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京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 夏も行く

2012年08月16日 | 催しごと

お盆に迎えた祖霊を浄土へ送るという五山の送り火が焚かれる。
京都東山の如意ヶ岳の「大」、松ヶ崎西山東山の妙法、金閣寺裏山の大北山の左大文字、形、西賀茂妙見山の船形、嵯峨曼荼羅山の鳥居型、この五山のお送り火が夜空を焦がす。

京都は、「しるし」への眺めを大切にしている街だといわれる。この五山の「しるし」の眺望をさえぎることがないようにと、建造物の高さも規制して守ってきているのである。

こんなところからも見えると、偶然に発見したビューポイントはあるが、いつもこの時期までには忘れてしまう。昨年はそうして見つけた大文字を眺める場所へと急いでいた。たくさんの人が詰め掛けていたから、付近ではお馴染みの場所だったのだろう。ところが後日通った時は工事現場と化していて、2階建てマンションが楽しみをすっかり奪ってしまっていた。眺めは完全に遮断された。文句の一つも言いたい、絶好のポイントだった。

今夜は以前にJessieとも一緒に来たことがある場所へと急いだ。東山に大文字が点火され、夜空が明るくなったのをを歩きながら眺め、目的地到着。「妙」は眼前だ。北西に「船」が見える。

 
 
我が家には、祖霊を迎えたり送ったりという信仰行事はない。けれど、この世に後ろ髪を引かれながらもあの世へと死者の霊が帰っていくとみる思いも、懐かしい人との別れを惜しんでそれを見送る心情も、私の中に流れている。暗い闇の中で燃え上がる火は、見る人それぞれに様々な思いを抱かせてくれるに違いない。

今年の夏も終わった。大文字がすむと一気に秋の気配が進む、と言われるのだが、果たして実際はどうだろうか。
コメント (8)
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