変人バンザイ!!

不思議が好きで、立体写真を作ったり、星占いをアレンジしちゃったりする変人。

桃太郎のパロディー

2007-12-14 12:12:28 | 人生ネタ
昔々、あるところに、お爺さんとお婆さんが住んでいたんじゃと。
世間の仕打ちに耐えられんで、逃げるように山奥に引きこもったそうじゃ。
じゃが、山の草を刈ったり川で洗濯するようになってから、すさんだ気持ちがだんだん和らいできたんだそうじゃ。

あるとき、木や花や鳥を包んでる霧みたいなのを見つけて、家に帰ってから二人でその話をしたんだそうじゃ。
いろりの火を見ながら、お婆さんはお爺さんに言ったんじゃ。
「お爺さんにもついとるよ。桃のような丸い形の霧みたいなのが。」
「おお、これが噂の『気』というもんじゃな。生きもんには、みんなついとるわけじゃ。」
目からうろこが落ちて、改めてそれを気太郎と名前を付け、いつも見るように心がけたんじゃそうじゃ。

今日も気太郎は元気かな?なんて見てるうちに、しだいに大きく、はっきり見えるようになったんじゃ。
おかげで、毎日、気太郎の形が変わってる事に気づいたそうじゃ。
丸だったり、四角だったり、三角だったり、ときには鬼の角のように、トゲトゲしとったらしい。

忠実な犬が啼いて教えるように、その形で体の調子が悪くなりかけてるのが分かるようになったんじゃと。
お婆さんは、見えない空気を両方の手のひらで団子を練るような仕草をしたんじゃ。
昔、気の団子の作り方を習ったことがあったそうで、この気の団子を体の悪いところに当てると、調子が良くなり、気太郎の尖った角も丸まったそうじゃ。

ところがじゃ、お爺さんとお婆さんが昔、受けた世間の冷たい仕打ちが、怒りとなって、時々、猿のように暴れ出すそうな。
その時、気太郎はきまって角張り、見えなくなりそうになるんじゃが、やっぱり、気の団子を練って胸の心に当てると、すぐ元に戻るそうな。

心も体も穏やかになった二人じゃが、寝ている間は、どうにもならんかったそうじゃ。
夢は鳥のように自由に飛び回り、昔の悪夢にうなされる事が、たびたびあったんじゃと。
お爺さんとお婆さんは、できるだけ助け合って、どちらかがうなされたら気の団子を練って、額に当てるようにしたそうな。

それから二人は、気太郎と共に、ずっと仲良く幸せに暮らしたそうじゃ。

                        ゲッ、ゲッ、ゲゲゲのゲ~。
コメント
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