報道写真家から(2)

中司達也のブログ 『 報道写真家から 』 の続編です

シリア情勢 : 反政府勢力に開放された人質、「化学兵器攻撃はアサドではない」

2013年09月11日 13時57分04秒 | シリア


9月8日、シリアの反政府勢力は、4月に誘拐した人質二人を解放した。
イタリア人ジャーナリストのPierre Piccinin とベルギー人教師のDomenico Quirico の二人だ。

この人質解放のニュースはそれほど注目されなかった。
人質解放はめでたいがそれだけだ。
シリアでは毎日どこかで市民の命が奪われている。

国に帰った二人は、地元のメディアに監禁生活でのある体験を語った。
しかし、彼ら二人の発言を世界の主要メディアは、明らかに意図して黙殺した。
彼らは元人質というよりも、第一級の証言者だったからだ。

反駁不能の証言

化学攻撃は、シリアの反政府勢力による挑発だ、と元人質は語る

シリアで誘拐され、数ヶ月間人質となっていた二人のヨーロッパ人は、反政府勢力が化学攻撃の背後にいることを証明する会話を聞いたと述べている。

ヨーロッパの報道機関との多くのインタビューで、元人質のベルギー人Pierre Piccininとイタリア人ジャーナリストDomenico Quiricoは、8月21日にダマスカス郊外で市民に対して化学兵器を使用したのは政府ではなく、反政府勢力であることをうかがわせる、スカイプによる誘拐犯と他の男との英語の会話を耳にしたと語った。

「このことは同義的義務から発言します。バシャール・アル・アサド政権はダマスカス郊外でサリンガス、または別のタイプのガスも使用していません」とPiccininはベルギーのRTLとのインタビューで語った。

Piccininと同じく捕らわれの身となったQuiricoは、外界から隔絶された場所に監禁されていたため、当時化学兵器が使用されたことは知らなかったと強調した。しかし、反政府勢力が西側の侵略を促す戦略的布石として、その兵器を使ったとほのめかしているのを二人は聞いた。

「ダマスカスの二つの地区での化学攻撃は、西側の軍事侵攻を促すために反政府勢力が引き起こしたと、奴らはその会話の中で語っていた」とQuiricoはイタリアのLa Stampa紙に語った。「われわれはシリアでの監禁期間中に発生した出来事は何も知らないので、当然、ダマスカスでの化学攻撃のことも知らなかった」

イタリア人記者は、それが開始されると反政府勢力が事件の死亡者数を誇張しているように感じて、「その(スカイプでの)会話が事実に基づいているかどうか」を確信することができなかったという。しかし、会話の相手と思われる三人のうちの一人は自由シリア軍の将軍であることが分かったと彼は語った。

「このような人々(反政府勢力)を西側が支援するのは、常軌を逸した自殺行為」のようなものだと、その体験に基づいてPiccininはRTLに語った。

「このような発言をするのはわたしにとって苦痛をともないます。なぜならわたしは、2012年以来、民主化のための正当な戦いを担う自由シリア軍の熱烈なサポーターだったからです」とPiccininは付け加えた。

QuiricoもまたPiccininの見解に同意しているようだ。

「アメリカが(シリアへの軍事)介入を模索していることに、わたしは本当に驚いている。シリア革命が国際的ジハディズムに乗っ取られたことは歴然としている。言葉を換えれば、アルカイーダだ」とQuiricoは語ったと、イタリアのQuotidiano Nazionale紙は伝えている。

Two Europeans who were abducted and held hostage for several months in Syria claim they overheard an exchange between their captors which proves that rebels were behind the recent chemical attack.

In a number of interviews to European news outlets, the former hostages - Belgian teacher Pierre Piccinin and Italian journalist Domenico Quiric - said they overheard an English-language Skype conversation between their captors and other men which suggested it was rebel forces, not the government, that used chemical weapons on Syria's civilian population in an August 21 attack near Damascus.

"It is a moral duty to say this. The government of Bashar al-Assad did not use sarin gas or other types of gas in the outskirts of Damascus," Piccinin said during an interview with Belgium's RTL radio station.

Piccinin stressed that while being held captive, he and fellow prisoner Quirico were secluded from the outside world and had no idea that chemical weapons were deployed. But the conversation which both men overheard suggested that the use of the weapons was a strategic move by the opposition, aimed at getting the West to intervene.

"In this conversation, they said that the gas attack on two neighborhoods of Damascus was launched by the rebels as a provocation to lead the West to intervene militarily," Quirico told Italy's La Stampa. "We were unaware of everything that was going on during our detention in Syria, and therefore also with the gas attack in Damascus."  

While stating that the rebels most likely exaggerated the accident's death toll, the Italian journalist stressed that he could not vouch whether "the conversation was based on real facts." However, he said that one of the three people in the alleged conversation identified himself as a Free Syrian Army general, La Stampa reported.

Based on what both men have learned, Peccinin told RTL that it would be "insane and suicidal for the West to support these people."

"It pains me to say it because I've been a fierce supporter of the Free Syrian Army in its rightful fight for democracy since 2012," Piccinin added.

Quirico seems to agree with Peccini's assessment.

"I am extremely surprised that the United States could think about intervening, knowing very well how the Syrian revolution has become international jihadism -- in other words Al-Qaeda," Quirico said, as quoted by Italy's Quotidiano Nazionale.
2013.09.10  Chemical attack was Syria rebel provocation, former hostages say
http://rt.com/news/chemical-weapons-rebels-captives-632/



オバマ大統領のシリア爆撃を全面的に支援してきたCNNやBBCなどの主要メディアが、二人の証言を黙殺しているのも当然だ。これはどこからどう見ても反駁不能の第一級の証言だ。

反政府勢力による五ヶ月間の監禁から開放されたばかりの二人は、第三者が証言を強要したり、買収したりする精神的・時間的余裕を持っていない。彼らの証言は真実は反映していると判断して差し支えない。

現在、彼らの証言を報じているメディアは極めて少数だが、オバマの爆撃を支援する世界の主要メディアはこの証言を黙殺することで、かえってその信憑性を高めている。



資料編
自由シリア軍に開放された人質の証言
反政府勢力の化学兵器
欧米が化学兵器の原料を供給
欧米が化学攻撃をセットアップ
決定的な証拠を提示できない米政府
化学攻撃の映像は捏造
http://blog.goo.ne.jp/leonlobo2/e/42191fbcf847a45a85e0f8573433dc68




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