報道写真家から(2)

中司達也のブログ 『 報道写真家から 』 の続編です

タイ情勢 : バンコク封鎖(九日目) 非常事態宣言

2014年01月22日 13時19分52秒 | タイ

 

 

21日、インラック政権は非常事態宣言を決定した。
22日から60日間発令される。
政治集会が禁止され、逮捕状なしでの逮捕も可能になる。
市民の権利は大幅に制限される。

政治集会が禁止されるといっても、主要七ヶ所の封鎖拠点を解除することはまず無理だ。
夕方になると仕事を終えた人々が封鎖拠点に集まり、拠点の人口は一気に膨れ上がる。
おそらく合わせて10万人というところだろう。
週末になると数十万人規模になる。
警察力だけでこれだけの規模の集会を解散させるのは到底不可能だ。
非常事態宣言は都民の足を何とか封鎖拠点から遠ざけたいという一縷の望みにすぎない。
おそらくその願いはかなわないだろう。

軍が非常事態宣言に協力する見込みはほぼない。
政権の無力を示すだけに終わるだろう。

インラック政権のでたらめな政策は、絶対的支持基盤だった地方農家でさえ愛想を尽かし始めている。
金さえばら撒けば農家は言いなりだと侮っていたようだが、金の切れ目が縁の切れ目というしかない。
見境のないポピュリズムは財政を逼迫させ、自身の首を絞めあげている。
行き着く先は見えている。

ただし、タクシンとその一派の悪あがきはまだ当分は続くだろう。
タクシンの出身母体である警察はいまや逮捕状なしで誰でも拘束できる。
追い詰められ、風前の灯のタクシン一派は何をするか分からない恐ろしさがある。
彼らの武装部隊は、遠距離を攻撃できる武器も保持している。

この戦いはタイ国内の個別問題ではない。
世界はなぜか安定から対立へと大きく流れている。
平和で安定した社会には必ず混乱と対立が持ち込まれている。
イラクやリビア、シリアは極めて安定した平和な国家を築いていた。
イラクやリビアは欧米並みの高教育、高医療を誇っていた。
21世紀にあって安定と平和は悪なのだ。
タイ王国も極めて安定した平和な社会だった。
しかし、タクシンがタイの政治に登場して以降、この国の安定と平和は脅かされている。
タクシンはいったい誰の利益を代表しているのか。


ひとまず今回の滞在を終え、帰国することに。
すぐまた来ることになるかも知れない。








タイ情勢 : ステープPDRC事務局長
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