京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

思い汲みあって

2023年08月22日 | 日々の暮らしの中で
地蔵盆を前にして、普段は町内の祠においでのお地蔵さんを子供たちの手できれいに洗い清めた。
お飾りの道具類も寺から会所へと運び出し、座を移した。

当日の朝に祭壇を整え、各戸で菓子や飲み物を供える。子供たちの居場所づくり、二日間の昼食づくりなどに大人がかかわる。
鉦を鳴らしながら幼い子供たちも年長者と一緒に「じぞさん(地蔵さん)に賽銭あげとくれぇ」と唱え唱えし、町内筋を練り歩く。
と、見知ったおばさんたちが門々から姿を見せ、賽銭箱には白い包みが増えていくのだ。
最後には子供たちで分け合うことになっている。
子どもがいてもいなくても、町内の行事であり、帰省の家族縁者も自由に参加を歓迎している。


百万遍の数珠回しでは「ナムアミダ ナムアミダ」と唱えながら数珠を繰り、大玉が手元に来たらサッと額の高さにいただいて、隣へ送る。
最後の晩、これをもって終わる。(むか~し、昔の写真に、私がいた)

長い(大きい)お地蔵さんの耳のように、苦しいこと悲しいこと、楽しいことなど、聴ける耳を持ちたいと、懸命に心がけてはきたのだわ。
それでも、その時の自分の気持ちのありようで受け止め方は左右してしまい、時には人の心を突き飛ばしたり、またはねっ返されたり…。
どうしても自分の思いで、ものごとを聞いてしまうからだ。勝手に誤解して聞き取ってしまうとなると、それはとても厄介なことだ。

よい聞き手になるには、相手の気持ちに合わせることが大切なのだそうな。
寄り添うってことは相手の心のそばにいることだと誰かが教えてくれた。
町内の長い付き合いではあっても、なにかを一緒にすることで互いに思いを汲みあって、つながることを新鮮に楽しめたらいいと思う。

耳で聴いて、心で聴いて。 
いつも私のそばにいて、言うこと(書くこと)を聴いていてくれるお地蔵さん。

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4 コメント

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「ナムアミダ ナムアミダ」 (Rei)
2023-08-23 15:22:55
百万遍の数珠回し、テレビで見たことあります。
Keiさんは何処にいらっしゃるのでしょう。
昔、チベット族の住む中国奥地で現地の人が
「マニ車」を回しているのを思いだしました

上野朱「蕨の家」アマゾンへ注文しました。
楽しみです。
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マニ車 Reiさん (kei)
2023-08-23 20:57:10
嫁いで知った地蔵盆でした。
寺の境内で盆踊りもしましたが、変色してしまった写真です。
大人が3人、右端です。
マニ車はテレビで見たことがあります。

息遣いや肉声まで伝わってくるような…。
時に文章にクスッとさせられて。
楽しみになさってください(笑)
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ご報告 (Rei)
2023-08-24 11:14:33
何ともう「蕨の家」届きました。
アマゾンで以前ほど買わなくなりましたが
こんなに早く届いたのにはびっくりです。
未読の本があるのは心を豊かにしてくれます。
ありがとうございました。
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速達並みに? Reiさん (kei)
2023-08-24 20:22:28
まだかまだかと待つよりも、「はやっ!」と驚く方が嬉しいですね。
異例の速さでしたか。
アマゾンは便利ですよね。
ご丁寧に、ありがとうございます。
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