電影フリークス ~映画のブログ~

電影とは、映画のこと。その映画を一緒に楽しみましょう。

黒名単

2009-10-27 23:41:40 | その他・研究

今日は私個人の密かな楽しみ方を紹介します。まずは過去に書いた記事を書き直したり加筆したりして、もう一度記事をチェックします。とりあえず2005年に封印した記事を書き直してみることにしました。
こんな感じでいっぱい書き貯めたらPDFにして永久保存とか、いろんなブログを集めてプリントアウトしていつでも読めるようにする。こんな活用法もありますね。(携帯でもPDFが読めますがさすがに画面が小さくて不便なのでこれはやめました。。)
家で紙を出すのが面倒ならコンビニでPDFをプリントなんて事も可能です。高級なゼロックスのコピー機で焼くので仕上がりも良くて超便利!カラーだとお金もかかるので白黒でA4サイズ1枚に2ページ印刷すれば安上がり。実践するとこれが結構楽しい。コンビニでPDFを印刷出来るなんて便利な世の中になりましたねぇ~。

さて、開發公司研究ですが創業間もない71年作品では『火戀』という映画があったようです。恐らくこれが最初であるとは思うのだが尻尾は掴めないまま。陳観泰も出演している模様でありこれが見つかるかどうか分かりませんがビデオ映像を探してみようと思っています。製作は第一公司(ファーストフィルム)との合作のようなのですが、第一単独の資料もあったりして製作に関しては結構あやふやな感じ。。

ここでまたまた書道の時間です。



あまり上手ではありませんが、10回以上書き直しました。黒と単は旧字にしてみたので画数は多くなっちゃいますが忠実に書いてみました。横書き右からは意外と難しく何度も失敗してました。(毛筆なんて全く書きませんのでね・・。)
毎回書けるか分かりませんがせっかくなので出来るだけチャレンジしてみたいと思います(笑。

そして今回の『黒名單』についてのメモを・・・。

秋田書店刊ドラゴン大全科には、「ブラックリスト」のタイトルで紹介されていたので陳星の出演作としては比較的知られているようだ。ところでブラックじゃなくデスノートって香港では死亡筆記と書くそうだがこれだと書いたら即死んでしまうのでちょっと違ってしまうなぁ。殺しのリストに従って一人ずつ復讐する・・・これなら「キル・ビル」を連想してしまう。(もしかしてタラ監督『黒名単』も見てたのかな?パート3は2014年製作だとか!?)

そうそう英語のNinja Heatって何だよって思っていたのですが無茶苦茶に思えるタイトルも漢字にしてみると…、『忍者大追殺』になるようだ。
これなら面白そうな名前にはなるのかな。(忍者はいないけど・・)
余談ではあるが、1993年のアメリカ映画"Surf Ninja"も中文にすれば『忍者大追殺』となる。この映画は私の好きな三節棍アクションもありなかなか楽しめる作品。(DVD題は「鉄の顔を持つ男」)これが何か関係していたりしてね。

そもそも私が知りたかったのは袁和平が『蕩寇灘』の次にどの作品に関わったのかという事でした。これは全く不明でした。(どなたかに教えていただけると有り難いのですが…)
監督とプロデューサーの方はかなり早くから動いていたようで当初はアラン・タン、オー・ジョンホン主演と完成時とはまったく異なるキャスティングだったようです。(美人女優の胡燕女尼も出演予定でしたが最終的には変更されてしまいました)

☆開發公司オープニング☆(トリミング惜しい)


本編ではコンドルは飛んで行く(サイモン&ガーファンクルのカヴァー曲なんてありましたね~。名曲っす!)のテーマに乗って物語は進行する。現代劇だ。
 陳星&于洋

刑務所から出所した趙英龍(陳星)は殺人の罪で6年間入獄していたがこれは陥れられたものだった。兄の出所を出迎えた弟英虎(于洋)は一枚の紙切れを渡す。紙に書かれた4人の名前は趙兄弟を陥れた人物で英龍のかつての仲間たちだった。

 Black List

英虎から次々と衝撃の事実を知らされる。母親が殺され、婚約者・莊憶美(李司祺)も既に關冬(方野)の家に嫁いでおり幼い子供(向展偉)もいた。2人は母親の墓前で復讐を誓いブラック・リスト4人の捜索を開始するのだった。
まずはバーへ向かいそのオーナーが1人目の蕭天(山怪)と分かるとこれを始末した。蕭天はフィアンセとの結婚前日だった。
ホテルで情婦と密会していた2人目の馬雲(解元)もすぐに見つけ出しこれを殺害した。憶美は子供を連れて英龍の家に訪ねて来た。彼女が連れて来た子は英龍の実の息子だったのだ。憶美は復讐をやめるよう説得するが聞き入れてはくれない。
ナイトクラブを経営する3人目の韓大魁(陳恵敏)は英龍をワナにかけ捕らえるが止めを刺すことは出来ず、逃げられてしまう。ふたたび顔を合わせた二人は対決するが激闘の末、英龍は敵の息の根を止めた。

