチに取り入って、色目を使って選手にしてもらったんだと言ってることは知っている。でも、そんなことは全然なくって、あたしは選手になりたくもないのに無理やりそうさせられたんだって、そう思えることがたぶん、これまであたしの良心を支えてきたのだと思う。それなのに……。
「あんなことされたら、みんなの言ってることがほんとになっちゃう。ねえ、ゴエモン。第一あんなのセクハラよね?人の裸ただで見ちゃって、しかもあんなことまでして、ほんと最低よ、あの鬼コーチ」
数学の宿題をやらなくちゃっていうことは、頭の中ではわかってるつもり。でも、宗方コーチのことを思うと、心がかき乱されるあまり、そんな気持ちにはまるでなれなかった。
(今ならきっと、テニス部をやめられる。「やめる理由はなんだ?」って、あの凄みのある声で聞かれても、「それはコーチ自身の心に聞いてください」とでも、毅然とした態度で言えばいいんだわ。でもあたし、わかってる……どうしてかわからないけど、宗方コーチの前にでると、言いたいことの半分も言えなくなって、あの大きな声で怒鳴られると、足が竦んじゃうっていうか……それに、あの眼。コーチの眼も怖い。あの眼で見つめられると、自分が正しい時でも体が震えてきちゃうし……)
あたしはお風呂に入った時、ごしごしタオルでこすった背中を、なんとなく振り返った。自分の背中が、人から見てどう見えるのかなんて、これまで気にしたことはなかったけれど、バスルームの鏡で見たら、確かにボールの痕がいくつか、痣になっていた。
(まさかとは思うけど、あの鬼も流石に「やりすぎた」とでも思ったのかしら?そしたらやっぱり痣になってたから、悪いことしたなと思って、それであんなことを……)
「あーっもう、やめやめ!!それよりもオイラは、数学の宿題するど!!」
あたしはベッドの上で両手を上げ、ポカポカと自分の頭を叩いた。火照った顔を冷ますように、右手で顔を仰ぐ。そしたら、もう片方の手を何故か、ゴエモンがぺろりとなめてきた。
「うふふっ。ありがと、ゴエモン。そうだよね。あんなの、にゃんこかわんこに背中をなめられたんだと思えばいいのよね。そうよ、そうよ。それでいったら宗方コーチはドーベルマンとかマスチフとか、そういう系のケモノよね。うーっ、わんわん!!(▽・w・▽)」
ゴエモンはあたしが犬の真似をして凄んでも、「ニャオン?(・(ェ)・)」と、理解できない動物でも見るかのように、こちらを眺めている。
「よーし!!宗方仁め、覚えておけ。このひろみちゃんの裸を見た代償は高くつくということを!!さあ、宿題なんぞチャチャッと片付けて、今夜はもう何も思い煩うことなく寝るぞ、おうっ!!」
それでもあたしは――面倒くさい数学の問題をいくつか解いて眠りについたあとも、やっぱり宗方コーチのことを考えていた。明日会ったら、一体どんな顔したらいいんだろうとか、今退部届けを書いて渡したら、流石の鬼コーチも何も言わないに違いないとか、そんな色んなこと……そして、コーチに舌で触られた背中が何故か熱いと感じながら、あたしは目を閉じていた。
>>続く。。。
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