本日はそちらにお答えしようと思います!
といっても、たかだかフラ歴30年の若造が申し上げる個人的見解に過ぎませんので、あくまでも一つのご参考までに、軽い気持でお聞きくださいね
【其の一】チームの年齢層に幅がある場合
普段のレッスンからコンペ出場をにらんでいるのでもない限り、同じクラスの中でも年齢層に幅が出るのは、珍しい事ではないと思います。
かくいうウチ自身、色々なクラスを思い浮かべても、年齢層がまとまっている方が珍しいですね(もちろん、入学年齢が決められているシルバー大のクラブ発祥のグループは除きますが)。
まあ年齢で区切っているコンペに出るなら仕方ないですが、そうでないなら出来るだけいろんな年齢層の仲間がいた方が楽しいですし、親子で同じクラスに属する事も出来ますので、ウチは年齢で住み分けをしない方針です。
必ずしも年齢でレベル分けできないところも、フラの面白いところですしね。
しかしながら、そういうスタンスでやっていれば、必ずステージ衣装の悩みが出てきます。
つまり「どこの年齢層に合わせるか」という事ですね。
観ている人に違和感を与えない事も大切ですし、何より自分自身が満足のいく服装でなければ、踊っていて楽しくありません。
そこで、私達は解決策として「敢えて年齢層を設定しない」事にしております。
どこかに合わせれば、必ずそれ以外の層が置いてきぼりを喰らってしまいます。
和食が好きな人も中華派の人も洋食しか食べない人もいたら、どれかに統一するのではなく、多国籍料理を食べた方がみんなで美味しく頂けますね。それと同じです。
もちろん、美味しい多国籍料理であれば、の話ですが。
我々は誰の舌にも合う美味しい多国籍料理を目指して、体型に悩みのある人にとってはそれらが程良くカヴァーされ、若い人や流行に敏感な人のために最新トレンドを取り入れ、重ねた年齢が美しく見える上品さを持ち、なおかつすべての女性が愛するエレガントでゴージャスなスタンスを崩さずに、毎回の衣装を考案しております。
素敵なドレスであれば、どの年代が着ても素敵なものを作る事が絶対に可能です。
たとえば各国の王族の女性方を思い浮かべても、通常時の装いは年齢によって変りますが、フォーマルドレスは思ったより年齢差が少ない事に気づきます。
良い物は年齢を問わずに「良い物」なんですね。
まあ、確かに難しいっちゃ難しいです(笑)。
デザインが大人っぽくなり過ぎた時は色を可愛くするとか、逆にウェスト切り替えなどの可愛いデザインにするときはシックな色合いにするなど(もちろん色が先行の場合もあります)、無数の工夫が必要です。
でも必ず、若い人からも「カワイー!」と言われて、kupunaさんからも「こんなドレス着れて幸せー!」と言われる素敵な解決策が存在しますので、妥協せずに模索する事をお勧め致します。
そうそう、同じ生地を使ってデザインを変えるという方法もあるんですが、統一感が損なわれるのを避けられないので、ウチはなるべくやらないようにしてますね。
どうしてもそうしなければならないときは、デザインにごく微妙な差をつけて、それも年齢であなたはこっちと決めつけるのではなく、ご本人の自己申告でお選びいただいてます。
肌や体型の露出度の許容範囲と年齢は必ずしも一致していないのが興味深いところですね。
あと、同じ「統一感が乏しくなる」という理由でロングヘアを下ろしたヘアスタイルで踊る事も、ほとんどありません。大抵はアップです。
若い若くないの問題でなく、ダウンにすると個人の髪の長さや量によって、絶対にバラツキが出てしまうのですね。
それで全員で後ろとか向くとけっこう汚いのですよ(笑)。
そうそう、自分は若いからor髪に自信があるからダウンヘアで無問題と思っているダンサーでも、姿勢が悪かったり踊りの基礎が崩壊していたりすると、実物以上に顔がデカく見えて美しくない上、もっと悪けりゃ髪の毛がどんどこ前に垂れ下がって来て、私辺りがそれを客席から目撃していると「来~る~♪きっと来る~♪」と歌い出したくなるような状態になって来たりします。あ~、ブラウン管から出て来ないで~。
冗談はさておき、目安として「背中まで届く長さをハーフアップにしているのに踊っていると髪がだんだん前に流れてくる人」は姿勢の悪い確率が高いので、今一度自分の姿勢を見直す事と、ステージではアップにする事をお勧め致します。
まして普段ツンツンのショートカットで、舞台で安物のヅラをいきなり被るような事は絶対に避けてください。
それをやられるともはや宴会芸にしか見えません。
客席で笑いを堪える人の身にもなってください。