最後に残った關冬(方野)が4人目。母親殺しの張本人で罪を着せられ長期に渡り入獄させられた恨みを晴らす為、自宅に向かった。英龍は復讐することが出来るのか…。


いままで陳星の人気については今一つ分からなかったのですが資料を読んで何となく分かりました。
大成功を収めた『蕩寇灘』公開後から急上昇して各映画会社から出演依頼のオファーがかかるのです。嘉禾からも5本契約なんて話もあったのにこれを蹴り(これはある意味正解だったかも知れない)、「危うしタイガー」に出た後、タイへ3カ月行って撮った2本(『唐人客』『大地雙英』)に出演する。それから今回記事の『黒名単』と倉田初対決を見せた富國影業の残り『餓虎狂龍』に出て、その後慌ただしく台湾へ行きファーストフィルムと2年契約を結ぶのだ。こんなにも忙しいスケジュールになっていたのは人気者だった証拠だ。当時は呉思遠とのツーショットの写真も新聞に掲載されたりしてこれはかなり異例の事だ!
台湾時代以降も数多くの作品に出演し、嘉禾では黄楓とも出会い「密宗聖手」に始まり、「ダブルクロッサー(鬼計雙雄)」、「必殺!少林寺武芸帳」「少林寺怒りの鉄拳」など立て続けに一流の功夫片に出演。これも大成功。年を経る毎に味のある俳優へと年々成長していったのである。もちろん陳星をスターに押し上げたのは呉思遠であり、これは彼の功績の一つと思う。

開發の専属監督でもあった羅馬はこの映画で敵を一人一人順番にやっつけ、次の敵の番になればガラっと場面を変える手法を用いた。敵をじっくり料理しようというのである。仲間だった人間はそう簡単には殺させないという訳だ。合間合間に監獄にいた陳星の様子を見せながらその心理を描写したりしている。なかなかやるじゃないか、羅馬。女優さんのヌードの見せ方なんかもとてもきれいに見せていて、これならばあまり不必要さ嫌悪さを感じずにもいられるものだ。多少のタイミングの悪さはあったとしてもそれは許せる範囲。呉思遠より女優さんの表現は巧いようだ。些細ではあるが違いを感じてしまう。つまりこの映画には余裕というものがあるのだ。これだけでも全体のバランス感は良くなる。機関銃のような富國作品との違いに少々驚かされてしまったというのが正直な感想である。現代劇の多い開發だが、この会社や羅馬の持つ性質、風味なのかも知れない。

長くなってしまうが出演者についても少々。
英虎の恋人役泰莉には施明。開發との契約で何本かに出演した。ナイトクラブで陳星を騙そうと企む何司理役には伊雷。この時期は初期の協利作品などに出演することが多かった。
大物スターでは陳恵敏が出演。(ゲスト出演の彼については宿題事項とする)
今回はよかった!孫嵐がいなかったね(笑。また、ブルース・リャンも出演している。まだここではスタントマンの一人に過ぎないが珍しく開發公司作品にも参加していたのだ。(叔父の梁少松やリャンロンの人脈と思われる)
陳星の背後にいるリャン

ところで確かに陳星はマンダムがお似合いか。いや似合っている。整髪料の匂いがプンプンしてきそうだが、香港のチャールズ・ブロンソンと言われただけのことはある(これは日本での異名。)当時の香港では『餓虎狂龍』が公開された頃から“東方査理士布朗臣”(つまり東洋のチャールズ・ブロンソン)と呼ばれていたが、彼はなぜそう呼ばれるようになったのだろう。主演第一作『蕩寇灘』から『餓虎狂龍』までにその象徴的な作品があったのではないだろうか。
陳星はブロンソンのように筋肉隆々の鋼鉄のような体を持つ“タフガイ”だ。『蕩寇灘』公開後、香港でブレイクした陳星を観客は一刻も早く見たかったことだろう。正に彼のイメージをそのまま映画にした作品があった。もちろんこれは「危うしタイガー」(原題:硬漢)のことである。陳星は鍛え上げられた肉体と怪力を十分に観客に見せつけたのだ。

タフガイ陳星の70年代を振り返るなんてテーマは案外面白いかも知れない。『蕩寇灘』から少し延ばして80年代の『悪漢探偵』ぐらいまでがいいだろうか。今後も陳星作品を是非取りあげて行きたいと思います。終


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする