legno-Diario-自閉症児は不思議生命体-

~自閉症のすーさん(小学1年生)といい婆さんのなんでもかんでも~

「メリーさんの羊」はかわいそうな羊だった

2004-09-01 12:59:39 | すーさん
 それは、孫娘への曾爺さんからプレゼントの「音の出る楽しいおけいこ絵本」で確認したことだった。

 まずは皆様もどうぞご一緒に歌ってみて下さいまし。

1:メリーさんの羊、メエメエ羊、メリーさんの羊、真っ白ね~♪

2:どこでもついていく、メエメエついていく、どこでもついていく、かわいいわね~♪

3:ある時学校へ、学校へ学校へ、ある時学校へ、ついてきた~♪

4:生徒が笑った、アハハ、アハハ、生徒が笑った、それを見て~♪

5:先生がカンカンに、おこって、おこって、先生がおこって、追い出した~♪

6:メリーさんは困って、困って、困って、メリーさんはしくしく、泣き出した~♪

 なんて悲しい歌なんだ(涙)どうしてメリーさんの羊は学校から追い出され、メリーさんを泣かすんだよ~~!!
この歌を可愛らしく歌えと言うのか!!

 婆さんはこの歌の歌詞を6番まで知ったのはもう、2年以上も前だった。
 でも、爺さんにはその歌詞を伝え確認してもらったが、信じられないでいたのだ。

 でも、このたび2つ目の証拠品が出土したため、受け入れざるおえなくなり、発表することにした。

 この絵本は、右側のスイッチで「うた」と「カラオケ」に切り替えることができる。婆さんは、いつも片付ける時にスイッチを「うた」にしてあるかどうかをチェックしている。

 なぜなら、「うた」にしておくと1番だけを綺麗な声の女性が歌ってくれたら終わりになるからだ。 せめて、2番までなら我慢もできるのだが・・・・。

 ちなみに「カラオケ」にしておくと6番分フルコーラスの演奏となるのである

 一昨日の夜、恐れていたことが起こった。歌を全部覚えてしまった孫娘がスイッチを「カラオケ」に切り替えてしまったのだ。それも婆さんが少々長めにトイレに入室している時だった。

 トントントン・・孫娘が廊下を小走りしている音だと思った瞬間、

「ドバッ」とトイレのドアを開けられた。
 両手でしっかり例の絵本のメリーさんの羊のページを開いて立っている。

 今度は「ドサッ」と絵本を婆さんの中途半端にクシャクシャになっている太もものGパンの上に置き、メリーさんの羊のボタンをためらいもなく押した。

 「に・逃げられない」 なんと流れてきたのはカラオケだったので、婆さんは血の気が引いた。

 追い討ちをかけるように孫娘はカラオケに合わせ♪を人差し指でなぞっていく。まるで出だしが遅れている婆さんを責めるように・・・。

 やっと観念した婆さんが歌い出したのがちょうど恐怖の3番からだった。(この時どんな顔をして歌っていたのであろうか?)

 メリーさんの羊のカラオケが終わると孫娘は「任務終了」と言わんばかりに、無言のままトイレットペーパーを適量引き出し、婆さんに手渡してトイレを後にして行ってしまった。

 婆さんはしばし呆然としていた。

 そして、最後に残ったのは「用足し後の爽快感がなかったこと」への無念さだったのである。

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