これは自宅に居ながらにして撮った野生のコゲラ（キツツキ科）だ。
たまたま庭にやってきたのではなく、庭に棲んでいた野鳥だ。
コゲラは毎年新しい巣を掘って一年ほど棲むらしいが、
このコゲラは今年の春に巣を掘ってから半年ばかり棲んでいた。
半年しか棲まなかったのは、巣を作った枝が朽ちすぎていたからだ。
コゲラがいなくなって二週間ほどで、この枝は根元から折れた。
今年の大荒れの天候でダメージを受けたのかも知れない。
コゲラは枝が近々落下することをきちんと察知していたのだろう。
体長はスズメくらいで、日本で一番小さなキツツキになる。
コゲラの日常はとても規則正しかった。
巣が黄金色に染まる頃には必ず帰ってきた。
帰ってきてもすぐには巣穴に入らず、
忙しく周りの状況を確認して、
安全と判断してから入った。
入ると巣穴から顔を出して道行く眼下の人間をのんびり眺めてすごした。
辺りが暗くなるとようやく顔をひっこめた。
