Megaloxari Panagia tis Tinou
8月15日は聖母マリアが亡くなった日で、ギリシャ正教では特に重要な祈りの日です。
もう30年ほど前の8月15日、私はピレウス港からミコノス島へ向かうフェリーに乗っていました。途中いくつかの島に立ち寄るのですが、ある島の港に入港した時、とても不思議な光景が繰り広げられていました。
港から続くながい坂道の上に真っ白なケーキのような大きな教会が見えていました。それはギリシャのどこにでもある景色です。ただ、違っていたのは港から延々と続いている人々の列、それは遠くから見ると人間でできたカーペットがゆっくり動いているようでした。しかも多くの人たちが四つん這いになり、手と膝を使って長い坂道を登っているのでした。坂のうえにある聖母教会へ向かう巡礼たちです。
数年後、再び8月15日にこの島ΤΗΝΟΣティノス島を訪れるチャンスがあり、間近で巡礼たちに会うことができました。
その時は確か自動車は通行止めになっていたと思ったのですが、上の動画(2008年)ではすぐ横を車が走っていて、怖いですね~。
アテネよりは涼しい島とはいえ8月の日中の炎天下。大変な苦行をしているのは以外にも若い人が多くいました。老人には体力的に無理なのかもしれません。
ひざまずいて聖母マリア教会へ参る人たちは、家族の病気の平癒など、それぞれが願い事を持っているようです。膝で歩いている人の隣には家族や友人が付き添っていて、水を飲ませたり、言葉をかけて励ましたりしています。
その頃(今も)若い女性の間でおへそが見えるような浅いジーンズがとても流行していたので、かがむとお尻の割れ目が見えそうになっている人が何人もいたのもご愛嬌でしょうか?
お化粧もすごく濃くて、セクシーなファッションの彼女たちが、ちょっと登っては休んで、「よいしょ」と恥ずかしそうにジーンズを引き上げる様子が可愛らしかったのをよく覚えています。普段チェーンスモーカーの女性もこの坂道で休んで煙草を吸ったりはしません。
”乙女たちの女王”と呼ばれるマリア様もきっと笑って許してくれるでしょう。
やっと教会にたどり着いても、中に入れるまで長く待つ事になりますが、誰も不平を言う人はありません。有名なイコン Panagia Evangelistriaに口づけして、地下にある神聖で病気を癒すとされる泉から水を汲ませてもらった後は、達成感からでしょうか穏やかな表情の巡礼たちが教会の大理石中庭の木陰で休息を取っていました。小さなボトルに詰めた水は巡礼に来られなかった家族や友人の為に持ち帰って飲ませます。聖母マリアのご加護がありますようにと。
昨日も暑い坂道をたくさんの巡礼たちが登っていったことでしょう。聖母マリアの為に、そして愛する人たちの為に・・
聖母マリアの墓も、オーソドックスとカトリックの争点だと聞いたのですけど?
ところで、もう、そろそろ、ご出発でしょうか、
行ってらっしゃいませ。
ブログはお休みですか?
家族の都合でちょっと出発が遅れています。
ところでkyotakabaさんのブログ
ΣΥΝΟΙΚΙΑ ΤΟ ΟΝΕΙΡΟ にコメントしようとしましたが、できませんでした。
認証が複雑になったからかしら?
ここに書いてみます。
ΣΥΝΟΙΚΙΑ ΤΟ ΟΝΕΙΡΟ は
http://www.youtube.com/watch?v=FYo-S0GmPNAで全編観られますよ。
主題曲はテオドラキスの名作で私の好きな曲です。
ΒΡΕΧΕΙ ΣΤΙ ΦΤΩΧΟΓΕΙΤΟΝΙΑ
「貧しき街に雨が降る」
http://www.youtube.com/watch?v=b25qGsEEMjA
この映像の一番最後にちらりと客席で唄っているテオドラキス本人が映っています。
ありがとうございます!
映画全編なんですね。
主題歌もいいです。
スパムコメントが繰り返されるので、認証コードを10桁にしてしまいました。
もう、認証コードを設定してもしなくても同じなのかもしれませんけれど、、
頂きたいコメントを拒むのでは意味がないですし。
ティノス巡礼をすすめられたのですが、パリで盗難に遭い、足止めをくって果たせませんでした。カイラス山でのチベット仏教徒のようなこんな膝行があるとは!日本の正教会は旧暦で祝いますが、ギリシャは新暦でのお祝いなんですね。
1昨年前くらいまではこのgooブログもスパムコメントがあったのですけれど、最近はめったにありません。4桁で大丈夫みたいですよ。
たまに全く無関係なトラックパッドがくることがあるので、そちらは個別承認制にしています。
この映画は昔のギリシャの面影が色濃くて、見ていて涙がでそう
それは残念でしたね。
でも8月15日は毎年来るので、これからまたいらっしゃる機会があるかもしれませんよ。
レスボス島のペトラという村でも8月15日には、巨岩の上に建てられた聖母教会へ続く470段(だぶん?)自然石の階段を膝で登る人がたくさんいます。
そのあと、岩の下の中世の教会の庭で牛を1頭丸ごと調理(一晩かけて)して巡礼たちにふるまいます。
その牛は前日花々で飾りたてられ、村の中を練り歩きます、14日深夜に首を落とし血を大地に注ぐのですよ。これはキリスト教が伝来する以前(ギリシャがまだ多神教だった頃)からあった儀式ではないかと思います。