まず土台のヘアスタイルですが、カツラを被るには最低限の長さが必要です。特にフラの場合、前髪を上げなければなりませんので、境界線を自然に見せるためにはどうしたってツンツンじゃ無理です。
さらに、美容師さんなどプロにお願いするのではない場合、本番前のうちに必ず自分でキレイに被れるようにしておきましょう。
カツラは帽子ではありません。被るのには「慣れ」が必要です。それも自分の頭の形や地毛の状態を分っているのは自分自身ですから、自分で何とかできる必要があります。
誰かに何とかしてもらおうとか思ってると、頭だけ浮いた状態になってしまいます。
それからカツラ自体にも気を遣う必要があります。やっぱりあんまり安物はダメですね。
できれば日頃からお世話になっている美容師さんに手配をお願いするとか、専門店で探すのがよろしいでしょう。
最近、フラショップがおそろしく安いカツラや付け毛を色々出してますが、安さだけを念頭に置いて買ったものは所詮志村けんがコントで被るレベルであると認識しましょう。
安物をすでに買ってしまったというなら仕方ない、出来るだけ上手に被って、またはそれこそ美容師さんのチカラを借りて、精一杯自然にしなければなりません。
プロであるIKKOさんの領域を目指せとは言いませんが、せめて8チャンネル8時のあの人くらいは目標にしましょう。
そういえば、あの人の前髪も上が………いや、それ以上は言うまい。
いかん。つい関係のない話題にブッ飛んでしまった。
衣装の話に戻しましょう。
この話題を長々と書いておりましたら、そもそも「若い人の衣装」って何なんでしょうね?ということに、ハタと思い当たりました。
で、思い浮かんできた幾つかの衣装は、厳密に言うと「若い人向けの衣装」ではなく、「スタイルがよく、姿勢がよく、なおかつ踊りの美しい人向けの衣装」だと気づきました。
つい最近まで現役で活躍していた60代のプリマドンナの方は、若いプリマと同じ衣装で踊っても遜色無い体型と技術をお持ちでした。
逆に言えば、いくら若かろうと、今私が挙げた条件に一つでも合致していなければ、いわゆる若い人向けの衣装はやめておいた方が無難です。
「若い人向けの衣装」とは、露出度が高く、身体のラインもハッキリ出るような衣装ですね。
きょくたんに言えばコレです。
う~む…コレも、きょくたんと書いたけど結構好きな人が多いのよね…あ、見るのがじゃなくて着るのがね(苦笑)。
私の感覚だと、一般的な日本人女性は10歳くらいまでにしといた方が無難だと思うんですが…。
もっと…いや遥かに上の人も結構着ちゃってるよねえ(笑)。
まあ、こういう体型なら着てくれて構わない。
むしろ積極的に着てくれ。ハァハァ(怪)
日本人はとかく「痩せてる=スタイルが良い」と捉えがちだけど、残念ながらそんな簡単な話じゃないんだよねえ。
出るべきとこまで引っ込んじゃってると、この衣装はちょっとイタいんですよ。
で、それを誤魔化すべく、皆さん一生懸命胸を突っ張らかして尻を突き出して踊ったりなさるんですが、それがまた身体のライン丸見えなもんで、「無理してカーヴィーな体型を装おうとしてる図」が見え見えで、もう眼も当てられないほどイタい(笑)。
これぞまさに私が「痴女軍団」と呼んでいる状態です。
あと、セロファンスカートや薄いティリーフスカートだと、足運びが丸出しなのも注意が必要です。
特にガニ股気味だったり、膝を必要以上に動かしてしまう踊り方だったりすると、動くたびにその汚い脚がにょっきにょっきとスカートの間からご登場なさってしまい、これまた見るも無惨な状態が出現します。
あ、「汚い」っつーのは動かし方の事ね。脚自体の太さや形はあんまり関係ないです。
ちなみに、美しいダンサーが踊ると、膝がくっついて離れないようなピッタピタのタイトスカート穿いて踊っても綺麗です。別に若くなくてもね。
なので、衣装のデザインは年齢よりむしろ姿勢や踊りのレベルに左右されるという事になりますね。
初心者であればそれらをある程度カヴァーしてくれる衣装が必要ですし、優れたダンサーなら60代だろうと70代だろうとボディラインの出る衣装でも美しく着こなせます。
もちろん、同じグループに様々なレベルのダンサーがいるのであれば、年齢同様「全レベルのダンサーに対応できる衣装」を模索する必要がありますけどね。
以上、一つ目のご質問に(例によって激しく寄り道しつつ)お答えしてみました。
相変わらず脱線が多くて申し訳ありません
一つ目があるという事は、二つ目もある訳で、改めて別記事でご紹介させていただきます