白河夜舟

水盤に沈む光る音の銀砂

酔言

2006-05-18 | 日常、思うこと
朝起きて
排泄し
爆発した髪を水やグリースでなでつけ
腫れぼったい目をこすりながら
飯を食い
洗顔し
着替え
どうにかこうにか
世の中に出てもはずかしくないとされる身だしなみをして
会社に行き
パソコンをつけ
形式的な挨拶をして
出勤操作をし
メールをチェックして
書類に目を通し
起案・決裁・収受をし
会議をして
所用のため外出し
打合せのため外出し
昼飯を食い
以下上記10行を繰り返し
電話応対し取次ぎをして
書類作成をし
服薬し
茶を飲んで
話をし
排泄し
帰途に就き
飯と酒を買い
煙草を吸い
食事をとり
入浴し
インターネットに接続し
ピアノを弾き
音楽を聴き
テレビを見て
いつのまにか眠り
朝が来る




嘘をつき
愛想笑いをし
どうでもいいことに興味あるフリをして
世間のゴシップに同調し
車の話
野球の話
噂話
週刊誌の話
待遇不満
進捗の芳しくない仕事の愚痴
上司の愚痴
同僚の不満
その他もろもろの話をして
その大半を覚えておらず
嫌気がさしつつも眠れば忘れる





そうしたひとびとを眺めていると
ぼくはすこし安心する





世の中に小説も文学も必要ない
今目の前にいる人間を見つめつづけること
そのひとから目をそむけたとき
あなたの真実の姿があらわれる




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祖父が死んでから、19年が経ちます。
仏前に酒を供えておきました。




一緒に一度だけ、飲みたかったな。

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