昼の時間が延びてきていて、夕方にカーテンを閉める時間もわずかに遅くなってきた。縮こまった背筋も思わず伸びるほど、朝から日差しのせいで明るい。あ~、春は来るな、と実感させられる一日だった。
半月ぶりにやって来たウォーキングコース。すっかり葉を落とした細い枝々の先に、赤みを帯びた小さな芽がスクッと勢いづいている木がある。こんなところにドウダンツツジがあったのかと、今更ながらに気がついた。ところどころのベンチでは日向ぼっこをしている。風はない。足取りも軽く、4周クリアーをめざしてスタート。
すぐ後ろで足音が聞こえていた。気付いてからしばらくになるが、間隔は変わらないのだろうか。と、並んだ。追い抜いていくではないの!
フードをすっぽり被っていたが、女性だとわかった。両手を大きく振り、膝をしっかり伸ばして、歩幅が大きい。歩くお尻がプリップリッとしてるところからして、若いな!? フォームは、まるで軍人さんのパレード並みだ。あのね、登りは少し歩幅を小さくね~。
追いつかない悔しさが、あれこれつぶやきに変えるのかもしれない。音楽など聴きながら、もったいないなあ~。鳥が鳴いているわ。魚が跳ねてる。水鳥が水面を飛び立っていく。道を踏みしめて歩く足音も、木々の梢が揺れ、空気の流れる気配…、なんにも聞こえないでしょうに~。
闊歩する姿が遠ざかると、そうした人のことなどどうでもよくなった。
いまだ修行が足りません。平静さを失わないようにしなくては!?