
(写真は7月末の大文字山)
青い空が広がった中で、東の如意ヶ嶽の背後に大きな美しい入道雲が立ちあがっていた。いくつも立ち並ぶ様は、まさに「夏雲 奇峯多し」(顧之)といったところ。中国東晋の時代と同じような光景が、眼前に広がっているのだった。
やがて五山送り火の一つ「大」が点される大文字山、「大」は「一人」と書くことから人形(ひとがた)で、無病息災を祈る火と言われているらしい。
お盆を迎える前に、仏具類が研磨剤に藁を用いてピカピカに磨き上げられた。門徒さん方のご協力を得て、花瓶・香炉・火立てなどをはじめとして本堂、内陣のものまで、磨き物は終えることができた。
娘夫婦の誕生日が近づいてもいる。五日違いで二人ともが仲良く八月生まれとあって、一度に送れることはありがたい。希望の品も調えたし、そこに本当にささやかな気持ちを添えて荷造りを始めた。可愛い子どもたちの衣類ももちろん入れ込んである。
お盆を迎えても里帰りしてくる予定もないのは、まことに淋しいことだけれど…。